2024年10月
■2024年10月
ポルシェジャパンは、「911 GT3」にマイナーチェンジを実施して、2024年10月19日に発表、同年12月6日に予約注文の受け付けを開始した。
今回の改良では、サーキット走行を重視した「911 GT3」と、同車をベースに固定式リアウイングを取り払うなどの控えめなデザイン変更を施した「911 GT3ツーリングパッケージ」を同時設定している。
パワートレーンは、911 GT3、911 GT3ツーリングパッケージともに最高出力375kW(510PS)、最大トルク450Nmを発生する自然吸気4.0リッター水平対向6気筒エンジンを搭載。従来モデルと比較して、最高出力は従来と変わらないが、最大トルクは20Nmダウンしている。そのほか改良点としては、新しいシリンダーヘッドや「911 GT3 RS」譲りのカムシャフトのほか、流量を最適化したスロットルバルブと改良したオイルクーラーなどが搭載される。また、7速PDK車(DCT)と6速MT車の最終減速比を従来よりも8%ローギアード化。最高速度は7速PDK車が311km/h、6速MT車が313km/hと、それぞれ従来から7km/hダウンしている。
足回りでは、ダブルウィッシュボーン式のフロントアクスルに空力性能を高めたティアドロップ型トレーリングアームを新採用。また、ロアトレーリングアームのフロントボールジョイントの位置を変更している。
エクステリアは、主に空力性能を向上させた。前後ディフューザーやスポイラーリップ、アンダーボディのフィン、LEDマトリックスヘッドライト、エアインレットなどを変更。さらに911 GT3のリアウイングには、角度のついたサイドプレートが新たに装着される。
また、911 GT3に新設定された「ヴァイザッハパッケージ」では、スタビライザーやカップリングロッド、シアパネルなどをCFRP製にするとともに、同じくCFRP製のロールケージや、マグネシウム製軽量鍛造ホイールをオプション設定している。インテリアはレザーとRace-Texのトリムとなる。
また、911 GT3で追加料金なしで選択できる「クラブスポーツパッケージ」には、ボルトで固定されたスチール製ロールケージ、ドライバー用の6点式シートベルト、手持ち式消火器などが備わる。
一方で、911 GT3ツーリングパッケージには「ライトウェイトパッケージ」が設定される。ルーフがエクステリアカラーと同色となり、スタビライザーやカップリングロッド、リアアクスルのシアパネルがCFRP製となるほか、マグネシウム製の軽量鍛造ホイールと軽量ドアパネルを装備する。6MT車は「911 S/T」と同じショートストロークのシフトレバーを採用しており、シフトパネルに軽量構造を意味する「Leichtbau」のプレートも備わる。
なお、ボディカラーは全8色となっている。
同年10月30日にはマイナーチェンジした「カレラ T」の予約受注を開始した。
カレラTは、「911カレラ」をベースに、同車よりも40kg軽いボディやリアアクスルステアリング、6速MTなどによってスポーティさを強調。「911カレラ」と「911カレラ GTS」の中間的ポジションとなる。
エンジンは911カレラ同様に、最高出力290kW(394PS)、最大トルク450Nmを発生する水平対向6気筒3.0リッターツインターボエンジンとなる一方で、ミッションは911カレラには用意されない6速MTのみの設定となる。また、シフトダウン時にエンジンとギアボックスの回転数差を自動的に補正するオートブリッピング機能を採用。4.5秒という0-100km/h加速タイムは従来と変わらないが、最高速度は従来よりも4km/h高まって295km/hとなっている。
専用チューニングのリアアクスルステアリングに加えて、フロントのステアリングレシオも変更。さらに、車高を10mm低く設定した「PASMアダプティブスポーツサスペンション」や、フロント20インチ、リア21インチの「カレラS軽合金製ホイール」を標準装備する。
エクステリアには、リアウインドウに6MTのシフトパターンロゴをあしらったほか、リアのモデルロゴ、リアリッドグリルのインレイ、ホイールなどがバナジウムグレーメタリックとなる。
インテリアには、タータンチェック柄のシートや、ダッシュボードに備えられるストップウォッチ、ウォルナット積層木材を使用したシフトレバーなどを採用。さらに、「ヒーテッドGTスポーツステアリングホイール」を標準装備するほか、「Race-Texステアリングホイール」も選択できる。
ボディカラーは全13色から選択可能。