プジョー リフター 「ベルランゴ、カングーと比較試乗で選んだ、走って抜群に楽しい、ドライバーズミニバン」のユーザーレビュー

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プジョー リフター

グレード:アリュール_RHD(EAT_1.5) 2020年式

乗車形式:マイカー

評価

5

走行性能
5
乗り心地
4
燃費
4
デザイン
1
積載性
4
価格
4

ベルランゴ、カングーと比較試乗で選んだ、走って抜群に楽しい、ドライバーズミニバン

2021.5.3

総評
評価のベースは前車であるポルシェ・カイエンなので、評価は辛めになりますが、それでも抜群の車。デザインはカイエン同様ひどい車ですが、ドライビングパフォーマンスはベクトルが異なるものの、それ以上に楽しい車です。
比較対象のベルランゴは生い立ちはリフターの双子車ですが、全く違う車でより商用車臭が高く、ロードノイズ、エンジン音、エンジン振動がよりストレートにドライバーに届くとともに、ダンパーの初期の減衰が極めて緩く、常時、船に乗っているようなフラフラ感があります。荷物にはよいのでしょうが、運転者にとっては接地感が希薄で怖く、不意にグラッとくる場合があり大変疲れます。また、ATの設定がトルコンを滑らせる方向で、アクセルを踏み込んでもエンジン音のみが先に上がり、まるで初期のCVTに乗っているような感覚です。一方、カングーはその点が非常によくできていてリフターがなければ、確実にそちらを選んでいました。カングーのベクトルはカイエンと同じ方向を向いており、しっかりと踏ん張るタイヤとしなやかな足回りで、山に入っても自在に運転できるいい車です。残念ながら、かなりやかましい車で長距離ドライブは辛いと感じさせます。それに対しリフターの乗り味はなかなか似た車がありませんが、とにかく柔らかいくせにどこまでも粘るしなやかな足回りで、カイエンが4輪がどっしりと路面を踏ん張り、その上で最少のロールで駆け抜けるのに対して、リフターは4輪がまるで路面を吸い付いたようにトレースし、ボデーがその上に緩やかに載っている。大きくロールしても不安感がまるで起こりません。あたかも、リフターと言う獣に跨って時に大きくかがみこみ、時にはじかれるよう動物的に走るようです。ハンドルとアクセル・ブレーキを手綱とし、いかようにでも車の姿勢をコントロールし走れてしまい、車との間に意思の疎通が感じられます。これを経験してしまうと、カイエンの方向は無機的で面白みがないと感じざるを得ません。もちろん、高速道路での直進安定性、横風安定性などはカイエンのレベルには達していませんが、それでも、この全高の車の中では抜群というレベルにです。
もし、わたしの上げた3車で悩んでおられる方がおられれば、以下の基準で選ばれればいかがでしょうか?
デザインが第1なら自分の感性を信じて選ばれればいいでしょう。おそらく、カングーかベルランゴを選ばれるでしょう。
実用性で選ぶなら、じっくりとディーラーで実車を見てください。ベルランゴとリフターの全高5cmの違いはすべてのシートの高さ違いであり、高齢者や子供にはその5cmは非常に大きいはずです。また、扉の開閉時の使い勝手についても実際に使われる方の意見を聞かれるのがいいと思います。この点からはおそらくカングーしかないでしょう。
燃費が気になるのなら、もうこれはベルランゴかリフターしかないでしょう。おそらく、出費はカングーの半額になると思います。(カングー:ハイオク、ベルランゴ/リフター:軽油)
運転のしやすさで選ぶなら、カングーの従来の基準での良さと、新しい感覚でのリフターのどちらを選ぶかで、これは少し試乗をしてみればでちらが自分に合うかがわかると思います。
満足している点
1.ワインディングロードや峠道に入ると、思わず、ほおが緩むドライビングパフォーマンス。
2.存外に良い燃費。平均車速20Km/hで13Km/L、40Km/hで18Km/L
3.荷物を積んだままでも、体を伸ばして車中泊が可能なシートアレンジメント
不満な点
1.意外と伸びない高速燃費。平均車速80km/hで20Km/L
2.あまりに残念なデザイン(どう見ても大きなワゴンRにしか見えない)と、どんくさいカラー
デザイン

1

遠目にはワゴンRにしか見えない。
フロントグリルのセンスが80年代。
色も何とかして!
走行性能

5

ECOボタンを押すと並みのミニバンの走りだけれど、解除すると3L車並みのトルクでぐいぐい走ります。今まで3500Km走って不足を感じたことは一度もありません。コツは、アクセルをじわっと踏むのではなくメリハリをつけて踏むこと。初期の車にあった、3速から2速にシフトダウンする時にトルコンのロックアップの解除が遅れ、減速がなめらかでなかった点は、3月のモデルより解消されています。
また、けっこうスカットルが高く前方の視界が制限されますが、これはシートポジションを高くとることにより解消されます。この車に試乗する時は、まずシートを最も高い位置に上げたところからスタートするのがいいと思います。アップライトに座るのがこの車の基本姿勢です。
疲れずに長距離ドライブができるので、遠出が増えます。
乗り心地

4

足回りは、とにかくしなやかなのに、安定感抜群。これぞプジョーの猫足。プジョー車の中でも一番ではないか?これは特にアリュールに顕著で、GTの方はややごつごつ感が残ります。
音と振動はこの手の車としてはたいへん静かですが、国産の乗用車と比較すると、さほどいいとは思いません。
比較車となる、カングー、ベルランゴと実車で比べると、かなり乗用車的で静かでなめらかです。
積載性

4

これは、使い方で評価は大きく変動しますが、わたしが気に入っているのは、後席の3分割シートの左側と助手席シートを倒し込むと、大人一人が寝ることのできるフラットスペースが生まれることで、荷物を積んだままゆっくりと車中泊ができます。ベルランゴは後席シートが2:1の分割になっていて、2の方を倒さねばならず、荷物スペースが限られてしまいます。
燃費

4

軽油の経済性を合わせて考えると、ミニバンの中ではハイブリッド車を合わせて考えても、最も燃費がいいのではないでしょうか?
郊外中心に走ると、リッター18Kmくらい走ります。ただし、高速道路に乗ってもそこからの伸びはわずかで、ついつい一般道を選んでしまいます。
価格

4

車のガタイを考えると格安に感じます。カングーより50万円ぐらい高いですが、長く乗るなら燃費差を考えると同程度と考えてもいいと思います。
故障経験
小さなマイナートラブルがありましたが、販売店の方で真摯な対応をしていただきました。

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