日産 セレナ 「走りの質感や経済性、快適性ではe-POWERが圧勝」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

一条 孝
一条 孝(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

4

デザイン
3
走行性能
4
乗り心地
4
積載性
4
燃費
3
価格
3

走りの質感や経済性、快適性ではe-POWERが圧勝

2023.9.6

年式
2022年11月〜モデル
総評
6代目となるセレナはCプラットフォームの改良版を投入し、最新のプロパイロット2.0を搭載したルキシオンをラインアップした。車線中央をトレースし、手放し運転を可能としたセレナ(ルキシオン)は安楽なクルーズが楽しめるファミリーカーの代表格。新型では8人乗りのe-POWERも設定されるなど、先代で欲しかった仕様も設定されている。ライバルと比べると新鮮味はいまひとつだが、運転支援システムを含めた装備内容ではライバルと互角以上に渡り合える性能を備えている。
満足している点
e-POWERに搭載される発電専用ユニットのスムーズさ、静粛性の高さ。モーター走行ならではの力強さや滑らかさも心地よい。さらにルキシオンに搭載されるプロパイロット2.0のトレース能力の高さ、ハンズフリー化で快適なドライブが楽しめることも魅力のポイント。
不満な点
ミニバンとしては運転席の足元がタイト。プロパイロットが全車標準は評価したいが、プロパイロット2.0はルキシオンだけではなく、他のグレードでも選べるようにしてほしい。e-POWERには1500Wまで使えるAC100V電源がオプションで用意されたが、出来れば標準装備にしてほしい。
デザイン

3

縦3連のヘッドライトに横基調のクローム処理でV字を描いたフロントマスクが斬新で、いかにも日産車らしい仕上がりを見せる。しかし、サイドビューは先代のイメージのままで新しさを感じさせない。ボディサイズは先代と同じく、ベースモデルは5ナンバーサイズに収められている。エアロ付きのハイウェイスターが3ナンバーとなるが、それでも全幅は1715mmに抑えられている。狭いスペースでも駐車しやすいボディサイズだ。
走行性能

4

セレナのガソリン車は先代と共通の2リットル。エンジン自体に変更はないが、CVTは制御をリニューアルしてリニアリティが高められている。動力性能は必要にして十分。加速時のノイズも抑えられており、普段使いならばこれといった不満を感じさせない出来映えだ。主力のe-POWERはエンジンの排気量を235ccアップし直噴化することで燃焼効率を向上。163ps/315Nmを発生するモーターは発進直後から力強く、スムーズなモーターフィールが心地よい。発電専用のエンジンが稼働しても耳障りなノイズを発せず、静粛性が高められているのも美点。操縦安定性はこのクラスとしては平均的だが、デュアルピニオン式を採用した電動パワステのしっとりとした操舵フィールは上質で心地よい。最上級グレードのルキシオンに装着されるプロパイロット2.0は、全車速追従機能付きACCで手放し運転が可能。高速クルーズでは疲労を軽減し、快適なドライブに貢献。惜しいのは、最小回転半径が5.5mから5.7mと大きくなったこと。
乗り心地

4

タイヤは全車205/65R16サイズに統一。タイヤ銘柄はガソリン車とe-POWER車で共通の低燃費タイヤを装着するが、ルキシオンにはブリヂストン・トランザを装着。サスペンションの味付けはソフト寄りだが、タイヤの指定空気圧が280kPaと高めなので路面の段差ではゴツゴツとした感触が強めに出ることも。走行中の静粛性はガソリン車でも大きな不満は感じられない。吸音材や遮音材を多用したe-POWERはエンジンが稼働していても耳障りなノイズを発せず、「先読み充放電制御」も含めて静かな走りに貢献。さらにルキシオンはフロント&フロントドアのガラスを遮音タイプとしていることにも注目したい。
積載性

4

リヤゲートは先代に引き続いてデュアルバックドアを採用。上部のハーフバックドアを使えば、狭い場所でも荷物を積み込むことが可能だ。サードシートは左右跳ね上げ式を踏襲。跳ね上げのしやすさや跳ね上げたシートの張り出しの少なさではノア/ヴォクシーに一歩譲るが、セレナは跳ね上げた際でも視界を確保できるのがメリット。26インチの自転車の積載も可能で、セカンドシートの横スライドで前輪を固定できるというメリットも。深さのあるラゲッジアンダーボックスも装備されている。
燃費

3

売れ筋のセレナe-POWERハイウェイスターVのWLTCモード燃費は19.3km/L、同ルキシオンが18.4km/L。e-POWERハイウェイスターVで横浜から福島までの約610km区間(高速8割、一般道2割)で計測したところ、16.8km/Lのデータが得られた。東北道には120km/h区間もあり、走行&追い越し車線を流れに合わせて走行している。
価格

3

ガソリン車のハイウェイスターVの326.92万円に対して、e-POWERの同グレードは368.61万円と、その差は約42万円。価格だけで判断すればガソリン車のほうがオトクだが、走りの質感や経済性、快適性ではe-POWERの圧勝。プロパイロット2.0を搭載するルキシオンは479.82万円と飛び抜けて高価だが、ナビゲーションシステムや車載通信ユニット、ドライブレコーダー(前後)などを標準装備するほか、専用アイテムも充実。高価な設定にはそれなりのワケがある。
一条 孝
一条 孝
自動車ジャーナリスト
自動車専門誌の編集&ライターとして活動後、自動車ジャーナリストとして専門誌やWeb、タブロイド紙などに寄稿。運転する楽しさを追求するとともに、環境性能やパッケージングにもこだわりを持つ。これまで保有した車の大半はFRレイアウトのマニュアル車。日本自動車ジャーナリスト協会会員
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