ゴーン体制の日産を具現化した車
仕事上の付き合いもあって、説明と、やや長めの試乗をしてきました。まず価格。世界160カ国での販売を目指し、日本国内では
2010.7.16
- 総評
- ゴーン体制の日産を具現化した車
仕事上の付き合いもあって、説明と、やや長めの試乗をしてきました。まず価格。世界160カ国での販売を目指し、日本国内では100万を切る価格帯からデビューさせたのは日産なりに考えた上での戦略なのだろう。その結果が日本製ではなく「タイ製」という行動に日産は出た。ホンダの「フィットアリア」もタイで製造している物を輸入しているが、フィットアリアの日本での位置づけは、あくまで車種の埋め合わせ程度。しかしマーチ違う。日産の中でも主力の部類に入る車種。それを国産からタイ製に切り替えるとは随分な事をしたものだと思う。
結論から言うが、この車は日本の製造業(=経済)の未来を考えると絶対にこの車は買うべきではない。自分の会社の目先の利益を最優先させて、国外生産・・・。こんな事をして仮に売れてしまえば、きっとアジをしめて第二・第三のマーチが出現するであろう。そうすると日本国内の産業は空洞化し、経済が衰退する。結果的に負のスパイラルに陥る恐れがあるからだ。
こんな国賊的な大胆な事をするのは、さずが「目先のカネのことしか考えていないゴーン社長」と思ってしまう。かと言って、先代と比較すると(先代が良かった為か)退化している?と感じる部分が所々感じる。大胆な事をした割には、車自体の完成度は小さく纏まった車になってしまい、実に勿体無いと感じてしまった。
- 満足している点
- 比較的良い燃費。2時間程度の試乗ではエアコンをONにして普通に走って17前後。カタログ上のリッター26kmまでは行かないにしても、まぁ納得のレベル。
そして、内装。先代が斬新だった為か、エクステリアに関しては目新しさは全く無いが、まずまず落ち着いた雰囲気のインテリア。そしてパッソ等に搭載しているトヨタ(=ダイハツ社製)の3発のエンジンよりも少ない不快な振動。パッソと比較すると走行性能は同等でも、エンジンの完成度と走行時の遮音性はマーチの方が上に感じた。
- 不満な点
- 露骨なまでのコストカット。総評にも記したが、部品等では飽き足らず、ついに生産拠点(=日本で働く人の人件費まで)まで手をつけたこと。エクステリアデザインも初めて見た時、一瞬だけパッソ??と見間違うほど酷似していると思った。個人的な好みだがエクステリアデザインに限っては、先代マーチの方が斬新で未だに色褪せることもない。こっちが旧モデルですか?とさえ思ってしまう。
スペック的にも、別に目立った所はない。走る・止まる・曲がるに関して、旧モデルと変化(進化)を感じない。まぁ、エンジンが4発から3発になった事を考えると、そこで味付けに変化を感じないというのは、性能が上がったとも言えるが・・・。
そして価格。100万を切ると言っても、オプションを付ければ話は別。日産ジュークでもそうだが、あれもこれも付ければ、最初のイメージ以上の価格に跳ね上がる。そう考えるとナビ付セットで110万前後の「マツダ・デミオ」の方がお買い得と言える。「タイ製」じゃないし。そう言った意味ではコスト削減の為に日本から出て行った割には、まだまだ価格が高いと思ってしまう。
冷静に考えると価格はオプションを付けると中途半端。エクステリアデザインは明らかに退化。走行性能も旧タイプと殆ど差を感じない上に、日本製ではない・・・。そして何より日産(ゴーン?)の目先の利益優先の手法に怒りさえ感じる。何も新型マーチをわざわざ選ぶ理由がないと断言出来てしまうところが、この車の一番の短所。
- デザイン
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- 走行性能
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- 乗り心地
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- 積載性
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- 燃費
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- 価格
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- 故障経験