日産 マーチ 「10年以上のロングモデルライフ」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

10年以上のロングモデルライフ

2022.1.21

年式

2010年7月〜モデル

総評

モデルライフが長いにしても、もう少しマイナーチェンジなどで手の入れようはあるのではないかと思ってしまう。国内市場ではノートが他メーカーのコンパクトカーと戦う役割を担っているため致し方ない部分もあるのかもしれないが、少しマーチのポジションはかわいそうに見えてしまう。次期モデルがあるのかは分からないが、あるとすればノートとどのように差別化されるのかに期待したい。

満足している点

モデルライフが長いため、フルモデルチェンジしたライバルと比べてしまうのは分が悪いが、その中でも光るポイントとして挙げられるのはトランクの積載性の高さであろう。このクラスのコンパクトカーとしてはトランクルームに高さがあり、積める荷物のバリエーションが豊富と言えるだろう。

不満な点

モデルライフが10年を超えてきて、装備内容やメカニズム的に古さを隠しきれないのは致し方ない。今風に手直しするのであればe-POWERとACCは少なくとも欲しい装備と言える。一般ユーザーが購入を検討するのであれば、他のコンパクトカーを選択してしまうのは仕方ないことではないだろうか。

デザイン

2

プレーンでシンプルなデザインのため、年式相応の古臭さは感じないが、国内の同クラスのモデルが新型へと移り変わっていることを考えると、デザインが古く感じてしまうのは致し方ないのかもしれない。灯火類にLEDを多用すればその雰囲気も変わるかもしれないが、国内市場でノートを優先している今それは難しいのだろうか。

走行性能

2

2010年の登場当時の水準で考えれば決して悪くはないと思うが、当時としてもライバルに対して特出していた訳ではないので、ライバルたちがフルモデルチェンジした今となってはあまりめぼしいものがないのは事実であろう。

乗り心地

3

登場当時のコンパクトカーとしては優れた乗り心地であったと言えるだろう。しかし、同クラスのライバルたちが新世代へと移り変わっていく中で、マーチは同じモデルで継続されていることを考えると分が悪い。今や同クラスの他のモデルよりも乗り心地が優れているとは言えない。

積載性

5

縦横の幅はコンパクトカーであるためさほど大きくない、そのためトランク面積はあまりないのは仕方ない。しかし、このクラスのモデルとしては比較的トランクの高さがあるのは高評価なポイントと言える。この点は進化したライバルたちと比べても見劣りすることはないはずだ。

燃費

3

基本設計が1世代、ライバルたちに比べて古くなってしまうため、燃費性能は劣る。このクラスでもハイブリッドの普及が進んでいるため、そのようなモデルたちと比べてしまっては分が悪い。しかし、古い割にはそこそこといった具合。燃費が悪くて痛い目を見るということはない。

価格

3

価格とグレードラインアップだけ見るとこのクラスとしては平均的な印象を受ける。しかし、他ライバルがフルモデルチェンジし、最新の運転支援システムを装備していったのに対して、運転支援システムの装備内容が少し乏しいところを考えると割高感を感じてしまうのは否めないと思う。