イタリアのデザインには惹かれるものが多いですが、日本製の工業デザインにはがっかりするものが多いと思います。そこで、なぜイタリアにデザインを任せ、日本でそのとおりに作るということをしないのでしょうか？

Question

少し前のトヨタなら技術力や耐久性は良かったと思います。その反面、ほぼ同じ車を作っているはずなのに、富士重工の方がはるかにましなデザインになっています。見えるところは１００％イタリアの指示に従い、見えないところだけトヨタでも日産でも国内の自動車メーカーが作れば目に優しい車ができると思うのですが。

補足

海外にいると、トヨタの車は見ていてとても恥ずかしいです。イタリアぞっこんというわけではないのです。あまりにも恥ずかしいデザインを何とかして貰えないかと思ったものですから。、

Answer 1

昔はイタリアやドイツのデザイン工房へ依頼することがありましたが、現在ではそういうことはしません。

というのも、デザインはその製品の命とも言えるものです。社外へ発注することによりその情報がライバル企業に漏れるということもあり得ます。また、ライバル会社の製品のデザインを手がけていたりするとそこと似てしまったりと、イロイロと不都合が生じます。

このため、近年はデザインスタジオを日本の本社スタジオの他に米/欧/アジアの海外に自社で持つということが一般的です。

日本車のデザインが画一的で面白くない理由は2つ。

・量産性や整備性を重視するために複雑な造形はNG
・会社上層部の役員のせい

キャラクターラインが多く入れば、それだけ金型にもお金がかかりますし、量産する際の妨げにもなります。

補記類の収納や配管が効率よくなるように考え、また整備性も考えなければなりません。定期交換が必要な消耗部品を交換するのに余計なところまでバラさなければアクセスできない整備性では、工賃ばかりがかかって購入者から文句が出ます。イタリア車には少なからずこういった面があります、イタリア人はお気楽でそんなところまでは気にしないのでしょうね。

デザインを最終的に承認するのは会社の役員です。デザイナーが奇抜なデザインを提案したとしても、車が売れなくて株主に対して責任を取るのは役員です。このため無難な選択をする傾向にあります。

日本人デザイナーでもかつて日産でセフィーロのヒットを飛ばしてアウディの今の顔を造った「和田」氏や、フェラーリをデザインした「奥山」氏など世界で活躍するデザイナーはいます。

和田氏がそのまま日産に残り、あのアウディ顔が日産から登場したか？と言えばそれはNoでしょう。日本人の役員では"強力な個性"は求めませんから確実に却下されます。

日本の会社の構造的な限界…とも言えます。

これが現在の日本の閉塞を生んでいる理由の一つとも言われており、ダイソンの掃除機や扇風機が高価にも関わらずデザインで売れているところに閉塞を打開するヒントがあるとも言われています。

質問者からのお礼コメント

そうですか。日本の会社が独自にデザインするという方針を徹底させてしまっているんですね。良いデザインを期待するのは無理なんですね。

Answer 2

目に優しいクルマ。（笑）ほぼ同意ですね。がイタリアンスタイルは好みが激しく別れて商売になりません。なのでこれからも日本テイストが変わることはありません。日本人のデザイナー達はとにかく小難しい言葉ですデザインを議論するので出来るカタチも小難しいものになります。凝っている割りには普通に見える意味不明のカタチですね。以前、職場で方言で上司にハナシをしたら「標準語で話せ」と叱られたことがあります。デザイナー達は個性、個性と個性というコトバも考え方も大好きですが意外にも個性を職場で発揮したら浮いたりするのが実際です。日本人のデザインはこうした根っこのところから駄目な気がしますね。新型車が発表されるとそのクルマの担当デザイナーが良く得意げに語ったりしますがそのコトバのほとんどが上滑りか意味不明で理解不能。聞いているだけで頭が痛くなることがしばしばです。たいしたことがないカタチを前にのうのうと語るその面を見ていると見ているだけでワクワクするイタリアンスタイルに追いつくのは永遠に無理だと思います。

Answer 3

デザインは好みの問題もありますが
イタリアの車、まぁフェラーリ等はデザイン重視の車ですししょうがないですね
それでも、フェラーリの中でも特別な名前を持つエンツォのデザイナーは日本人です
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A5%A5%E5%B1%B1%E6%B8%85%E8%A1%8C
日本にももっとこういう人は居るはずなんですが、社内で権限が無いので作っても採用されないのが多いでしょう
いい加減日本の企業もいいものはイイと認める力が必要だと思います
ニッ●ンとかのデザインがカッコイイとは到底思えませんし、先鋭的でもないですし
ト●タは目指せ８０％ですから万人受け狙いですしね

鶴の一声で変わってしまう現状は変えられないかも知れませんがｗ

Answer 4

そんなの作ってもぜんぜん売れませんて。

イタリアのデザインが至高だと思ってるようですが、そもそもイタ車メーカーのフィアットもアルファロメオもぜんぜん売れてません。多くの人には受け入れられてないんですよ。イタリア以外の欧州人はイタ車のデザインはくどいそうです。フィアットは新興国の低価格実用大衆車だけ、アルファに至っては遥か昔に高級車から大衆車メーカーになりましたけど欧州でさえシェアが１％もないです。

日本人はアルファロメオとか勝手に高評価しすぎなんですよ。

Answer 5

やってますよ。
イタリア人のデザインした国産車は結構あります。
古くはいすゞのピアッツア、１１７クーペ、FFジェミニはジウジアーロです。
初代マーチとかスバルのSVXとかムーブ（初代、二代目）なんかも絡んでます。
トヨタでもアリストとかかってのカローラとか
他にもトヨタには公表はされてないですが当時はジウジアーロが
絡んだ車は結構有ったと聞きます。

他にもホンダとピニンファリーナの関係は有名ですし、
トヨタのハリアーやMR-Sにはザガートのデザインしたモデルも存在します。

現行だとスズキのSX-４はフィアット（現地名セディチ）との共同開発なので
これまた当時ジウジアーロが率いたイタルデザインが絡んでます。

でも、それだから売れたとは限らない。
これが全てです。
しかも、有名デザイナーはそれなりのデザイン料を取ります。
ジウジアーロは某国産車のデザインをして
出来上がった車を見てあまりの変わりぶりに怒って
自分の名前を使うなと言ったことがあるとか…

いすゞもジェミニのマイナーチェンジを勝手にやって
怒らせたことがあるそうです。
この様に結構有名なデザイナーは自分のデザインに誇りを持ってますから
厄介な面もあるようです。

ちなみにピアッツアはジウジアーロのプロトタイプに忠実に市販化されたため
ジウジアーロは大のお気に入りだったそうです。
自分のデザインを一番忠実に市販化した車だとか…

自分のブランドを高める為に海外の有名デザイナーを採用するのは
新しく起こした会社ではよく行われる事です。
だから、初期の日本車にはこの手が多かった…
今は中国や韓国の会社が盛んにイタリア人デザイナーを使ってます。

イタリア人のデザインではありませんが、ジウジアーロ自信が
美しい車であると、非常に高評価したユーノス５００だって国内では
そんなに売れたわけじゃ無いですし

凝ったデザインってのはそれなりにコストがかかりますから、
消費者がその差額に価値を見出さねば意味の無い投資となります。
日本車は特に「顧客第一主義」ですから、今の日本車のデザインは
日本人の消費者が欲している物と言うことも出来ますね。

ご質問者様や自分のようにそれが変だと言う日本人もいるのですが
それは少数派だと言うこと…
顧客第一主義の「顧客」とは多数派を指すのです。
少数派意見は排除される…これが今の日本車の姿です。