最近は自動車は風の抵抗等を考慮してカクカクしたデザインが無くなって丸くなってきていますが昔の角張ったデザインの方が見映えはいいですか？

Question

補足

ジープやハマーは今後も丸くはならないですか？

Answer 1

SUVなどで角張ったデザインは少し残ります。一般の乗用車でも角張ったデザインが一部のパネルに採用され，少し増えます。

●角張ったデザインの狙いとは？
下記3つがその目的です。

(1) 力強いイメージ … オフロード車のような力強い印象を与えることができます
(2) 錯覚 … 車体角度部のエッジが強調されるため，大きく見えます
(3) 実用性 … パネル生産が容易になります

現在では，上記(3)は無意味になりました

●錯覚と日本人とは？
一般に小さいクルマでは，より大きく見せるデザインを採用します。たとえばつり目のヘッドライトや車体側面まで回ったコーナーランプは，車体側面の一部まで車体幅に見せるための手法です。また下方より上方を少し広げるのも，大きく見える効果があります。レクサスLSですら，このような膨張して見える錯覚を使っています。

日本人は，この「膨張錯覚」が大好きな民族です。角張ったデザインで個性を強調したクルマもあります。Y30と呼ばれる6代目セドリックのリヤ･ウィンド・シールドは，非常に小さいアール（半径R）でサイド面からリヤ面に曲がっています。しかしあまりに製造・品質の問題があり，すぐにやめました。

●どうして丸まってきたのか？
下記3つの理由からです。

(1) FF（FWD前輪駆動） … FFは車体前部にエンジンがあり，前輪の切れ角を大きく取れません。このため旋回半径が大きくなり，駐車場などでの取扱いが難しくなります。このため車体の最外形を小さくする必要があります。最近のFFで，車体前部が上から見て丸いのは，このためです

(2) 錯覚 … ヘッドライトを車体側面まで広げることで，車体側面の前端部を車幅に見せることができます

(3) 空気抵抗低減 … 車体後部を絞ったデザインにすると，車体後方にできる渦が小さくなり，空気抵抗が低減できます

●どうして一部の車両で角張ってきたのか？
日産GT-Rやトヨタプリウス（どちらも現行車）のリヤフェンダー部をご覧ください。車体後部にむけて絞らず，むしろ平板にしてフェンダーの後端はエッジで終わっています。このようなデザインにすると，車体後部を絞った場合より，大きな渦ができて空気抵抗が増えるように思えます。しかし実際は，できた渦が車体から遠くにできるため，車体は渦の影響（＝低圧のため，渦が車体を引き寄せる＝空気抵抗の一部）を受けにくくなるのです。このためGT-Rとプリウスで，はからずも同じデザインになっています。

このような角張ったデザインは，発生した渦を車体から遠ざける目的で，今後も増えます。つまり角張ったデザインは，車体の一部によく使われるようになります。

●風切音は？
Aピラー部は通常，丸まった形状になっています。もしこれをフロント部とサイド部でほぼ直角に接するようにすると，ここで発生する渦により，騒音が2～3dB（デシベル）増えます。

●まとめると
空気抵抗や空力騒音を低減するためや旋回時の利便性のために，丸みを帯びたデザインが今後も主流です。しかし空気抵抗を下げる目的でフラットなパネルデザインも少し増えます。
同じ目的のためにデザインが似てきてつまらない時代になってきています。このため個性を持たせるために，少しエッジを効かせたデザインも増えそうです。たとえばマツダのデザインコンセプトです。

簡単ですが，ご参考になれば幸いです。

質問者からのお礼コメント

角く張ったデザインの方が好みなので増えてほしいです
ランクルがカクカクに戻ってほしいです

Answer 2

薄い鋼板を平面のまま車体外面に使うのは難しい．
強度の面では鶏の卵の殻が理想．

また，プレス成型や塗装においても，平面＋直角曲げは好ましくない．

Answer 3

人と車がぶつかった時の事を考えて、角がない車になってきてます。

Answer 4

いずれ、日産のラシーンみたいのが出て来るんではないですか。 一品料理だと飽きますからね。