光岡 ライク のみんなの質問

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日本や米国ではオートマチック車が普及し、欧州などでは昔からあるマニュアル車が普及しているのは何故なのでしょう。詳しい解説をお願いします。

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ベストアンサーに選ばれた回答

欧州でMTが多いのは,下記3つの理由からです

(1) 速度域が高い
(2) Stop & Goが少ない
(3) 燃料費が安い

======================

●速度域
アウトバーンは当然ながら,田舎道ではたとえば 30, 50, 80km/hという制限速度で,人通りがなければ80km/hです。これは日本の感覚では30~40km/h制限の道路が80km/hなのですから,まったく速度感覚が違うといえます

●Stop & Go
パリやロンドンのように都市内の渋滞は日本と変わりません。しかし郊外では,交差点に信号を設置しないで,ランナバウト(Roundabout ラウンドアバウト)を使います。これは交差点が円形になっており,四方から流入し,また四方へ流出する形式です。慣れると,この形式の方が,スムーズに走れるので,日本でも普及を望みたいところです。ただ,シミュレーションでは,交通量が増えると,急激に渋滞になることが示されており,都市内では実現がむずかしいかもしれません

●燃料費が安い
ATは伝達効率があまり高くなく,やはり伝達効率の高いMTが主流です。これは週末,郊外に行くため,長距離走行での燃費が非常に重要だからです。最近の車両は,最適なシフト・ポジション(シフト・インジケータ)をメータに表示する方式が一般的になってきており,MTユーザもかなり燃費を気にするようになっています

http://www.bmw.co.jp/jp/ja/brand/technology/efficient_dynamics/gearshift_change_indicator.html

●まとめ
これらの要因からMTが好まれています。実際,わたくしも欧州を走るときは,MT車を選びます。日本ではシフト操作が煩わしかったのに,欧州では,クラッチミートをあわせるのが楽しみになります。つまりMTは「人馬一体感」があり,運転が「労働」から「楽しみ」になる道具という感じです。

=================

●変速機の種類ごと/地域別比率

日米欧の変速機の比率は下記の通りです。たしかに欧州は、MT比率が高いです。

日本/欧州/北米
AT 65%/10%/90%
CVT 28%/1%弱/1%弱
MT 7%/89%/9%

●伝達効率

MT 95%以上
CVT 低速=85% 高速=75%
AT 低速=80% 高速=90%

●最大の理由は「運転の楽しさ」。2番目が「経済性」
伝達効率が良いため、MTの燃費は優れています。しかし実際に欧州人(英国、フランス、ドイツ)と話してみると、一番の選択理由は「運転の楽しさ」なのです。欧州で働く日本人も、彼らに感化されてMTに乗る人の方が、ATの人よりずっと多いです。実際、欧州で働いている日本人の車両を10台程度、調べてみても、約8割はMT車でした。そして口々に、ヨーロッパを走るなら、MTしかないと言います。

わたしも欧州を走ってみて、MT車こそ自動車と、あらためて思いました。今でこそ1/3が速度規制の対象になったアウトバーンですが、それでも2/3は速度無制限です。MTの方が、車両との一体感(人馬一体)があり、運転そのものが楽しくなります。このため例えば、500km程度の走行(途中で2回休んでも、4~5時間で着きますが)も、MTなら眠たくなりません。

●次世代はどうなるか
VWが発売しているDSGという技術があります(技術名では,DCT = Dual Clutch Transmission)。同様の技術は、AUDIのS-Tronicや日産GT-R、三菱の新型ランエボにも使われています。またBMWもM3のマイナーチェンジで「M-DCT」という名称で同様の技術を発売しました。ホンダもDCTへ力をいれます。

これは、2組のギア列を持ち、そのそれぞれにクラッチがあって、そのクラッチを切り換えることで、変速時のトルク抜け(トルク切れ)時間を短くする技術です。技術用語でDCT(Dual Clutch Transmission)と呼びます。

DCTを使うと、MTとは異なり、エンジンとの協調制御が可能になり、燃費もMTより良くなります。しかも加速性はトルク抜けが無いので、誰が運転しても、MTより速くなります。欧州のプレミアムカーは、このDCTに切り替わっていくでしょう。一方、日本では、変速ショックの問題があるので、DCT+トルコンという形になるかもしれません。

例えば、AUDIのTTを運転すると、加速時、トントントンとギアチェンジしていく感じは、本当に素晴らしいです。もちろん、マニュアルモードがあり、MTライクになります。

私のように古い人間には、やはり人が操作するクラッチがあるMTの方が、クルマとの一体感があって楽しいです。

●日本は
日本は高級車はステップ式AT、大衆車はCVTという図式です。日本ではCVTへの投資をしたため、ここ10年間は、CVTが最良ということになっています。しかし燃費はCVTよりDCTが優れているので、いずれDCTに切り換わるでしょう。つまり日本の変速機技術は、欧州よりも遅れているのです。

簡単ですが、ご参考になれば幸いです。

質問者からのお礼コメント

2011.9.10 16:18

詳しく書いて頂き有り難うございます。

その他の回答 (5件)

  • 自動車の大量生産が始まった頃

    アメリカ人は 「誰でも簡単に乗れるクルマ」を目指しました

    難しい操作が不要なら 市場は広がります

    馬車よりも簡単 と 当時の車のポスターにもよく見られます


    エンジンを大きくすれば頻繁にギアを変える必要はありませんので

    排気量の大きなクルマが人気を得ることになります


    さらにギア操作まで自動にして

    大排気量&ATがアメリカのスタンダードになりました

    一方 ヨーロッパでは

    アメリカのような長い平坦な道が少ないので

    悪路も石畳も急坂も走れて小回りが利く

    しなやかな足回りの車が好まれるようになりました

    せせこましい道を行くには 速度の微調整ができるマニュアル車が

    使い勝手の上でも重用だったのでしょう


    日本も戦後自動車の生産が盛んになると

    お手本にしたのは ヨーロッパのクルマでした

    マニュアル変速で小型なクルマが長い間生産されて

    オートマチック車が爆発的に普及したのは最近の事と言えます



    現在では エンジンも変速機も進化して

    小型車でもATで普通に走っているのですが

    大昔の小型AT車の中には

    ガラクタ同然のものが多かったのをよく聞きます


    これは発想の進歩等では無く

    部品を構成する素材の剛性が上がったこと

    潤滑油(オイル)の性能が上がったこと に起因します


    小排気量でATって 実は苦労してるんです 各メーカーは^^

  • 欧州は1日当たりの走行距離が多いため高速走行が一般的ですね。
    タクシーでアウトバーンを走行するとクリーム色のベンツはもちろん、
    トヨタ車のタクシーでも200km/H以上で平気で走っています。
    (速度制限区間も多いですが)
    街中は渋滞もありますが信号は赤から緑になる前に黄色になるので
    その段階で走る準備ができます。
    日本は渋滞による加減速が多く、MTだと疲れるのが原因でしょう。
    でも私はMT車のクリーンディーゼルに乗っています。
    先週中国に行きましたが、MT車が多かったです。

  • アメリカでAT車が普及したのは荒野の直線道路を定速で長時間走行する分には余計なギアチェンジを任意でやるよりも自動でやるほうがドライブ中のストレスも少ないからでしょうね!
    ガソリンも安価な時代が続いたのも理由だと思います。
    日本でAT車が普及したのは減速停車発進を繰り返す道路事情が最大の理由でしょうね!アメリカよりATコンバーターの多段化が進んでるし変速ショックのない普段のドライブで燃費の良いCVTが今後の主流になるでしょう。
    欧州でマニュアルが普及したのは速度無制限のハイウェイで任意で加減速ができ例えばアウトバーンで150~200キロの速度で走行する分にはマニュアルが一番適してます。日本のパトカーでもクラウンは未だにマニュアルがほとんどだそうです。
    これは私の推測ですが参考にしてください。

  • 欧州ではATはお年寄りのための物 という考えがあると聞いた事があるので

    そのためだと思います。

  • クルマへの価値として運転の楽しみを重視する傾向にある欧州では
    エコカーとして
    クリーンディーゼルがハイブリッドよりも高い評価を得ており

    欧州では女性ドライバーであっても
    小排気量の
    クリーンディーゼルとマニュアルトランスミッションを選ぶような土地柄で
    CVT前提のハイブリッドはそのあたりでも厳しい評価みたいです

    交通事情
    AT、MT比率の違い
    巡航速度のアベレージの高さ
    1年間の走行距離

    交通事情1つでも
    日本が慢性的な渋滞
    ヨーロッパは市街地は渋滞がありますが
    市街地から1歩出ると、信号のないラウンドアバウト

    AT、MT比率
    日本は95%以上AT(2ペダル車)
    ヨーロッパ85%以上MT(3ペダル車)など
    半分がディーゼルMT車

    巡航速度のアベレージの高さ
    ヨーロッパでは、各メーカー同士競い合いがあります
    日本のように安全速度のリミッターはありません
    そのようなクルマは良い車でも、売れません
    (自己責任になります)

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