三菱 eKワゴン 「ベーシックさがいい」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

工藤 貴宏
工藤 貴宏(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

4

デザイン
3
走行性能
3
乗り心地
4
積載性
3
燃費
4
価格
5

ベーシックさがいい

2023.1.11

年式
2019年3月〜モデル
総評
できるだけ安く、コスパが良くて実用性の高いクルマが欲しいという人に向いています。ある意味、ベーシックカーの鑑ではないでしょうかね。
満足している点
広い後席や荷室とシャシーの能力の高さ。そして手の届きやすい車両価格。コストパフォーマンスは極めて高いですね。
不満な点
あっさりしすぎのデザインとターボエンジンが選べないこと。ただ、兄弟車の「eKクロス」を選べばどちらも解消されますが。
デザイン

3

日産デイズの兄弟車でシルエットは基本的に共通ですが、顔つきは三菱オリジナル。個人的な印象でいえば、スッキリしすぎて……と思わなくもないですが、個性を求める人は兄弟車の「eKクロス」があるのでそちらを選べばいいでしょうね。
走行性能

3

操縦安定性でいえばしっかり仕上がっています。ホイールベースやトレッドが狭く重心が高めと物理特性上は不利なパッケージングながら、運転していて背の高さを感じるようなことはほぼありませんね。ただ、峠道や高速道路を走る人にとっては動力性能に余裕があるターボエンジンを選べないのは残念。
乗り心地

4

新開発のプラットフォームは潜在能力が高く、それは乗り心地にも効いています。路面の凹凸などもしっかりと車体が吸収し、不快な振動として乗員に伝えにくい印象ですね。快適性という範囲まで話を広げれば、この世代になってエンジンルーム長を詰めて室内長を広げ、それが後席ひざまわりのゆとり(ライバルより広い)に直結し居住性を高めているのを声高にお伝えしたいところ。ちなみに、2022年秋の改良で後席座面形状が変わって乗車姿勢がよりよくなりました。
積載性

3

前の世代に比べて後席使用時の荷室の奥行きは135mmも増えていて、このクラスではトップ水準の広さ。スライド最後端でもペットボトル6本入りの箱が2つ、もしくは18Lの灯油タンクが2個積めます。リヤシートをもっとも前へスライドすれば、後席に人が座れるスペースをしっかり確保しつつ奥行きが1.5倍以上に増え、特大サイズの大型スーツケースを積載可能。惜しいのは、後席スライドが左右独立ではなく左右一体なこと。
燃費

4

FFモデルのWLTCモード燃費は23.2km/L。実燃費でも15km/Lを超えることは簡単なので立派です。燃費をよくするコツは、できるだけアクセルを踏み込まない状態をキープすること。たとえば加速〜定速走行は少しアクセルを踏み込み気味でサッと加速した後、できるだけ早く緩めて車速を保持し、燃費のいい状態をキープ。前方に赤信号があるときは、できるだけ早くアクセルオフしましょう。
価格

5

132万5500円のベーシックグレード「M」でも一通りの安全装備は標準搭載。コストパフォーマンスでいえば、わずか8万円強のアップでオートエアコンやエンジンスタートまで非接触で行えるキーを標準装備した上級グレード「G」(140万8000円)がいいと思います。
工藤 貴宏
工藤 貴宏
自動車ジャーナリスト
1976年生まれ。クルマ好きが高じ、大学在学中に自動車雑誌の編集部でアルバイトしたことをきっかけに、そのまま就職。そして編集プロダクションを経てフリーランスの自動車ライターに。日々新車を試乗し、日夜レポートを書く日々も気がつけば10年以上。そろそろ、家族に内緒でスポーツカーを買う癖はなんとかしないと。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員
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