気合があればファミリーでもいける
納車から半年3,500km走行したのでレビューを書きます。ミニを購入する人というのは「ミニが好き」という大前提がある
2010.8.20
- 総評
- 気合があればファミリーでもいける
納車から半年3,500km走行したのでレビューを書きます。ミニを購入する人というのは「ミニが好き」という大前提があるため、あばたもえくぼで良く見えてしまう事が多いかと思いますが、私の場合は妻の趣味に押し切られて購入したため、割合フラットな目線で見れていると思います。
総評としては、「ミニが好きなら(この前提は必要です)ファミリーでも維持出来る車」でしょう。ミニ好きにとって障害になるのが後部座席の狭さだと思いますが、クラブマンは全長が40cm伸びた分が丸々後部座席に当てられており、後部座席に大人(身長179cmの私でも余裕です)が乗車しても膝も頭もぶつからずに長距離移動が出来る、というのが何よりのメリットだと思います。「ミニが欲しいけど子供がいるから」と諦めていた方にとっては、購入候補に挙げてよい車だと思います。
デザインは内外装共に秀逸。知名度の高さの割に販売台数が少ないため、とにかくよく目立ちます。パーツのバリエーションも豊富なので「全く同じ組み合わせのミニ」に出会うことは稀でしょうし、もし出会ってしまったら何か一つパーツを交換すればオリジナルミニに戻れます(笑)人と被るのは嫌だという人には訴求力のあるブランドかと思います。
動力性能は「BMWが作った小型車」という認識で良いと思います。取り立てて良くもないが欠点も少ない、という程度で、ゴーカートフィーリングだとかサーキットでもいけるだとかいうのはミニ本体に任せて、クラブマンは家族での遠出にも使えるという部分を評価すべきでしょう。
安全性能はデータを見る限りは及第点です。側面衝突がどうかはぶつかられてみなければわかりませんが、それなりに硬く作ってある車なので国産の小型車と比べて安全性能が低いということはないでしょう。ABSや横滑り防止機能は昨今では当たり前の装備ですので、当たり前の物が当たり前に付いているという程度でしょう。
燃費は最近の車としては普通です。高速12キロ、都内街乗りは8~9キロです。夏場にクーラーかけっぱで都内を走ると7キロを切りかけます。他のレビューで「10は切らない」とおっしゃる方がいますが、そういう走行環境なら国産の同クラスならもっと走るでしょう。6ATのお陰で高速巡航は燃費が伸びるでしょうが街乗りに関しては取り立てて評価出来るような燃費ではありません。
- 満足している点
- 外装:前述の通り個性的で秀逸。乗っている人までオシャレに見えなくもないプラシーボ効果が期待出来ます。
内装:女性は「可愛い」と思うでしょう。高い素材は使っていないのに安っぽく見えない。これは国産メーカーにも見習って欲しい意匠です。○菱の小型車に試乗した時はボタンのプラスチック感が凄すぎて逆に忘れられませんでしたが、高々十数個のボタンをクローム調に仕上げるだけでいかに変わるかを教えてくれるのがミニです。
エンジン:普通のDOHCです。NAなので踏めばパワーが出てきます。音もBMWの流れを汲んでおり悪くないです。ノーマルマフラーなので快音とはいきませんが、エンジン音もマフラー音もそこそこ入ってきて「運転しているな」と思える車です。
ミッション:6ATなので高速燃費は4ATの国産車よりは良いと思います。ATモードのままでも下り坂で1回ブレーキを踏むと、勝手にシフトダウンしてエンブレを掛けてくれるのが○です。シフトチェンジに関してはSトロニックやDSGと比べれば遥かに遅いですが、CVTではないというところを評価すべきでしょう。
足回り:ゴーカートと言うほどの接地感はありませんが、割と地面からの入力が多く運転しやすいです。これに乗って「地面に座っているみたいだ」と言う人もいますが、普段乗っている車が余程フワフワの足回りなのでしょう。地面からの情報量としてはこの車程度はないと雪道なんか怖くて走れないと思います。
車内空間:前述の通り後部座席に大人が座れるというのが最大のメリットです。これによってミニの最大の弱点が克服されていると思います。友人を乗せても不満を言われない、これはミニにしては素晴らしいことです。
- 不満な点
- 内装:男性は「可愛いけど使いにくい」と思うでしょう。センターメーターは視線移動が大き過ぎて使い物になりません。無駄に280キロまで刻まれていますので例えば「時速45キロで走りたい」と思った時にセンターメーターで確認していたら事故を起こすでしょう。幸いタコメーター内に時速表示をさせることも可能なので実際にはこれで速度を確認しています。
オーディオ:拡張性が低過ぎて話になりません。DIN規格ではないため、センターコンソールにナビ等をインストールしたければ6万円位する取付キットを買わねばならず、付けたら付けたでミニとしてのデザイン性が失われます。社外オーディオ用の変換コネクターも存在せず、音に拘る人には苦労の多い車となるでしょう。
タイヤ:クーパーの最廉価モデルだと175/65R15というタイヤになります。その時点で走る車ではない事が確定しますが、実際にもタイヤが足回りに完全に負けていて破綻するのはタイヤが先です。16インチや17インチにインチアップすれば解消する問題ではありますが、この65という扁平率がゴーカートフィーリングをスポイルしているのは事実でしょう。
積載性:観音開きのトランクは面白いですが、荷物はとことん入りません。B型の折りたたみベビーカーが斜めにしないと入らないのですから海外旅行へ出発するときのスーツケースは2つが限界、ベビーカーを入れたら1つも入りません。ボディサイズ的に仕方がないとはいえ、この積載性の低さはマイナス要因と言わざるを得ないでしょう。
ライト類:納車の都合で非キセノン車ですが、フォグランプがヘッドライトと同じ乳白色です。黄色系でなければ実際の霧に対して意味がありません。室内灯もカーテシもトランク灯も全て豆電球レベル。自作したLEDに交換しましたが、LEDも原価は安いので純正で採用すべきです。ナンバー灯まで全部交換しても5千円程度の材料費なのですから、純正採用しても採算は取れるはずです。最悪なのがトランク灯が左下にしかないこと。この前に荷物を置いたら夜は何も見えません。最初から天井にも付けておいてくれれば済んだ話だけに「夜間にトランクから荷物を取り出したい時はどうする?」という事が何も考えられていません。
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