レクサス UX 「コンパクトなボディに詰まった上質なSUV要素」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

コンパクトなボディに詰まった上質なSUV要素

2022.7.21

年式

2018年11月〜モデル

総評

自身、最初のレクサスとして中古モデルから所有する、そんな付き合い方が似合う。できればガソリンモデルの上位グレードであるとさらに良い。彫りの深いエクステリアデザインを際立たせるオレンジ系や深いグリーン系などが用意されているので、ぜひカラーリングにもチャレンジ頂きたい。レクサスの皮を被ったトヨタではないことがおわかり頂けるはずだ。

満足している点

すっきりとした乗り味とガソリン／ハイブリッドモデルをラインアップする多様性。そしてなによりコンパクトクラスでありながらしっかりレクサスブランドの一員であること。これらは所有満足度を高める。なかでもガソリンモデルの走行性能が非常に高い。比較論からハイブリッドモデルよりも格下に思われることが多いものの、市街地〜高速道路まで十分によく走る。それでいて燃費性能もハイブリッドモデルに肉薄するシーンもある。

不満な点

サイズ≒価格と捉えると割高に感じられてしまう。実際はサイズだけが小さくて、どこを切り取ってもレクサスだから失敗はない。ただし、ボディサイズからくる余裕をレクサスらしさであると考えるならばUXは購入候補でなくなってしまう。惜しいのは、こうしたサイズによらない一貫したレクサスの良さがあるにも関わらず、そのことがあまり知られていないことだ。評価以上の実力を持っている。

デザイン

5

ひと目でレクサスとわかるスピンドルグリルを採用し、ボディサイドは力強いキャラクターラインで構成。ボディ全体はコンパクトだが、シャープなヘッドライト形状や横一文字のテールライトなど、要所にアクセントをちりばめ独特の存在感を持たせた。競合各社がSUVをラインアップするなかで、コンパクトSUVに上質な要素を持ち込み差別化を図った。全長4495mm×全幅1840mm×全高1540mmなので立体駐車場への制約もない。

走行性能

4

直列4気筒2.0L＋CVTと、同じく2.0Lにハイブリッドシステムを組み合わせた2タイプを用意。ハイブリッドモデルでは4WDも選べる。2018年の登場当時、一番人気はハイブリッドモデルのFFだったが、実はガソリンモデルが侮れない。ダイナミックフォースエンジンと名付けられた2.0Lは174PS／21.3kgf・mを発揮する。発進ギヤ付きCVTとの組み合わせは秀逸で、高回転域でも騒がしくないエンジン音と相まって高い満足度が得られる。

乗り心地

3

コンパクトながらしっかりレクサスの乗り味だ。当時はレクサスのCTがコンパクトクラスのハッチバックモデルとしてラインアップしていたが、滑らかな乗り味やスッキリとしたハンドリング特性を持つUXがすべての面でCTを上回る。後席は足元スペース含めてそれほど広くなく、また後席ウインドウは後部になるに従い狭まってくるので開放感にも欠ける。

積載性

3

SUVでありながら全高は1540mmに抑えられているためステーションワゴン的な使い方ができる。ラゲッジルームもコンパクトなステーションワゴンといった印象。4:6分割可倒式リヤシートを倒せば、段差のほぼないフラットなフロアが出現する。室内高は全高から考えれば100mmほど低いが、それでも1170mm確保されているので荷物の積載には困らない。

燃費

4

ハイブリッドモデルの実用燃費が良好だ。カタログ値はWLTC値で22.8km/L（4WDが21.6km/L）だが、18km/L以上はコンスタントに達成できる。2.0Lガソリンモデルも侮れない。WLTC値で16.4km/Lだが、ハイブリッドモデルで18km/Lであった状況で、16km/L台をなんなく記録する。ハイブリッドのレギュラー仕様に対しガソリンモデルはハイオク仕様になるが、実用域での熱効率を40％台にまで引き上げた効果は絶大だ。

価格

3

2018年発表当時、ガソリンモデルのスタート価格が3,900,000円、ハイブリッドモデルでは4,250,000円だった。コンパクトクラスと考えれば高価だが、レクサスブランドのなかでは購入しやすい価格帯だ。装備面から考えるとボトムグレードから一つ上のグレードが良い。現在、このクラスのSUVは輸入車含めて数多いことから、中古モデルの価格帯がこなれてきた。