レクサス LBX 「小さいけどしっかりレクサス」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

小さいけどしっかりレクサス

2024.1.29

年式

2023年11月〜モデル

総評

「日常域で運転しやすいレクサスが欲しい」とか「セカンドカーとして小さなレクサスが欲しい」という人にはちょうどいい選択肢ではないでしょうか。「車体は小さく、でも上質なクルマが欲しい」という人向けのクルマであり、逆に「コスパがいいクルマが欲しい」という人には勧めません。買う人を選ぶクルマと言っていいでしょう。

満足している点

プレミアムブランドのクルマなのに車体が小さくて運転しやすいこと。車体が小さいのにインテリアが上質なこと。そして車体が小さいのに乗り味が重厚なこと。

不満な点

後席や荷室は広くありませんが、それは小さな車体を考えれば当たり前のこと。そしてプライスタグは判断が分かれるところでしょう。もし「高い」と感じたら、その人はこのクルマのマーケティングが想定する顧客層ではないということになるのでしょうね。

デザイン

4

鏡餅のように低い位置ほどワイドになる。タイヤがしっかりと踏ん張って安定した雰囲気を感じさせる。……そんなスタイリングは、小さいのに存在感と安定感があるのが印象的。側面の造形が立体的で、一般的なコンパクトカーとは一線を画すプロポーションではないでしょうか。好きか嫌いかといえば、個人的には大アリです。

走行性能

4

パワートレインは1.5Lエンジンを組み合わせたハイブリッドのみ。基本設計を共用する「トヨタ・ヤリスクロス」と同じと思いきや……そうじゃないのが面白いところ。アクセルを踏んだ時の反応がダイレクトになっているし、モーターもひとまわり大きく、加速が力強くなっています。個人的には、コンパクトサイズとは思えない重厚な運転感覚が気に入っています。

乗り心地

3

率直に言うとちょっと硬め。それは走りと乗り心地のバランスを「やや“走り側”へ向けた」からとのことです。とはいえ個人的には不快というほどではないという印象。入力の衝撃は大きめだけど一発で収束してくれるので、上下の揺れが後に続かないのがいいですね。ちなみに乗り心地は、FFモデルよりも4WDのほうが良好です。

積載性

3

荷室は広くないので、そのあたりはしっかり認識しておいたほうがいいでしょう。同じレクサスでもファミリーでキャンプなどアクティブなレジャーのパートナーとするなら、「レクサスUX」などもっと大きな車種がいいかもですね（2人でキャンプへ行くならOK）。ちなみに、荷室床下収納の底は、FFよりも4WDのほうが浅いので4WDを買うならしっかり実車確認するのをお忘れなく！

燃費

5

「燃費はレクサスのなかでトップですが、走りを重視したため（ヤリスクロスに比べると）控えめです」と開発の人たちは言いますが、WLTCモードで27.7km/L（FFモデル）も走るのだから満足できます。実燃費も、街乗りや郊外路なら20km/Lは堅いでしょう。これだけ走れば十分じゃないですか？

価格

2

LBXの唯一ともいえるウィークポイントはここじゃないでしょうかね？　現時点のレクサスにおいてはもっとも安いプライスです。ただ、基本設計を共用するヤリスクロスに比べると……お金がかかった作りになっているのはわかるんですけれど……ね。