ランドローバー ディフェンダー 「高いオフロード性能とオンロードでのコンフォート性能を両立」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西川 昇吾
西川 昇吾(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

4

デザイン
5
走行性能
5
乗り心地
5
積載性
3
燃費
2
価格
4

高いオフロード性能とオンロードでのコンフォート性能を両立

2023.6.19

年式
2019年11月〜モデル
総評
伝統のラダーフレームからモノコックボディに変更され、ディフェンダーではなくなったというファンもいるかもしれないが、現代のメカニズムを投入した高いオフロード性能はしっかりとディフェンダーの伝統を守っている。また、モノコックボディになったことでオフロードでの走行性能とコンフォート性能が良くなり、その他の高級SUVと比べても何ら遜色のない快適性を見せる。宝の持ち腐れと言われてしまうと思うが、オンロードオンリーでもアリな選択肢と言える。
満足している点
オフロードにもオンロードにも似合う、モダンとトラディショナルが融合したデザイン。高いオフロード性能を有しながらオンロード性能とコンフォート性能もハイレベルで、総合性能の高さが満足できるポイントだ。旧来のディフェンダーファンからすると懐疑的な部分もあるかもしれないが、ディフェンダーとして大切なポイントはしっかりと守っていると思うし、現行のSUVとして売れるポイントを多く持っているモデルだ。
不満な点
あまり不満点は少ないが、ボディサイズと燃費の悪さは購入を検討する人にとっては大きな懸念点と言えるだろう。5ドアとなる110でギリギリ5mに収まる全長と、ギリギリ2mに収まる全幅は日本の街中ではかなり大きく感じて不便な面もある。また、燃費性能は新世代のパワートレインとマイルドハイブリッドを搭載しても10km/Lに届かない。燃費性能を求めるクルマでないのは承知だが、もう少し良くても…とは思ってしまう。
デザイン

5

すぐに現行のディフェンダーだとわかるアイコニックなデザインであり、オフロード性能が高そうな印象を持たせながら、都心部で乗っていても風景に溶け込みそうなエクステリアは非常に優れていると感じる。特に前後共に灯火類のデザインが秀逸だ。全体的なフォルムはオフロードテイストが強いながら、灯火類のデザインを現代的にすることにより、都心部でも映えるデザインに仕上がっている。
走行性能

5

先代モデルまでの伝統のラダーフレームからモノコックボディになったことでオフロード性能を懸念する声もあったが、オフロード性能はむしろ高められており、その性能は世界トップレベルと言える。メーカーもディフェンダーの伝統をしっかりと理解している印象だ。また剛性の高いモノコックボディが与えられた影響で、オンロードでの全体的な走行性能も一般的なSUVと比べて高い印象を受ける。
乗り心地

5

本格クロスカントリーモデルとして高いオフロード性能を有しているにも関わらず、実際に乗ってみるとオンロードでも乗り心地が良く、マイルドな印象となっていることに驚かされた。また4気筒エンジンでも、入ってくる騒音や振動が気にならないので、コンフォート性能はかなり高い。本格クロスカントリーモデルの中でのコンフォート性能はトップと言えるだろう。オフロードに行かなくても満足できる性能だ。
積載性

3

クロスカントリーモデルにありがちなことではあるが、基本的にこのジャンルのモデルはボディサイズのわりにラゲッジスペースが小さいと感じることが多い。ディフェンダーもその例に漏れないが、本格クロスカントリーモデルの中では比較的ラゲッジスペースは広いかなと感じる。ただ、同程度のボディサイズでよりラゲッジスペースが広くて利便性の高いSUVは他にも多くある。
燃費

2

このジャンルのクルマで燃費を語ってはいけないのかもしれないが、2.0Lのダウンサイジングターボで8.3km/L、マイルドハイブリッドの3.0Lディーゼルターボで9.9km/L(どちらもWLTCモード)という燃費性能は、「う〜ん…もう少し良くても…」とは思ってしまう。パワートレインのパッケージから期待してしまうと痛い目を見るクルマだ。
価格

4

パワートレインが3.0Lディーゼルターボ、5.0L V8になるとグッと価格は跳ね上がって1000万円オーバーが基本となるが、2.0Lターボならば800万円以下が射程圏内に入る。そして装備的にも性能的にも2.0Lターボで何ら大きな不満はない。本格的なオフロード性能とオンロードでのコンフォート性能の高さ、そして唯一無二のスタイリング。これらを有していることを考えれば2.0Lモデルはバーゲンプライスと言えるのではないだろうか。
西川 昇吾
西川 昇吾
自動車ジャーナリスト
1997年生まれ、大学時代から自動車ライターとしての活動をスタート。現在はWEB・紙の各種媒体で様々なジャンルの記事を執筆するほか、車両解説動画にも出演し、喋りの分野にも挑戦中。愛車のマツダ・ロードスターで定期的にサーキット走行をし、ドラテクの鍛錬も忘れない、目指すは「書けて、喋れて、走れるモータージャーナリスト」
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