ジープ グランドチェロキーL 「日本におけるJeepブランドSUVの最高峰」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

日本におけるJeepブランドSUVの最高峰

2022.1.17

年式

2022年2月〜モデル

総評

本国のエンジニア取材では「2023年までにレベル2＋を導入する」という。レベル2＋とはハンズオフ機能が付いたレベル2の高度運転支援技術だ。定評のあるJeepブランドのSUVと次世代型先進技術の組み合わせ、さらにそこに3列シートとくれば、競争力も高い。「時期を見て電動化車両もJeepブランドとして導入する」というから期待大だ。

満足している点

Jeepブランドがもつ信頼の悪路での走破性能だ。今回のグランドチェロキーLではそこに3列シートと上質な装備が加わる。SUVは世界的に飽和状態であるが、各社は独自の思想を織り込み新型車を導入している。その点、Jeep各モデルは4WDのイメージが定着していることから、独自路線のSUVをつくりやすいというメリットがある。

不満な点

スペックの上では、やはり大きい。アルミなどを多用することで軽量化を果たしたというが、それでも2170〜2250kgと日本では駐車環境を選ぶ。また、3.6Lエンジンは都市部での実用燃費が悪化する傾向にある。マイルドハイブリッドすらもたないことから、いずれは2.0Lターボエンジンに換装されるだろうが、それでも燃費数値の向上は少ないだろう。

デザイン

4

2021年12月、日本では10年ぶりにモデルチェンジを行なったグランドチェロキー。新たに3列目シートを導入してグランドチェロキーLを名乗ることになった。フラッグシップモデルであるグランドチェロキーのデザインを現代風にアレンジし、アウトドアシーンだけでなく都市部にも融合する美しいシルエットを手に入れている。

走行性能

3

搭載エンジンは1タイプ。先代同様のV型6気筒3.6Lガソリンエンジンで8速ATを組み合わせた。まだ試乗を行なっていないので評価ができないが、先代グランドチェロキーからエンジン形式やスペックに大きな変更がないことから、新型のLでもゆとりある走りが堪能できるはずだ。

乗り心地

4

こちらも未試乗のため予想値になるが、開発陣曰く、かなり手を加えたようだ。前後のマルチリンク形式サスペンションを構成するブッシュを見直し、走行性能と快適性能を高めた。またフロントアクスルをエンジンに直付けすることでノイズ、振動、ハーシュネスなどボディを通じて伝わるネガティブな外乱を大きく抑えたという。

積載性

3

2／3列目シートを倒すことで広大なラゲッジルームが出現する。3列シート化は北米市場で求められていたものだが、じつは国内のフルサイズミニバン市場でも受け入れられるという読みがあったという。導入元のFCAジャパンでは「多人数乗車できるミニバン的要素と、広大なラゲッジルームをもつSUVとしての素質を備える」として販売増をもくろむ。

燃費

3

パワートレーンは先代からのキャリーオーバーだ。具体的には286PS／35.1kgf・mと、従来型から最大値に違いはないが、新型では8速オートマチックトランスミッションのうち、2／4／7／8速のギヤ比を若干ながらローギヤード化させるなど、最適化が図られている。都市部での実質数値は7km/Lだろうが、高速では12km/L台に届くはずだ。

価格

3

"7,880,000円と9,990,000円の2グレード構成。いずれはボトムグレードの追加もあるようだが、現状は3列シートでこの価格帯。また、FCA本国の技術者へのインタビューでは、手の届きやすい2列シートモデルの導入も検討しているという。そうなると価格競争力も備わることになる。"