ホンダ ステップワゴンスパーダ 「冒険は何故か?オーナーになってもわかりません」のユーザーレビュー

M2 M2さん

ホンダ ステップワゴンスパーダ

グレード:スパーダ ホンダセンシング_4WD(CVT_1.5) 2016年式

乗車形式:マイカー

評価

4

走行性能
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乗り心地
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燃費
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デザイン
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積載性
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価格
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冒険は何故か?オーナーになってもわかりません

2016.10.24

総評
 夫婦2人家族なのですが、2匹のチワワと出かける機会が多く、近い将来、4人の年老いた父母を乗せる機会も増えそうと、決算セールの勢いに身を任せて買ってしまいました。
 仕事でもいろいろな乗用ミニバンを使っているので、少々の知識はありましたが、更に購入前にミニバンを見て乗って検討しました。しかしながら、使い勝手に文句をいう家族もいないので、最終的には支払額と奥様のビジュアルの好みで購入を決定しました。

 いい車だなとは思いますが、トヨタ、日産、ホンダのミニバン御三家ならどれでもいいと思いつつ買った車なので、改善への希望を込めての評価となります。

 この車の特徴は3列目の使い勝手の良さにあります。3列目は簡単に床下に収納でき、ワクワクゲートからの乗り降りもできる。3列目をアクティブに使おうとしたのならば、ライバルを圧倒します。
 が、反面、2列目のスライド量が少なく、シートのサイドスライドもないため、3列目を畳んだままで使うことの多いユーザーにとっては、利点の少ない車かもしれません。
 両側スライドが常識となった現在のミニバンは、ちょっとした旅行でも行かない限り、リアハッチを使う機会は少なく、安全面はさておき人と荷物ごとというシチュエーションも多いと思うし、2列目を広々とラウンジのように使うシーンに憧れるユーザーも多いと思いますが、その場合、2列目のスライド量が少ないステップワゴンは購入の選択肢とされることはないのが現実でしょう。
 ステップワゴンは、3列目シートと荷室の活用を交互に頻繁に行うアクティブな使い方で真価を発揮できる少々特殊な車といってもいいと思います。
 ファミリーユーザーがワクワクゲートの楽しさだけとかホンダブランドというだけで、この車を選ぶと、家庭内不和を含めいろいろ問題が発生するかもしれません(笑)。

 ホンダの電子デバイスは制御が大雑把で正直あまり信用していませんが、決算セールの押し売りに付き合い、運転支援システム付を買ってしまいました。しかしながら、高速道路限定とはいえ、なかなか便利です。
 のんびり走りたいというシーンでは、ほんとうに楽ちん。
 ハンドル支援システムは、自分の場合、感性と大差なく作動します。自分の運転と比べて微修正が多いですが、サンデードライバーよりは、まともな運転を支援してくれると思います。ブレーキ制御もまずまず適確。なので、運転に自信のない人は是非、装着車を購入して欲しいと感じます。
 運転に自信のある人でも、高速道路を頻繁に走るユーザーにとっては、買って損はないかも?という感じです。
 ただし、いいと感じるのは90km程度まで。それ以上の速度だと、ステア操作も減速も大雑把で、下手な者が運転しているような状態となり、快適ではなくなります。
 日産のシステムと比べると白線の認識能力に少々劣る気もしますが、恐らくはシステム構築にかかる思想の差程度と、あくまでも自動運転ではない支援システムの範疇においては、気にするものではないと感じます。
 
 ダウンサイジングターボの採用は、その英断を褒めたいところですが、実際の省燃費効果はがまんの走りを強いられて得られるものですし、自慢できるパワーもない。せめて、ブーストを一定時間増加できるパワーモードでもあれば、賞賛の声もあったかもしれません。
 ホンダファンではない自分から見ても、ホンダは走りに関し妙な期待を持たれるメーカーだと思います。今回のターボは期待以上の性能がなかったという点で、世間は微妙にしらけてしまった。先鋭先進の技術は、それに驚きがなくては、世間は振り向かない。
 実用燃費が少々良くなった、税金も少し安くなったといって、大げさに喜んで自慢するものでもなく、ささやかな自己満足では、その良さはなかなか伝わりません。

 不評な後部の左右非対称デザインですが、ボディが白だと片側だけがんばった感が出てしまって、是として擁護する気にはなれません。
 それと、クールスピリット以外のグレードに関してですが、経年劣化でもしたような貧乏くさい、くすんだ色のグリルは全然ダメと否定したい。
 スパーダもそれ以外も精悍なマスクなのに、いまいち締まりがない印象を受けるのは、グリルのデザインがお粗末なことにあると思う。
 
 内外の質感もまずまず高く、燃費もまずまず良く、室内も広く、総じてよくできた車ではあると思いますが、先進精鋭の思想とコストの壁を前にターゲットユーザーがぼやけてしまい、ミニバン御三家のセレナが最新型となって出揃った現在では、最新のミニバンとして微妙に中途半端感が漂います。ダウンサイジングターボ、ワクワクゲート、だからどうした?と冷静に見るファミリーユーザーは意外に多く、残念ながら、ミニバン御三家の中で売りにくい車だということを、所有して改めて感じたところ。

 ただ、進化の過渡期における、失敗や不足はよくあるものですし、自身の都合上、次もステップワゴンに乗りたいと思っているので、次の型には期待大です。
満足している点
○ワクワクゲート
 これは便利。ちょっとした荷物なら断然楽。ライバルにない機構なので、これが欲しければ、ステップワゴンを買うしかない。
 全長が短くてこの機能が使えなさそうな駐車場も多いですが、実際はわずかな隙間でもちゃんと使えます。
 が、この機構故にゲートそのものが重く、しかもゲート自体の全長がライバル中最長なので、全ゲートは、頻繁に開け閉めする気にはなれません。
○3列目が簡単に収納できる。
 これも便利。これが欲しければステップワゴンを買うしかない。
○運転支援システムの操作が簡単
 イメージ的には、クルーズコントロールに、車間制御スイッチとステア制御スイッチがついた感じで、コントロールに慣れが必要な日産のシステムに比べるとシンプルで使い勝手が良い。クルーズコントロールの操作にさえ慣れていれば、自然な感じで操作できる。
不満な点
○ダサいフロントグリル
 この車のなにがダメって、このフロントグリルでしょう。 
 クールスピリットだけはダーク系なので、さほど気にならないのですが、それ以外はまるで、鍋でも付けているような感じで、貧乏さが漂います。
 造形との相乗効果なのか、まるで経年劣化したような、くすんだ色合いは、相対すると磨くのすら躊躇うほど。見る度に溜息が出ます。
 カスタムするつもりはありませんでしたが、最低でもこれだけは、なんとか精悍なものに替えたい。  
○2列目のアレンジ能力不足。
 2列目のスライド量が少なく、サイドスライド機構もない。この点はライバルに大きくリードされる点。
○シートが残念。
 見た目の質感は十分なのですが、座面が小さいように感じる。ホールド感もなく、座り心地も触り心地もイマイチ。商用車用か?というのが正直な印象。
○ヒーターが効かない
 小排気量で発生熱量が小さいせいか、走行中は欲しい温度の風がなかなか確保できません。
○スライドドアが遅い
 電池切れですか?的な、のんびり屋さんですね。
 スライドドアに慣れていないせっかちな人が、早くしようと手力を加えると、安全装置が働いて止まってしまうえ、異常の方向のセンサーがないため、もう一度やり直しとなり唖然となる(爆)。予約ロックもないので、車からなかなか離れられない。
 せっかちな人には向きません。
○大型収納がない。
 低床や3列目の床下収納機構のために、フロア下に収納機能がなく、理解はできるが、悩ましい。
○マルチディスプレイが小さい
 運転者の目線から遠いため、表示が小さく見辛い。特に運転支援システム作動の際は、表示が小さくて貧祖、たいへん不便。
○空調以外のスイッチ類の操作性に難
 普通はあまり使われないであろうVSC等のスイッチが微妙にブラインド位置にある。
 この手のスイッチは、積雪期には使う機会が多く、しかも走り出してから、やっぱり切り替えたいというシチュエーションがほとんど。なので、ブラインド位置は、たいへん不便。
 ホンダは、この手の切替スイッチを見えないところに追いやる傾向にあるが、逆にたいへん危険な状態を助長させている。扱い易さを再考して欲しい。
○レーダーブレーキがせっかち過ぎ。
 前に乗っていたNスラと同じく、大丈夫でしょ!というシチュエーションで不用意に作動して焦る。危険が明らかに去った状態でも速やかに復帰しないため、余計焦る。危険が回避された状態で止まったり加速できないと、追突されるリスクの方が高いため、大いに不満。アクセルを踏んだままでも速やかな復帰ができるよう改善を望む。
○前部天井が傾斜しすぎ
 雨樋がなく停車時には天井の雨雪が容赦なくフロントウインド上に落ちてきます。ワイパーが追い付きません。
デザイン

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走行性能

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 2LNA程度のパワーを狙ったダウンサイジングターボなので、パワーを求めるべくもなく、2LNA車輌のライバルと比較して優劣がつくものではありません。
 カタログ上、最大トルクにわずかなアドバンテージがありますが、体感できるものではなく、加速性能は、総じて、並み。相応にして必要十分というのが正直な印象。
 コーナリングもブレーキングも並。ライバルにアドバンテージといえるものは、ほとんどありません。
 ホンダだから、走りが気持ちいい。なんて書ける特筆すべきフィーリングや性能は日常域においては、持ち合わせていないというのが正直な印象。
 ホンダ、トヨタ、日産のミニバン御三家の走行性能は、各自が洗練され、ほぼ横並。
 走行性能が優れるからこの車を選ぶという選択肢は存在しないと思います。

 1500ccターボと意識しなければ、2LNAと比べても違和感なく乗れてしまいます。ただ、ドライビングという観点では、2Lである先代の方があらゆるシチュエーションでフィーリングに勝るのは事実で、IMAに乗りなれた自分には、発進用に小馬力でもモーターが欲しいと感じるほど、車格的に1500ccはちょっとダウンサイジングし過ぎでは?というのが正直な印象。が、価格と実用燃費、税金が安いことを考えれば、納得するしかない。
 弱点としては、小排気量故に、エンジンブレーキが利かないこと。
 ダウンサイジングターボ登載の是非は、実用面では十分に是と言えるが、ドライブフィーリングという点でなにか封印されてしまった感もあり、総じれば、持主ですら判断に困る。
乗り心地

-

 ダンピングを無理やり効かせたホンダらしい味付けは身を潜め、しっとりと上品。
 先代までは、ミニバン御三家でそれぞれ味付けに三者三様の感じがあったが、御三家全部がファミリーミニバンとして目指すべき乗り心地が同じだったということか、3者とも洗練され、同じになってしまった感。
 こうなっては、ライバルは全部横並び。新車に、目と耳を塞いで乗れば、どれに乗っているか分からないかもしれません。
 室内はライバルと同じくとても静かで、ミッションやターボも騒音を立てず、会話も楽。
 それと、小排気量故か発進がとてもなめらか。悪く言えば微妙な空走感と言えますが、けっして発進が鈍いというフィーリングではなく、同乗者に負担をかけない絶妙なセッティングと言えば、それで納得できる(笑)他車なら、がつんときそうなアクセルワークでもスルスルと加速でき、発進加速に関し同乗者に気を使うことなく運転できるし、同乗者も安心できるのは、意外な美点。
積載性

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 3列目が簡単に床下にフラットに収納できるため、ワクワクゲートと相まって、3列目をラゲッジスペースとして使う場合の勝手は、ライバルを大きく引き離します。この車がアドバンテージとする最大の美点。
 それと、室内高が高いため、積載性という点でこれも美点。運転席から3列目までのウォークスルーのしやすさは、この車が一番でしょう。
燃費

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 それぞれ燃費を意識しての走行ですが、先代セレナ4WDが12km/Lで走る区間を、14km/L。現行ヴォクシー4WDが8km/L・10km/Lで走る区間をそれぞれ10km/L・12km/L。総じて1割以上燃費が良いことは確認できました。
 ストレスのない十分な動力性能を備えつつ、この燃費は、十分に納得できます。
 ダウンサイジングターボの美点は、小型の俊敏なターボにより低回転域においてアクセルワークで必要なトルクを調整できることにありますが、反面、ブーストの立ち上がりが俊敏なため、燃費を意識せず走らせると、従来と燃費はなにも変わりません。
 むしろ、流れをリードするような走りをすると、燃費計を見る限り従来より悪化している気がします。そのようなシステム故、エコモードはたいへん有効な手段となっています。ガソリン代の節約にステップワゴンのエコモードはたいへん頼りになります。
価格

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故障経験
まだ、ありません。
 経験上、ホンダのポンプ式スタンバイ4WDは、圧雪アイスバーンを調子に乗って攻めるとシステムがオーバーヒートを起します。最新のステップワゴンはまさか大丈夫だろうと思って取扱説明書を読んでいたら、しっかり特殊な条件下におけるオーバーヒートの記載がありました(笑)。もっとも、5年は壊れないだろうと心配はしていません。

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