ホンダ N-ONE 「舞い降りた「男の夢のつづき」」のユーザーレビュー

舞い降りた「男の夢のつづき」

2021.3.20

総評

「これ以外はあり得ない選択」に、勝るとも劣らぬ逸材。


…主に前車エスロクとの比較を述べたが、エスロクから乗り換えても大それた違和感はなく
エスロクオーナーならすんなり乗りこなせるだろうし、
ホンダ製の軽が初めての方は、その類まれな質感と性能の高さに驚くことだろう。
すべては価格という柵を破壊できるかどうかにかかっている（笑）
できればエスロクと２台持ちしたかったところだが
これからは１台でお買い物からスポーツ走行まであらゆるシチュエーションにマッチする、
オールラウンダーのN-ONE・RSとの「現実逃避」を
心ゆくまで楽しみたい所存である。。。

満足している点

★愛らしい外観に美しいボディカラー、それに内装の華やかな配色。
★エスロクよりも音質の良いエンジンとマフラーのサウンド。
★抜群の動的質感。いつまでも運転席を降りたくないと思わせる運転の爽快感。
★「6MTの軽」という希少性と、それを所有できる喜び。
★普通に、何の苦労もなく荷物が積める（笑）
★エンジンがエスロクよりもパワフル。

不満な点

★さすがにハンドリングやコーナリング性能、そして乗車中の「非日常感」はエスロクに劣る。
★タコメーターが小さく、針の振れ幅も狭いので視認性はイマイチ。
★時代の流れなので仕方ないのかもしれないが、ホンダセンシングを始めとした各種電子デバイスは、やはり過剰装備のようにも思える。
ただしモニターに表示される道路標識は大好物である（笑）

デザイン

5

★先代からキャリーオーバーな部分が多いが、まん丸なヘッドライトや
前から後ろまで水平のサイドウィンドウ下端のラインなどは、色褪せないどころか逆に新鮮にさえ映る。
★プラチナホワイトパールのボディカラーは黄色味がかなり少なく、シャキッと引き締まった色合いで実に美しい。
2トーンのソリッドブラックとの相性も抜群。
★デイライトやウインカー点灯時の顔つきが非常に愛おしい（笑）
★インパネのオレンジのトリムは写真で見るとオモチャっぽく見えるが、
実物はシックな朱色のメタリックで非常に質感が高く、ブラックヘアラインのパネルと共に
インパネを華やかに演出していて極めて好印象だ。
シートの赤い部分も写真で見るよりもオレンジ色に近く、インパネやマットときっちりコーディネートされている。
★バンパーのRSのエンブレムは文字の縁取りが立体的で赤い部分がメタリックと、
かなり凝った造形で、メーカーの「RS」というグレード名に対する思い入れを感じとることができる。

走行性能

5

★エンジンのS07B型はエスロクのS07A型に比べてさらにトルクフルな特性で、
ECONをOFFにすればエスロクよりも鋭い発進加速が味わえる。
走行中は常にスピードの出過ぎに注意が必要なほど。
★ハンドリングの鋭利さやコーナーでの安定性はさすがにエスロクの圧勝だが、
オリジナルよりも固められた足回りに切り始めからしっかり応答するステアフィールにより、
市街地でもドライビングが楽しい。
またカタログの数値上は最小回転半径がエスロクと同じなのだが、
明らかにN-ONEのほうがUターンしやすく感じるのは、逃亡者の気のせいだろうか？（笑）
★6MTのギヤ比がエスロクと全く同じなので、シフトのタイミングもエスロクと同じで違和感は全く無い。
またトルクがさらに太くなったため、エスロクほど正確なシフトは要求されず
エスロクならノッキングが起きる速度＆ギヤ位置でもちゃんと加速してくれる。
★エスロク同様にエンジンの回転落ちが遅いのでエンジンブレーキの効きは甘い。
★ブレーキはエスロクと異なりリヤがドラム式となるが、踏力に応じて相応の制動力が得られるのはエスロクと同じである。
★タイヤはスポーツタイヤではなくエコタイヤだが、操安性と軽快さ、快適性を見事に両立できており
頼りなさは微塵も感じさせない。

乗り心地

4

★足回りはエスロクαに比べて明らかにしなやかだが直進安定性は抜群で、乗り心地は極めて快適。
★とにかく車内が圧倒的に静かである。
これだけ背の高いボディにもかかわらず風切り音も極わずかで、窓を開けても静か。
走行中に寺尾聡の曲が普通の音量でちゃんと聴けるレベル。
★フロントシートは一見ホールド性に乏しく見えるが、
実際は脇腹をしっかり支える造りになっており、街乗りなら十分のホールド性。
シートはエスロクに比べても小ぶりだが、細身の逃亡者には全く問題無し。
長時間のドライブでも腰が痛くならず座り心地は優れている。
★反面、リヤシートは背もたれの高さが明らかに不足しており、長時間の着座は辛いだろう。
リヤシートはあくまで緊急用と割り切るべき。
★屋根の高さがエスロクより36cmも高いため、座面も視線もエスロクよりかなり高くなったが
エスロクの倍近い窓の縦の寸法も相まって、
目線の高いクルマがこれほど快適とは！と感心しまくっている（笑）
★シフトフィールはエスロクよりも節度感に優れ、小気味良い操作感が味わえるが、
やはりインパネシフトは若干遠く、できればもう少し後ろにポジションしてほしかったところ。
まあそのうち慣れるだろう（笑）
★ステアリングのテレスコピック機能が非搭載で、
ペダルにシートポジションを合わせるとステアリングが若干遠く感じるが
エスロクも同様にテレスコ非搭載の遠めステアで慣れていたので特に問題なし。
★ペダル配置もクラッチが若干右寄りに感じられるが運転には支障無し。

積載性

5

★助手席しかモノが積載できなかったエスロクに比べたら、助手席以外にモノが積める時点で１億点満点である（笑）
果たして「浪漫の積載量」は、エスロクを越えられるであろうか！？

燃費

5

★ECON常時OFF状態でだいたい19km前後と、エスロクとほぼ同じ。
タイヤの差を考えればもう少し伸びるかと思ったが、エスロク同様に燃費を気にせずガンガン走れるだろう（笑）

価格

3

★買う前の印象は「うわ～、高っ！！」（星１つ）
★買った後の印象は「そらぁこの値段してもおかしないわな！」（星５つ）
★買う前と買った後でここまで価格の印象が異なるクルマも珍しい。
ホンダセンシング標準装備、軽の枠を著しく逸脱した全体的な品質の高さは
乗った瞬間から値段相応であることがはっきりと分かる。
ただし、カタログや外観を見ただけではこの価格設定の理由が分かりにくいのも事実で
これがN-ONE最大の短所と言っても過言ではないだろう。
逆に価格という柵をブチ破ってオーナーになった者だけが、
至高のN-ONEワールドを味わえるという優越感が
N-ONE最大の長所かもしれない。

故障経験

今のところ無し。
ちなみにエスロクは2年9ヶ月間全く故障無し。