自動車のヘッドライトについて

Question

自分なりに調べたのですが答えが見当たらなかったので質問します。
ふとした疑問です。車のヘッドライトについてですが、人昔の前のヘッドライトカバーは、すりガラスのように透明ではない物がありましたが、最近の車はみんなクリアになっています。
これは、ヘッドライトがどう変わったのでしょうか。なぜ昔のヘッドライトはすりガラスのようになっていたのでしょうか。

Answer 1

ヘッドライトは前面のガラスに配光するためのレンズカットを施して光を収束させています。これのせいで中身が見えないので「擦りガラス」のように感じるのでしょう。

1980年代の後半、コンピューター技術の発達により高度な計算が手軽にできるようになります。
これにより、ランプの後ろのリフレクター(反射板)を細かく制御するように設計できるようになり、配光ガラスが無くても集光が可能となります。これをマルチリフレクターと言います。また、レンズを通さないので明るさも確保されるというメリットがあります。
最初に採用したのがホンダ・インスパイアで、以後ホンダ車へ拡大していきホンダ車の顔になります。

これで車の顔のイメージを決定するライトで表情が作れるために、フロントマスクの作り方が大きく変わりました。

もう一つはやはり80年代後半にプロジェクターライトが発明されたことです。
楕円の焦点が2つあることを利用して、一方に光源を置きもう一つの焦点に凸レンズを配置、こちらは小型化ができるのが特徴です。
最近はこれを複数使用した複眼タイプがデザインの主流になっています。
このプロジェクターも散光がほとんど無いために効率が良く、明るいのが特徴です。

以上のように、効率の良い物が開発されたために配光レンズを使用する必要が無くなり、最近は透明なプラスティックカバーで覆っただけのライトになっています。
ガラスよりもプラスティックの方が安いのでコストダウンにもなります。

それと、プラスティックは成型がしやすいために曲面や突起を作ることが容易です。これにより、最近のヘッドライトはフェンダーまで大きく切れ上がったデザインで突起や角が付いているものが多いです。
そうすることによって、フェンダー上を流れる空気を整流してドアミラーの風切り音を低減しています。これを鉄板のフェンダーでやろうとなるとエライお金がかかります。

ヘッドライトのデザイン一つとっても、そこにはちゃんと機能と意味があるんですね。

質問者からのお礼コメント

なるほど！光の屈折の関係であのようなすりガラスっぽくなっていたのですか。
昔は平べったい横長のライトしか無かったのが、今はいろいろな形になっているのは様々な技術のおかげというわけですね。
細かく説明して下さったこの方にBAを送ります。

Answer 2

すりガラスのようとはカットが入ってるってことでいいんですかね？

そういう前提で回答します。
一昔前のヘッドライトカバーにカットが入っているものは、そのカットラインで光の向き（配光）を決めていました。
それが見た目・コスト面からヘッドライトカバー側で決めるのではなく反射板（リフレクター）で配光を決めるようになったのです。
一番の要因はヘッドライトカバーがガラスから樹脂になり経年劣化でなるべく変化しないようにするためにはリフレクターで調整するしか無かったってことですけどね。

Answer 3

擦りガラスというのは無かったと思います。

ヘッドライトカバー自体が細かいレンズの集まりで、ライトの内部が見え難いものはありましたよ。

Answer 4

自分は以前、自動車組み立てラインで働いていました。４０年位前です。確かに当時はヘッドライトカバーはガラス製で重量もあり光の透過率があまり良くなく内部の凸凹加工で乱反射効果を利用して照明効果を向上させてたと思います。現在、特にHONDA車が先駆者か解りませんが強化プラスチックで熱、耐候製が格段に向上し軽量化に成功した部品の一つと思います。燃費向上に各社競争の主軸で軽量化にしのぎを削っていたからオイルショック、原油生産調整を産油国で行い価格下落に歯止めをかけたい思惑も今のエコカー推進の別の意味で輸入に頼る日本は特に進化が突出している要因であると思いますが参考になりましたでしょうか？ちなみに、車の部品は数万アイテムからプラスチックへの転換で大分減少し軽量化、衝突時の衝撃吸収も進化し続けています。モノコックボデイ（高張力鋼板の加工採用）は日本発です。