ホンダ フリード 「小さくてもしっかりミニバンでコスパ最強」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

まるも 亜希子
まるも 亜希子(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

5

デザイン
4
走行性能
5
乗り心地
4
積載性
5
燃費
4
価格
5

小さくてもしっかりミニバンでコスパ最強

2023.6.19

年式
2016年9月〜モデル
総評
全幅を1695mmに抑えた取り回しの良いボディサイズに、低床技術の広い室内、低いステップの両側スライドドア、多彩なシートアレンジがギュッと凝縮。5人乗りから7人乗りまであり、クロスオーバーSUVテイストのデザインを纏った「CROSSTAR」も選べて選択肢が豊富です。1.5Lのガソリンモデルは軽快でパワーも十分、コスパに優れるのが魅力的。コンパクトカーに3列シートを押し込んだのではなく、あくまで“小さなミニバン”として細部までこだわって造られているため、ファミリーユースでの満足度が高い1台です。
満足している点
2016年の登場から年数が経過しているとはいえ、今乗ってもしっかりと「ミニバン」の風格と、運転しやすさを両立している走行性能。コンパクトカーの延長として考えられているライバルとは違うキャラクターで、段差を乗り越える際などのボディのカタマリ感や、高速道路での安定感が優秀です。加えて、市街地での扱いやすさ、キビキビとした挙動も両立しているのがすごいところです。また、先進安全運転支援装備の「Honda SENSING」では、ACC作動中の加減速フィールを向上させ、追従走行からドライバーによる加速への移行時間が短縮し、より思い通りで気持ちのいい運転ができるようになっているので、ロングドライブ中のストレスも軽減されています。
不満な点
頭上も足元も大柄な人だとややタイトながら、それでもエマージェンシー用と割り切らずに普通に使える3列目シートは、ライバルに対してフリードの強みではありますが、サイドに跳ね上げて格納する操作がやや重くてアクションが多いことと、荷室の左右に出っ張りができ、上方向の空間が狭くなるのが残念。頻繁にシートアレンジをする人は事前に操作チェックすることをオススメします。
デザイン

4

ほかのミニバンが怖い顔か癒し系かに二極化している流れの中、ややどっちつかずの顔になっている印象はありますが、ホンダらしさでもあるフレンドリーさと、ゴテゴテしていないシンプルさは場所を選ばず、老若男女に好まれるデザインだと感じます。ハイブリッドとのデザインの差もほとんど見当たりません。ルーフレールやスキッドプレートなどでアウトドアテイストを纏ったCROSSTARは、もう少し振り切ってもよかったかもしれませんが、たとえば樹脂製のホイールアーチをつけると車幅が広がってしまい、取り回し性能に影響してしまうため、控えめになっているとのこと。あくまで実用性は犠牲にせず、あとはアフターパーツでユーザーが自分らしいフリードを作り上げる感覚にしていると感じます。
走行性能

5

2019年のMCの際に、ハイブリッドだけでなくガソリンエンジンにも新たな触媒金属の投入、制御データの設定、エンジンブロックの軸間スリットの改良を施して、排ガスのクリーン化や燃費向上を図っています。当初はやや剛性が足りないと感じていたステアリングフィールも、EPS制御をリファインしたことで市街地の低速域では取り回しやすく、中高速域では路面の乱れに左右されない収まりの良さ、レーンチェンジもしっかりした操舵感を手に入れており、安心して運転できるようになっています。加えて、状況に応じた適切なエンジンブレーキを実現する「ブレーキ操作ステップダウンシフト制御」がガソリン車に採用されており、これはカーブ手前でブレーキを踏むと、旋回中にエンジン回転数をキープしてレスポンスよく再加速できるようにしたり、急な下り坂でどんどん加速してしまうのを防いで安心して下れるといったもので、ドライバーだけでなく同乗者の快適性・安心感もアップ。ドッシリ感の強いハイブリッドと比較すると、ガソリンモデルはヒュンヒュンと軽やかに駆け抜けていくドライブフィールが爽快で、一人で乗っているとミニバンであることを忘れそうです。
乗り心地

4

乗り心地の良さは前席ではハイブリッドに譲りますが、2列目、3列目シートになると路面状況によってはガソリンモデルの方がフラット感が高いと感じることもあります。フリードはハイブリッドモデルでもエンジン音が主張してくるので、ガソリンモデルならさらに、静粛性はあまり期待しない方が良いでしょう。ただし、高速道路で車線変更などをしても、ボディがよじれるような不快な揺れなどはなく、ロングドライブでも快適性は十分です。
積載性

5

地上からわずか48cmという低いフロアに、125.5cmにもなる高さの開口部を持つラゲッジは、やはり上方向のスペースを生かす収納にはもってこいの空間。キャプテンシートの通路を利用して自転車を積んだり、ベビーカーを縦置きにしたりと、子育て世代やキャンプなどのアウトドアレジャーの荷物積載にピッタリと言えるでしょう。もし3列目シートを使うことがないなら、最初から5人乗りを選べばさらに荷物がたっぷり積み込めます。弱点は、バックドアが大きいので開閉にスペースを取ることくらいでしょう。
燃費

4

ハイブリッドには及ばないものの、ガソリンモデルでもFFモデルで17.0km/L(WLTCモード)となっており、ECONボタンを押しておけば勝手に燃費よく走ってくれるのがフリードの嬉しいところ。欲しいところでしっかりとパワーが出るので、負荷が高いところを走っていても、無駄に燃料を消費しているような印象はありません。運転の仕方に気をつけ、エコドライブを心がければコスト的にはハイブリッドと大きく変わらないのではないかと感じます。
価格

5

Honda SENSINGと両側パワースライドドアが全車標準装備なので、230万円台となるベースグレードのGでも必要十分な使い勝手が手に入ります。ミニバンとしての資質をしっかりと備え、7人乗りまで選べてこの価格は、コスパ最強と言ってもいいと思います。
まるも 亜希子
まるも 亜希子
自動車ジャーナリスト
映画声優、自動車雑誌編集者を経て独立。雑誌、ラジオ、TV、トークショーなどメディア出演のほか、モータースポーツ参戦や安全運転インストラクターなども務める。2006年より日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員。YouTube「クルマ業界女子部チャンネル」、「おっさん on boad」にも出演中。
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