ホンダ シビック (ハッチバック) 「スパルタンじゃないけど走りが楽しいCセグハッチ」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

スパルタンじゃないけど走りが楽しいCセグハッチ

2024.9.30

年式

2024年9月〜モデル

総評

国産でも何台かCセグメントハッチバックはあるが、その中でも随一で高級志向なモデルと言える。それは価格設定もしかりだが、装備や走りの質感なども踏まえたところでだ。そのため他の同クラスのライバルと比べると、多くの人に自信を持って勧められるモデルではないかもしれないが、良さは確実にあるし、選ぶ人はポジティブな理由で積極的に選ぶモデルだろう。

満足している点

走りの質感の高さは満足度の大きいポイントだ。剛性感があり、クルマと路面との対話を楽しむことが出来るフィーリングとなっている。また、大きなラゲッジスペースと広いトランク開口部で積載性能が高く、荷物を多く載せられる実用性の高さも魅力だ。

不満な点

価格設定が高い印象があるのはウィークポイントと言えるだろう。仕上がりや質感を考えれば仕方ないと感じる部分ではあるが、ライバルと比べるとグレード構成として見ても安い選択肢がない。また、ノーマルなモデルでもハイオク指定なのは愛車にしたとき気になるポイント。

デザイン

5

プレーンでありながら、要所要所でエッジが効いていて、長く付き合えるけどしっかりとカッコよさも持ち合わせているデザイン。ワイド＆ローな雰囲気で、アンダーが広い台形のような塊感も安定感の高さを感じさせ、高い走行性能を予感させる。ルーフからテールエンドにかけて続くCピラーのラインも個人的には好みだ。あらゆるシーンにマッチするスポーティなデザインといった印象。

走行性能

5

1.5Lターボエンジンは、ややトルクの出方が唐突な印象もあるが、若干スポーティーなキャラクターを考えればアリかなとは思える。全体的にボディ剛性が高く、しっかりとサスペンションが仕事をしている印象だが、改良で追加されたRSはさらによくなった。ステアリングや各種操作に対する反応がより分かりやすく、剛性感のある反応を得られるようになった。自然体でクルマとの対話を楽しみたいならば、一度試乗してみてほしい。

乗り心地

4

改良前のノーマルモデルはやや高速域で振動の収束が遅い印象があった。しかし、改良で追加されたRSでは収束も早くなり、若干ハードになったものの乗り心地そのものは良くなった印象だ。同クラスのモデルと比べて大きな感動があるわけではないが、満足度はそこそこ高いと言える。

積載性

5

Cセグメントハッチバックの中でも、積載性能はトップクラスに高い印象。ラゲッジスペースが大きいだけではなく、トランクの開口部が大きくて積み込みもしやすい。このクラスで積載性能を気にする人は、ぜひ実車をチェックしてほしい1台だ。

燃費

2

燃費性能そのものはさほど悪くないと思うが、忘れてはならないのは、このクルマの1.5Lガソリンエンジンモデルはハイオク指定ということ。国産の同クラスだとレギュラー車がラインアップされているので、ランニングコストという面で見るとやや厳しい立ち位置になりそうだ。

価格

2

価格的にはやや高い印象。完成度を含めて決して割高といったわけではないが、同クラスのライバルと比べるとグレード構成的にもリーズナブルな選択肢はない。また、走りの満足度が高いRSだが、価格設定はやや強気。シビックという枠組みで見ればタイプRもあるので、そこを考えるともう少し安いと嬉しい。