ホンダ シビック (ハッチバック) 「Cセグメントハッチバック「イチ」の走りの気持ちよさ」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西川 昇吾
西川 昇吾(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

4

デザイン
5
走行性能
5
乗り心地
3
積載性
5
燃費
3
価格
3

Cセグメントハッチバック「イチ」の走りの気持ちよさ

2022.11.21

年式
2021年9月〜モデル
総評
利便性やデザイン、経済性やラグジュアリーな雰囲気… 現代のCセグメントのハッチバックはそれぞれのキャラクターが独立していて、似ている車種というのが少ない気がする。その中でもシビックは走りに振ったモデルだと感じさせる。ただ、バリバリのスポーツモデルという訳ではないので、日常での快適性を損なうことなく、一般道での運転が楽しいと感じさせてくれるモデルだ。日々の移動を楽しいドライビングの時間に変えたい人にオススメしたい。
満足している点
やはり走行フィールの気持ちよさだろう。バリバリのスポーツモデルではないものの、一般ユーザーが一般道を走って運転する楽しさが存分に味わえる仕上がりとなっている。走る、曲がる、止まる、どれをとっても丁度いい性能で楽しいといった具合だ。走行性能の部分でも述べたが運転する楽しさという部分を重視するならば、是非ともマニュアル車を体験して欲しい。FFレイアウトとは思えないほど、剛性感があって気持ちいいシフトフィールに仕上がっている。
不満な点
イニシャルコスト、ランニングコストどちらも含めてあまりコストパフォーマンスが高くないところだろう。特にイニシャルコスト(車両価格)の面はこのクラスのライバルに比べて不利と言える。下位グレード250万円程度のモデルが多くある中で、300万円オーバーからのスタートというのは躊躇してしまう人もいるはずだ。また、ガソリンモデルの燃料がハイオクというのも気になる人は多いだろう。タイプRならばまだしも、この点にハードルを感じる人はいるはずだ。
デザイン

5

ハッチバックというボディ形状ではあるものの、ルーフからリアハッチにかけてのラインはさながらクーペのようで美しく、非常に流麗なシルエットだ。それに合わせてフロントマスクやリアビューもプレーンでシンプルな顔つきとなっていて、親しみやすく美しいといった印象。細部を見ても全体的な印象が統一されているし、走りに期待が持てるデザインに仕上がっている。走りに期待が持てる第一印象だが、バリバリというかやり過ぎている感じがせず、洗練された雰囲気となっているのが好印象だ。
走行性能

5

高速域での若干のバタつき感が気になるものの、全体的にはとても気持ちのいいドライブフィールに仕上がっている。ガソリンはターボ感が適度にあって心地いい加速を示すし、e:HEVは新しいハイブリッドの楽しさを表現している。しかし、最も気持ちいいのはマニュアル車だろう。シフトフィールが量産車の中でもトップクラスだと思うほど気持ちいいのだ。マニュアル車を運転する楽しさが分かる人ならば、実際に運転してみてほしいと思うシフトフィールだ。
乗り心地

3

乗り心地という面では若干ハードに感じてしまうのが正直なところだろう。タイプRならば納得すると思うが、通常モデルではコンセプトとマッチするか疑問に思う人もいるかもしれない。しかし、普段使いが苦痛と感じるレベルではない。また、走行性能の部分でも少し触れているが、高速域で少々足のバタつき感が気になり、これが乗り心地にも影響をしている雰囲気はある。乗り心地の良いCセグハッチならば他にも選択肢はあるということを理解した上で、検討すべき。
積載性

5

絞り込んだルーフラインからはビックリするほどのラゲッジスペースを有している。荷室長もそれなりにあるし、何より荷室高が高いことに驚かされる。それだけ荷室の床面が低く出来ているのだ。このクラスのハッチバックの中ではトップクラスに使いやすく積むことができるラゲッジスペースだと思う。利便性という部分で欲を言えば開口部が高いので、荷物の積み下ろしがしにくい点だが、このクラスのクルマで比較的走りに振ったキャラクターであることを考えれば利便性は十分にあるラゲッジスペースと言える。
燃費

3

燃費性能だけで言えば悪くはないものの、ライバルと比べてあまり良いとは言えない。ハイブリッドも追加されたが、運転する楽しさに重きを置いているパワートレインであることを忘れないでほしい。ガソリンモデルも悪くはないが、ハイオク指定なので一般ユーザーには理解がされにくいと思う。ガソリンとハイブリッド、どちらも走りの心地よさを重視している印象を受ける。
価格

3

ガソリンならば350万円前後、ハイブリッドならば400万円前後という価格設定はCセグメントハッチバックとしては、正直高いと感じてしまうところだろう。ただ、グレードラインアップを見てもガソリンは2グレード、ハイブリッドは高級志向の1グレードのみの展開となっていて、非常に割り切った販売戦略が見て取れる。装備内容を見ても比較的豪華な仕上がりだ。そういった点を踏まえると取っ付きにくい印象はあるが、まぁ妥当か…と思わせる価格感である。
西川 昇吾
西川 昇吾
自動車ジャーナリスト
1997年生まれ、大学時代から自動車ライターとしての活動をスタート。現在はWEB・紙の各種媒体で様々なジャンルの記事を執筆するほか、車両解説動画にも出演し、喋りの分野にも挑戦中。愛車のマツダ・ロードスターで定期的にサーキット走行をし、ドラテクの鍛錬も忘れない、目指すは「書けて、喋れて、走れるモータージャーナリスト」
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