ホンダ シビック (ハッチバック) 「オトナなデザインで車格アップ」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

オトナなデザインで車格アップ

2022.11.21

年式

2021年9月〜モデル

総評

11代目となったシビックは、史上最高に流麗で上品さのあるスポーティデザインにホレボレ。発電用としてはパワフルな2.0Lエンジンと2モーターのe:HEVは、SPORTモードのアクティブサウンドコントロールが爽快な走りを演出します。1.5Lのガソリンモデルは6速MTが一体感のある走り、CVTでは上質感のある走りと、2つのキャラクターがあるのも魅力的。積載能力も高く、ファミリーカーとしても十分に満足度が高いはずです。

満足している点

希少なMTモデルを設定してくれたのは喜ばしいこと。しかも、1.5Lエンジンは先代から最大トルクが20Nmアップし、ショートストローク化した6速MTの小気味いい操作感との相性が抜群で、走っているうちにどんどん楽しくなります。エンジンサウンドとの一体感も高く、気がつけば夢中で走っている感覚です。

不満な点

ここ数年のホンダ車では、電動化車両にプッシュボタン式のシフトセレクターを採用することが多く、シビックのe:HEVも採用しているのですが、いちいち目で見なければボタンの位置がわからないことや、うっかりRに指をかけてしまうことも何度かあって、ちょっと戸惑います。見た目はスッキリしていてカッコいいのですが。

デザイン

5

低重心かつシンプルで流麗なファストバックと呼びたくなるプロポーションは、大人の余裕とスポーティさをバランスよく表現していて大好きです。ハニカムケッシュとフルLEDヘッドライトが先進的なフロントマスクも、正統派スポーティな印象です。11代目はセダンがなくハッチバックのみになりましたが、このスタイルならセダンのようにフォーマルな場にも似合うと思います。

走行性能

5

1.5L直噴ターボエンジンにCVTと6速MTを設定するガソリンモデルは、アイドリング中はしんとした静けさに包まれ、走り出すとリニアなエンジンサウンドが響いてくる、そのメリハリが新感覚。長く直線が続くシーンの気持ちよさに加えて、大きなカーブを抜けていくシーンでも格別な爽快感が味わえます。ハイブリッドモデルは発進直後から余裕たっぷりで、アクセルレスポンスがとにかく俊敏でリニア。どんなシーンでも気持ちのいい走りです。

乗り心地

4

軽快感がありつつ路面に吸い付くような接地感も感じられるガソリンモデルは、前席はもちろん後席での乗り心地も好印象。ガソリンモデルにしては静粛性も高く、ほどよいエンジン音が入ってきます。e:HEVは車両重量が100kgほど増えるため、全体的に重厚感が増し、乗り心地もいいにはいいのですが、速度が40km/h前後の時に路面の段差によっては振動がやや長引く場面もありました。

積載性

5

大開口部となるラゲッジは、ガソリンもターボも404LというコンパクトSUVにも負けない大容量。高さのある荷物は積みにくいですが、奥行きがあるのでスーツケースなどもしっかり入ります。後席が6:4分割でほぼフラットに倒れるのも秀逸で、大人が寝られるくらいのスペースに拡大。ロールスクリーンのように引き出して使うトノカバーも目隠しとして便利です。

燃費

4

e:HEVは最高24.2km/L（WLTCモード）で、レギュラーガソリン仕様というのがありがたいところ。こちらが何も気を使わずとも、自動で効率よく走ってくれるのがいいところで、思わず攻めた走りをしても実用燃費がそれほど悪くないので満足度は高いと思います。ガソリンモデルも16.3km/Lなので悪くはないですが、ハイオク仕様なので注意が必要です。

価格

4

ガソリンモデルが319万円から、e:HEVが394万200円という価格は、日本で販売終了となったハイブリッド専用セダンのインサイトと同じような価格帯。昔のシビックはカローラと並ぶ大衆車のイメージでしたが、新型は車格がグッと上がって装備も充実しているため、そんなに高いと感じることはないと思います。ガソリンより約40万円アップのe:HEVも、今ならエコカー減税の恩恵があるため妥当という印象です。