なぜ、軽の自動車税は安いのでしょうか？小型車が1300CCくらいで三万円、軽自動車が660CCで8千円。あきらかにおかしい気がします。教えてください。

Answer 1

歴史から行ってみましょう。

軽自動車の「軽」とはもともと、「簡便な」という意味が強くあります。
どういうことかというと、もともと日本の道路交通というのは、「欧米列強」と比べるとアホほど貧弱でした。
地形の問題もあるのだが、大戦後に日本に入ってきた占領軍は、日本の道路事情の悲惨さに愕然としたと言われます。
昭和２０年ころの道路の舗装率は、国道で１割程度、都道府県道で５パーセント程度。それ以外の道路は、雨が降ればぬかるみになる未舗装の道路だったんです。

そして、当時自動車を持っていたのは運送事業関連ばかりで、あとは軍や政府機関ですね。
ご存じの通り、昭和３０年代あたりの庶民は車を持って無いのが当たり前ですが、これは無理もない。当時まともに使い物になった自動車は基本的に輸入車で、１ドル３６０円時代、国内で買うと軽々１００万以上しました。
初任給が１万円の時代ですから、今で言うと１５００～２０００万ぐらいですね。もともと国民全体が「貧乏」だった当時に、庶民に車が買えたわけがない。

しかしそれでは、日本の戦後復興もその後の経済成長もありえない！
輸送ルートの確立は産業の効率化につながり、輸送にかける余計な費用を削減すれば物価も下がる。道路網と自動車交通の発達は（少なくとも当時は）良い面しか無かったんです。
そこで政府は、「性能なんて低くていい、安全性もいらない、とにかく庶民が買える車の規格を作って、まず車を普及させよう」と考えた。それが軽自動車です。
この思想に従って、当時３０万円台の自動車が販売されますが、これならギリギリ手が出そうだ。
当時は経済的にも徐々に成長していて、給与も増えていたし、実際にこのあと３０年代後半から４０年代の高度経済成長期にかけて、自動車の登録台数は爆発的に増えて行きます。
これも「軽自動車」という規格のおかげです。

という背景があるので当然、税金も安いです。
というか、当時は自動車は贅沢品だったので、税金もすごく高かった。これを引き下げても良いのだが、ご存じの通り、自動車に関する税金は基本、道路整備などに回されます。
日本の道路が急激に伸び、整備されたのが４０年代あたりからですので、「まともな車を買える人たち」にそれを負担してもらう必要があった。
そこで軽自動車だけアホほど税金を下げたわけですね。

以上が歴史的背景。
じゃぁ今はどうかというと、もちろん、自動車がこれだけ普及してたいがいの人が買えるようになった現代、「軽自動車の優遇は、そろそろやめてもいいんじゃね？」という意見はあります。
僕も一理あると思いますが、他方、そういう軽自動車ですらカツカツで維持する人たちもいます。
また、田舎のほうだと、一家の車の台数＞免許所持者数な家もたくさんありますが、そういう人にとってフル規格の自動車は不要です。町内の職場やスーパーまで行ければ十分ですから。
その現実を考えると、安易に優遇措置廃止はできないと思うし、なにより、スズキとダイハツという重要な２メーカーが大打撃を受けて日本経済が破綻しかねませんから、コトは慎重に運んだほうが良いと思います。

※ダイハツはトヨタの子会社状態ですが、ダイハツの「知の財産」を全て無にするのはトヨタにとって打撃です。スズキは現在海外進出を考えているが、まだ十分ではなくて、いま足下をすくわれたら大変なことになります。


■余談

庶民向けの簡便な自動車は、欧米にも普通に存在します。
フィアット500やシトロエン2CVなどが有名ですが、実はVWビートルもその類です。他にもたくさんある。
ただ、日本のように特別な施策で無理に普及させる必要が無かったわけですね。

なので、「軽自動車のような簡便な車」はあっても、「軽自動車のような規格」は、少なくとも先進国では日本だけです。
そのあたりは、日本の特殊事情があると思ってください。

Answer 2

普通車を軽自動車げ抜いて行ったり，軽自動車の方が内部容積が大きくて余裕がある場合もあるのに，税金だけが優遇されている
のですから,明らかに今となってはおかしいですね。
一度得た利権はなかなか手放さない，変更できないという政治というか行政の怠慢でしょうね。

Answer 3

誘導税制と言って、政府が施策として、そうしているのです。
つまり、普通車のようなぜいたくなものには乗らず、軽に乗りなさいと言うことです。
しかし、最近は不景気で、軽が売れて普通車が売れなくなってしまいました。
ここは政府の、思わぬ見込み違いになりました。

Answer 4

＞なぜ、軽の自動車税は安いのでしょうか

軽の自動車税は市の税金の財源
普通乗用車は県・国の税金の財源の違いになります

軽自動車の大きさを超えると
ナンバー・登録関係・税金も変わることになります