2019年10月
■2019年10月
フェラーリは、同社では初となるPHEVモデル「SF90ストラダーレ」を2019年5月29日に発表した。
スクーデリア・フェラーリ創立90周年を記念したこのモデルには最高出力780psを発生する4.0リッターV8ターボエンジンを搭載。さらに3基のモーター(合計220ps)が組み合わされ、システム合計出力1000psの性能を発揮する。1基のモーターはエンジンと8速デュアルクラッチトランスミッションの間に搭載され、リヤホイールを駆動する。残る2基のモーターはフロントアクスルに搭載され、左右のホイールを駆動する。フェラーリ初となる4WDモデルでもある。
ハイブリッドのパワートレインがもたらすパワーウエイトレシオは1.57kg/ps。0-100㎞/h加速2.6秒、0-200㎞/h加速6.7秒という、市販モデルとしては前例のないパフォーマンスを発揮する。4つの走行モードが選べ、「eドライブ」モードではフロントアクスルのみで最高速度135㎞/hで25㎞のバッテリー走行が可能。標準的なドライブモードとなる「ハイブリッド」では全体の効率性を最適化し、出力が管理される。ただし、ドライバーの要求があれば強力なパフォーマンスを発揮する。また、「パフォーマンス」モードでは常にエンジンが回り続け、効率よりもバッテリーの充電が優先される。システム全体の最高出力が発揮される「クォリファイ」モードでは制御ロジックが充電よりもパフォーマンスを優先、電動モーターもポテンシャルを最大化(162kW/h)して稼動する。
ハイブリッドシステムを搭載するにあたり、シャシーは新たに開発されている。従来のリブ付きケーシングに代わって採用された中空ケーシング、キャビンとエンジンを隔てるフルカーボンファイバー・バルクヘッド、新しいアルミ合金などにより、剛性を強化しながら車体の軽量化に貢献。また、フロアに用いられた新合金「quiet aluminium(静かなアルミニウム」が、NVHの改善に寄与している。
エクステリアはフェラーリ・スタイリングセンターによってデザインされ、エンジンがミッドマウントされたキャブ・フォワード構成を特徴とする。エアロダイナミクスについてもハイレベルのダウンフォースを獲得しながら、先進かつ革新的なデザインが採り入れられている。ボディサイズは全長4710mm×全幅1972mm×全高1186mm、ホイールベース2650mm。
インテリアはフェラーリとしては初めて16インチのフルデジタル液晶スクリーンを採用。ドライバー側に湾曲させてF1スタイルのコクピット感覚を強調させたデザインとした。また、あらゆるデータをフロントガラスに映し出す、ヘッドアップディスプレイも採用されている。