気合の入ったフルモデルチェンジ
:
いきなり出た感のある新型ムーヴ、やっつけ仕事になっていないか、早速見に行ってきました。
(以下「総括」と言いつつ
2010.12.16
- 総評
- 気合の入ったフルモデルチェンジ
:
いきなり出た感のある新型ムーヴ、やっつけ仕事になっていないか、早速見に行ってきました。
(以下「総括」と言いつつ「長所」も含みます)
ドアの開閉、
オオ、深イイ音!
薄いのに、しかも窓を全開にしているのに、これは意外。
ドア開口部、足の出し入れ部のえぐり取りはどうか・・・
オオ、なくなっている!
軽く、安く剛性を上げるためには当然のこととはいえ、先代車台ではスズキに習い、足の出し入れを良くするなどとぬかし、サイドシルパネルの一部を細くしてしまっていた。当然車体強度は落ちるわけで、それを防ぐために強度の違う高張力鋼板を重ねて対応したという。価格が重視される軽自動車でこんなことをやっては、もっとコストをかけてほしい所が手抜きされてしまう。ダイハツは新型ムーヴでここから抜け出した。よかった。
ダイハツは4年前も車台の全面改良をしているのに、今回も使いまわしでなく全面改良をしたという。
ここにも気合いを感じる。
各部位の無駄を徹底的に省き、35㎏からの軽量化を達成した。乗らせてもらったRSで比較すると旧型880㎏に対し新型850㎏。
こうした軽量化やLED使用による省電力化、エンジン、ミッションの改良などを積み重ねでNA標準車で10・15モード25km/L。アイドルストップ搭載車に至っては27km/Lと、ミラスマートドライブパッケージの燃費偽装発覚前の値に達した。スゴイ。
(以下続きます。)
- 満足している点
- : も1つびっくりしたのがホイールベースの短縮。
居住性の向上とか言ってモデルチェンジで長くなることはあっても短くなることはないと思っていたが、35mmの短縮。その分の長さをフロントオーバーハングに振り分けた。
結果、クラッシャブルゾーンの増大、歩行者保護性の増大、フロントデザインの自由度の増大がもたらされたといえよう。
そしてきわめつけがAピラーを細くしたことだ。
右Aピラーの死角が3.5度!
ラクティスもそうだったが、この細さは魅力的だ。訳はミラやミラココアのレビューで書かせていただいたので繰り返さないが、視覚の良さはここが肝だと私は考える。
またうれしかったのが、自己再生能力を持ち、普通どんどん劣化していく浄化作用が半永久的に持続するスーパーインテリジェント触媒が引き続き搭載されていること。この触媒、白金などの例のレアアースの使用量も少なく、全くもってスゴイ技術なのだ。
それが最近のカタログから記載が落ちて、もう搭載されなくなってしまったのかと悲しんでいたら、ダイハツの店長が今もダイハツ車には乗っていますと誇らしげに言ってくれた。環境に目を向ける人が増えてきた今こそ、もっとアピールすべきだと思うが。
こういうモデルチェンジを期待していた。「便利」「楽」「フレンドリー」「マーケティングにこたえる」それらもいいだろう。しかし、忘れてもらっては困るのは、自動車はそもそもが人命を奪いかねない危険な物であるということ(交通事故だけでなく、様々な段階で出す有毒ガスなども最終的には命を脅かす危険なものとなる)。だからこそ客の安楽にのみ安易になびかず、真の意味で消費者のことを考えた、安全で環境に配慮した製品であってほしい。
(新型は静粛性にも力を入れたとのこと。これがもたらす疲れにくさは安全性の大切な要素だと思うが、この点でもムーヴはレベルが高いのではなかろうか。下に挙げる短所もあるが――)
以上わたし的には、今回のムーヴ、かなり好みの車になりそうです。
:
- 不満な点
- 最後に気になる点(短所)
最近のダイハツ車共通の弱点だが、カップルディスタンスがデカイ。店長に断り、測らせてもらったら、63㎝。新型ワゴンRが57㎝だから、片側3㎝側突時のクラッシャブルゾーンが狭いことになる。ただでさえ狭い軽の同ゾーン、この差はデカイ(特にサイド&カーテンシールドエアバック装着車ではモロ生死を分けるさになりかねないのではくらいに思ってしまう)。「広くてスゴーイ」を求めるのはいかげんにして、乗員の安全を第一義に考えてほしい。
VSC、サイド&カーテンシールドエアバックがRSのみにオプションでしか付けられない。2014年には新車軽では義務付けられるというのに、こういうのはABSをミラバンなどの商用車にさえオプションとはいえ全グレードに設定したダイハツにこそ先取りしてほしかった。安い車にも平等の安全性を。
リアヘッドレストが「なんちゃって化」している。ムーヴは後席が広く人を乗せる機会が多いだろうにもかかわらず、高さが足りない。90㎝を超えるわが座高を支えきれない。
以下は私には些細なことであるが、
・リヤシートバックを倒しても平らにならない。
・最上級のRSでも、リヤアンダーボックスが発泡スチロールでできている。「これ、壊れやすいんじゃないですか。」と聞くと店長はニコニコ笑っていた。
・価格。VSCとカーテンシールドエアバックを付けようとすると、160万円弱になってしまう。
- デザイン
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- 走行性能
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- 乗り心地
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- 積載性
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- 燃費
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- 価格
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- 故障経験