車って、これでいいじゃん!
近年性能の向上が著しい軽自動車の中でも、ダイハツは特に質の向上に力を入れているように思います。ムーヴはそのダイハツ製軽自動
2007.12.31
- 総評
- 車って、これでいいじゃん!
近年性能の向上が著しい軽自動車の中でも、ダイハツは特に質の向上に力を入れているように思います。ムーヴはそのダイハツ製軽自動車の中でも最多量販車種で、メーカーの意気込みを感じる車です。
ムーヴの最大のライバルといえばスズキワゴンRです。私の母親が現行型ワゴンRに乗っていてたまに私も乗るのですが、特に足回りの性能、動力性能、室内の使い勝手、内装など細部の作りこみなどにおいてムーヴの圧勝です。軽最多量販車種のワゴンRも古くなってしまったなあと感じさせられます。
ワゴンRだけでなく上のクラスの車と比較しても、室内、特に後席の広さは圧倒的ですし、走りの上でも、さすがにエンジン性能に余裕はありませんが、特に不満はありません。車に見栄を張らず、維持費の安さや実用性のバランスを考えればこの車は最高の選択なのではないでしょうか。
燃費のよさ、室内の広さ、作りのよさ… 「軽としては」という注釈をつけなくてもこの車は非常によい車だと思います。この車に乗ってトコトコ走っていると「車って、これでいいじゃん!」という気持ちになってきます。
- 満足している点
- ・室内空間の広さ
室内空間、特に前後方向のゆとりが非常に大きいです。後部座席はゆったりと足が組めます。運転席から後ろを振り返ったとき、リヤシートが後ろのはるか彼方(笑)にあるので、最初乗ったときはびっくりしました。
さらに足元にフロアトンネルの盛り上がりがないことも、広さを感じさせる要因です。
左右方向は、軽自動車の寸法の限界があるのですが、それでも広いと言っていいと思いますし、上下方向はきわめて広いです。
荷室は4人乗車時は必要最低限といった感じですが、後席左右独立スライド・独立シートバック可倒など使い勝手をよく考えて作り込まれている印象です。
・高速走行時の安定性
室内空間を最大限確保するためのロングホイールベースだと思うのですが、その副産物として高速走行時の安定性が高いです。エンジンパワーはそこそこなので余裕綽々とはいきませんが、大型トラックの間でフラフラして手に汗握るということはまったくなく安心して走れます。
・街乗りでは十分以上の動力性能
街乗りしている限り動力性能にまったく不満はありません。エンジンパワーは決してパワフルとは感じませんが、それでもカタログ数値は58馬力もあり、実用上は十分です。
- 不満な点
- ・ATのシフトショック
昔の軽のレベルからすると雲泥の差なのですが、現代のレベルからするとシフトショックがやや大きく感じます。試乗車はLグレードの4速ATだったのですが、上級グレードのCVTを全グレードに拡大してはいかがでしょうか。
・追突時の安全性は大丈夫?
この車の売り物のひとつ、大きくスライドできる後席ですが、最後端までスライドすると、後頭部がリヤハッチぎりぎりになります。追突時の安全性を考えると、ここまで後ろに下げられる必要はなかったのではないでしょうか。
それからこれだけ後部座席の余裕が取れるなら、空間を広げることだけでなく、座席自体をもっと大きくして安全性や快適性の向上に充ててほしいと思います。
・アンダーステアが強過ぎる
足回りの性能を云々する車ではないと思うのですが、それにしても今時の車では珍しいほどアンダーステアが強いです。きついカーブでハンドルを半回転ぐらい切ると、フロントタイヤがブリブリブリっといいながら外側にドリフトアウトしていきます。標準装着のタイヤが145/80R13とこれまた今時珍しい80扁平であることも影響していると思います。全高が高いことや車の性格を考えると当然のセッティングではあるのですが…
・ライトが暗い
コストの制約で安いライトバルブを使っているのか、それともリフレクターの形状のせいか、ライトが暗いです。最近はアフターマーケットもののハロゲン球のハイワッテージバルブが少なくなってきているので、純正状態で明るくしておいてほしいですね。
・ATセレクターのガタ
個体差かもしれませんが、試乗車のATのセレクターレバーはどこかのネジが脱落しているんじゃないかと思うほどガタが大きかったです。
・ハーシュネスの強さ
基本的に乗り心地はやわらかいのですが、なぜか路面の継ぎ目やマンホールを乗り越えたときには、「ビシッ」という感じの強い衝撃を感じることがあり違和感があります。
・理解しにくい販売競争
車自体とは直接関係ないのですが、ダイハツはスズキと軽ナンバーワン争いの熾烈な販売競争を繰り広げている影響で、登録済未使用車と称する実質的な新車が大量に出回っています。新車より10~30万円程度安い値段が付いていますが、このような不明朗な販売方法に多額な販売報奨金をつけるのは、新車の価格に不信感を抱きます。最初から新車価格を安くしてくれよと思ってしまいます。
- デザイン
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- 走行性能
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- 乗り心地
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- 積載性
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- 燃費
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- 価格
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- 故障経験