ダイハツ ミライース 「小さくてもしっかり走るクルマ」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

小さくてもしっかり走るクルマ

2021.3.27

年式

2017年5月〜モデル

総評

デザインにやや難を感じるものの、総合的に見ると、バランスよく作られている使いやすい軽自動車だと思う。特に運転している時のキビキビ感は、軽自動車の中でも小さいサイズのミラe:sならではの個性。家族で使うには少々小さいかもしれないが、初めてのクルマとして購入したり、セカンドカーとしても活躍しそう。

満足している点

無駄が削ぎ落とされているおかげで、走行性能や環境性能などが高まり、理にかなっているクルマになっている点は素晴らしい。小さくて軽量だから、ハンドリングも軽快で、特別な環境性能技術を投入しなくても燃費が良い。そして、4人乗車してもしっかりと使えるクルマなので、どんな人でも気軽に所有して使うことができると思う。

不満な点

クルマとしては、実際に触ってみると無駄がないモデルに感じるが、デザインではそれを体現できていない気がする。クルマ自体は、とてもシンプルでミニマムなクルマなのに、エクステリアはディテールに凝った部分が多いので、もっとシンプル路線のデザインでいいのではないかと思う。

デザイン

3

これまで大きな特徴がなく、ごくシンプルな軽自動車だったミラが、ミラe:sに変わってから存在感がとても強くなった気がする。細かいディテールにこだわったフロントマスクやヘッドライトなどは、一目見て「ミラe:sだ」と分かるデザインになった。しかし、個人的には、ちょっとディテールに凝りすぎて、やや“コワモテ”なデザインだと感じる。様々な人が乗るクルマなので、もう少し誰にでも馴染むデザインでも良かったのかなと思う。

走行性能

4

ダイハツのプラットフォーム『Dモノコック』を採用していることもあって、軽自動車のワンランク上の剛性を感じる乗り味になっている。ハンドリングもキビキビとしていて、もっともコンパクトな軽自動車ならではの取り回しの良さが存分に発揮されている。ただ、ある程度の走行距離のミラe:sに乗ってみると、ダンパーが抜けやすいのか、乗り味は結構変化していることがある。性能劣化が早いかもしれないので、そのあたりは注意が必要。

乗り心地

4

乗り心地は、やや硬い印象。他メーカーの同じサイズの軽自動車と比較すると、ミラe:sはハンドリングがキビキビとしている分、足回りを引き締めているようだ。ただ、ずっと運転していて辛いというほどではないので、この軽快なハンドリングが好きな方にとっては、乗り心地も満足できるレベルになっていると思う。

積載性

4

とても小さいボディながら、後席の空間は思いのほか広い。成人男性でもゆったりと座れるくらいのスペースがある。このミニマムなサイズ感の軽自動車は、荷室に積載する限界はあるものの、ティッシュボックスが置けるセンタートレイやショッピングフック、細かい小物入れなどは充実している。

燃費

5

23.2〜25.0km/L（WLTCモード）と、驚くほどの燃費の良さ！しかもモーターのアシストがあるマイルドハイブリッドなどは搭載していない。エネルギーを回生して電装品などに使用するシステムや、純粋なパワーユニットの進化や軽量化によって、この燃費を達成しているのはすごい。

価格

5

価格は、約86〜137万円。コンパクトで軽量で、燃費も良く、価格も安い。最近では、あまり余計な物を持たない“ミニマリスト”などが増えているが、ミラe:sは、そういった意味でもとても合理的で良いクルマだと感じると思う。