いやいやミラもいい車です
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デミオのレビューで「軽とは比べ物にならない位良い」とか、マーチのレビューで「ミラより圧倒的に動力性能は上」などのレビュ
2010.8.19
- 総評
- いやいやミラもいい車です
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デミオのレビューで「軽とは比べ物にならない位良い」とか、マーチのレビューで「ミラより圧倒的に動力性能は上」などのレビューを以前見かけました。
ミラ(バンですが・・)乗りとして、そんなダメだったかなと思い、改めてデミオで1000㎞走ったコースをミラバンでも走ってきました。(近々新型マーチでも同じコースを走ってきて報告したいと思います。)
先日乗ったデミオは1300の4AT、排気量からすれば、軽のNA並みなんてことはありえないはずなのですが―――でも、加速時のうるささ、ダブルレーンチェンジ後のゆらゆら感はやっぱりミラ並み。逆に中低速からはミラの方がより意のままに加速してくれると感じました。
これは間違いない。
デミオのモッサリとした加速感、それが嫌でアクセルを踏み込んでいくといきなりシフトダウンしてけたたましい音を立てて急に加速していく感はどうしても私には馴染めません。ミラのほうが自然だ(私のミラはMTですが・・・)。
カギは低いギア比にある。
わずか50ccの原付も、機種によっては鋭い加速が得られるのと同じ理屈です。排気量が大きければ動力性能が無条件で上とはいえないのが車のおもしろいところ。
確かに、衝突安全性や120㎞/h以上の高速時の運動性ではデミオの方が上だが、それ以外の場面ではミラバンも十分に対抗できる。特に、路地裏や狭い橋のすれ違い、右折車左側のすり抜けではやっぱりミラでしょ。
ミラや軽を低評価する人はどのくらい試乗したのだろうか。
ただ、ダイハツの車は個体差が大きいので(メーカー自身が燃費偽装の釈明でこのことを言っていた)、彼らが試乗・使用しているミラや軽はたまたま外れだったのかもしれない・・・
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- 満足している点
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△△△環境性
これは、もうミラが圧倒する。
自動車は使用時はもちろん製造廃棄輸送時にも有毒ガスを出し、資源を消費していく。EVやHVも、充電時や、重いバッテリーの製造廃棄時には環境へのダメージは無視できない。
そんな中で少しでも環境にやさしい車とは、燃費がよくて、排出ガスがきれいな、しかも軽い車。
ミラもデミオもCOやNOXなどの濃度は基準の75%を削減している。一見同等だが、何年か乗った後に大きな差が生じる。
有毒ガスの浄化作用は普通年々劣化する。がダイハツの至宝とも言えるスーパーインテリジェント触媒は、触媒に自己再生能力を持たせ、半永久的に浄化能力を継続させる。これ、本当にスゴイ技術です!
シンプルで軽い車も環境にやさしい。使う資源量が少ない。
さらに使用資源も製造廃棄エネルギーも廃棄物も運搬エネルギーも少なくて済む。
また、重い車は道を傷つけやすく、アスファルトの張り替えや処理にも大きなエネルギーと環境破壊をもたらす。
またロードインパクトは重量の3乗に比例するので700kgのミラバンは990㎏のデミオの半分以下だ。
△△△小回り性
総括で言った通り。
センターラインに幅寄せせずに右折しようと止まっている前の車。こんな時、軽ならスルリとすり抜けができる。さらに道を塞いで後続の車の邪魔になることも少なくなる、
対向2車線道路を苦も無くUターンできる小回り能力も気持ちいい。
△維持費
エコカー減税で、購入時のメリットは少なくなったとは言え、それは購入年度だけ。その後ずっと払っていく様々な税金は圧倒的に軽が有利。ミラバンなら重量税8800円、自動車税8000円。デミオの数分の1で済む。
まあこれは自動車そのものの能力ではないけれども・・・
△燃費
軽に苦手な高速道路の追い越し車線走行。しかし燃費はMTなのがいいのかミラが22㎞/L、デミオの2割増しだ。維持費の安さと合わせ、環境と財布にやさしいのはミラだ。
これでも軽はダメ車?よく確かめもせずに否定するのはいかがなものかと思います。
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- 不満な点
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▼▼衝突安全性
国交省の試験ではミラは運転席/助手席が☆5つ/☆5つ。デミオが5/6となっています。
実際の場面では重い車のほうが有利になる。軽い車は跳ね返されるので、人体にかかる加速度はより甚大になる。サイドエアバッグはミラには付かない。カーテンシールドエアバッグは両車とも未装着。
また能動安全性で重要なブレーキ性能ではドライ路面で2m、ウェット路面では5mミラが勝る。
この差が生死を決める差にもなり得るので、総合安全性能で考えれば、必ずしもデミオが有利と言いきれないのではなかろうか。
▼動力性能
排気量はデミオの半分。重量は7割。トレッドも20㎝近く狭い。これではデミオの方が気持ちよい運転ができそうなものだが、実際に乗ってみると、さにあらず。
総括でも上げたが、120㎞/hまでは加速性や静粛性、乗り心地に明確な差を感じなかった。確かにアンダーステアはミラの方が強いが、デミオもほめられたものではない。
私が相当に鈍感なのか・・・しかしそうであっても、見方を変えれば、私のような者にとってはミラで十分だと言える。
◎結論
環境にも財布にもやさしく、能動・受動安全性能もまずまずなミラには十分に存在価値がある。というか、積極的に環境にやさしいミラの方を勧めたい。
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- デザイン
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- 乗り心地
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- 積載性
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- 故障経験