クルマを後退させる際に、モニターにクルマ後方の映像が映し出され、それを確認することで、ミラーや目視では死角となる部分も確認しながらクルマを後退させることができるバックカメラ(後退時車両直後確認装置)。普及し始めてから20~30年が経過し、もはやバックカメラなしではクルマを止めることができない、という人も少なくないのではないでしょうか。
しかしながら、このバックカメラだけを見てクルマを後退させるのは危険。バックカメラにはモニターには映らない「死角」があるからです。
危険すぎるのでいますぐやめて!! バックカメラだけを見て後退させていませんか??
文:YUKO/アイキャッチ画像:Adobe Stock_あんみつ姫/写真:Adobe Stock、写真AC
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すでに多くのクルマで装備されているバックカメラ
2021年6月に公布された道路運送車両の保安基準等及び保安基準の細目を定める告示等の一部改正によって、2022年5月から新型車への装備が、2024年11月1日からは、継続生産車についても装備が義務化された、後退時車両直後確認装置(バックカメラ、検知システムまたはミラー)。自動車基準調和世界フォーラム(WP29)で採択された協定規則に準じるかたちで改正されたものです。
国土交通省が行ったASV(先進安全自動車)技術普及台数調査によると、総生産台数におけるバックカメラの装着台数(乗用車)は、義務化前の2021年の時点ですでに70%を超えており、2023年には、全体の77%にも到達。すべてのクルマで義務化されてからはまだ日が浅いバックカメラですが、すでに多くのクルマで装備されている装備といえます。ナビゲーション機能のない液晶ディスプレイが登場したことも、バックカメラの普及に貢献しているでしょう。
すべてのクルマで義務化されてからはまだ日が浅いが、バックカメラはすでに多くのクルマで装備されている(PHOTO:Adobe Stock_あんみつ姫)
バックカメラでは、クルマの直後30センチ以内と、画角から外れる側方は見えない
死角が減ることで、クルマ後退時の事故防止に有効だと考えられるバックカメラですが、実は、バックカメラにも、死角が存在します。
前出の保安基準等の改正では、後退時車両直後確認装置(バックカメラ、検知システムまたはミラー)の主な要件として、クルマの後端から0.3m離れたところから、3.5m内が確認でき、かつこの0.3mの位置から1.5m離れたところにある高さ0.8m、直径0.3mの円柱を確認できることとされています。
ということは、クルマの後端から0.3m以内は確認できない可能性があり、また、カメラには画角があることから、側方からやってくる自転車などは見えないことが懸念されます。
JAFが実験したところでも、クルマの左右後方に置いたパイロンは、クルマから遠くであれば確認できたものの、クルマに近いところにおいたものは確認できず、クルマの側方遠くにおいたパイロンも確認できなかったとのこと。
一瞬のすきに、クルマの直後に子供が入り込んでしまったり、歩行者や自転車、電動キックボードなどが、後退中に車両後方を横切ろうとすることは大いに考えられます。バックカメラで映らない箇所があることを認識し、後退させるときは、カメラのモニターだけでなく、目視やミラーを確認することで、周囲の状況をよく把握することが必要です。
バックカメラに死角はないのか?(JAFユーザーテスト)
便利なバックカメラだが、モニターに映し出される範囲だけを確認して後退させるのは、非常に危険(PHOTO:Adobe Stock_tarou230)
後退させるときは、カメラのモニターだけでなく、目視やミラーを確認することで周囲の状況をよく把握することが必要(PHOTO:Adobe Stock_buritora)
AT車ならクリープ現象を活用した後退を
このJAFの実験ではまた、後退時にバックカメラで横切るものが見えたとき、接触する前に停止ができるかについても検証が行われています。
3回行われた実験のうち、クリープで後退したケースは3回とも接触前に停止。ただ、アクセルを踏んで後退をした場合は、3回中2回で接触してしまったそう。
どれだけ慎重に安全確認をしていても、ドライバーが確認しづらい後方には、危険が多いです。後退時には、とにかくゆっくり後退することを心がけ、AT車であれば、クリープ現象を活用するようにしましょう。
後退時にはまた、とにかくゆっくり後退することを心がけ、AT車であれば、クリープ現象を活用するようにしよう(PHOTO:Adobe Stock_naka)
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みんなのコメント
助手席に手を回して後方確認する事を
バカにしてたくせに、よくこんな記事出すよな