シトロエン C3 「3日450kmストーリー」のユーザーレビュー

rei045 rei045さん

シトロエン C3

グレード:フィール_RHD(EAT_1.2) 2017年式

乗車形式:その他

評価

5

走行性能
-
乗り心地
-
燃費
-
デザイン
-
積載性
-
価格
-

3日450kmストーリー

2017.12.18

総評
友人が購入した走行200kmというおろしたてのド新車で、長野県は白馬まで行く機会があってのインプレッションです。やっぱり新車はいいですね、新車新車。

こういう文章って、基本的には他の何かのクルマと比べたくなってしまうのですが、個人的にシトロエンってあんまり他のクルマと比較したくならないのが特徴。で、それが顕著なほどいいシトロエンという傾向がある気もします。

で、この三代目にあたるC3は、初代C3以来の比べたくなくなるシトロエンでした。

機械的な出来の良さや、使い勝手といった部分では、突出して見るべき場所というのは特にないのですが、全体的なまとめ方が非常に上品かつ自然なので「ああ、こういうものなんだ」と自然に思えてしまう点が、これまたいいシトロエンに共通するポイントでございます。

今回乗ったのが、フィールといういわば「素」のグレード(本国だとたぶんもっと安いグレードがあるはずだけど)ということもあり、お化粧されてないこのクルマ本来の味というか魅力を感じることができたのもうれしいポイント。以前乗ってた初代C3も1.4のやっすいグレードだったので、そういう意味でも懐かしさを感じました。

懐かしさというのは、今のクルマからどんどん消えていっているおおらかさのようなもの。キビキビやスポーツやステイタスからは対極にある、道具として本来求められているであろう温もりや安心感や、なんて言うんでしょうね、心が穏やかになる感じ? 少なくとも誰かを押しのけたり、自分の存在を見せつけたり、なぜかドキドキや喜びを強調したり、そういった考え方からは対極にあるクルマだと思います。

デザインは奇抜ですが、街中で浮くことは少なくともなく、そのデザイン自体も破綻しておらず、そしてその見た目と実際の乗り味が絶妙にマッチしていて、いい意味でも悪い意味でも期待を裏切る部分が一切ないというのも大きな特徴。唯一裏切ることがあるとしたら、昔ながらのどうしようもないシトロエンを期待した場合だけでしょう。

で、じゃあこのクルマを欲しいかと言われれば、細かい使い勝手や質感なども日本車やドイツ車に劣り、3ナンバーサイズのため取り回しも正直若干大きさを感じ、決して速くなく、燃費もわりと普通で、つまりスペシャルな部分がなにもない。

でも、欲しい。

コミコミ250万円という価格は、内容からすればバーゲンプライスではあると思いますが、決して安いから欲しいというわけではありません。スペシャルな部分がなにもないにも関わらず、なぜか強烈な印象を残し、でもってそれが全然角張ってなくて、まるっこくて、柔らかい。

乗せていただいた1週間、ずーっと考えていたのですが、正直私のスキルではこの個性がどういう理由で表れているのかがわかりません。機械なのですから機械として評価するのが正当だとはわかりつつ、なんとなくぼんやりとした、歯切れの悪い総評になってしまうのはそのせいです。

少なくとも、買って損することは絶対にありませんし、むしろ本心から積極的におすすめしたいこのクルマ。その魅力の本当のところを、まったくもってお伝えできないのが心苦しくてなりません。

だから、乗ってみてね(笑)。
満足している点


何事もコスパコスパとかまびすしい世の中ですが、そんな中でもコストパフォーマンスの高いクルマだと思います。

もちろん装備とかリセールバリューとか、あとはまだ見ぬ信頼性とか、そういうことを考えればコレより「経済的にお得」というクルマは掃いて捨てるほどあるのでしょうが、そういった経済的なパフォーマンス以外の部分が非常に高いのが印象的でした。

たとえば、わりと現代のどのクルマにも似ていない乗り味とか、わりと現代のどのクルマにも似ていないデザインとか、この2点だけでも割とプライスレスな価値があるかと。

もちろん不満な点に書くように、同クラス(だよね?)のフォルクスワーゲン・ポロではありえないような気の抜けた個所も見受けられるわけですが、それもかつてのシトロエンのような、工業製品としてどないやねんというような部分は存在せず、基本的には何の心配もなく、日本の道を快適に走っていただけます。

今の時代、これだけの個性がある車を、何の心配もなく快適に乗れて、しかもお値段は国産車プラスアルファというだけでも、ちょっとでもこのクルマを検討の範囲に加えるよな方であれば、ものすごく魅力的で、満足感の源となることでしょう。
 
不満な点
まず、基本的には大満足です。なので、不満な点はいずれも細かい部分。ですが、やっぱりポロに比べると、言うほど細かくないかなという気がしなくもありません。ははは。

・タッチパネル操作が難しい
もちろん慣れの部分もあるとは思いますが、オーディオやエアコンなどの操作は、基本的にタッチパネルでのみ行なう仕様。当然ボタンもなければクリック感もないので、走行中のブラインドタッチは至難の業です。ユーザーインターフェースは直感的で非常に出来がいいだけに、逆に惜しく感じてしまいます。

・オートマがわりとアホ
アイシンの6ATとのことですが、良くも悪くも初代カングーや初代C3のATから乗り換えて、違和感のないシフトタイミングやシフトショックです。個人的にはむしろ好ましかったりもするのですが、フツーの国産ATから乗り換えるとちょっとびっくりするかも。

・ルームミラーが顔に近い
175センチで理想的なポジションを取ると、わりと目の前にルームミラーがございます。ので、後ろを見るのはともかく、左コーナーとか交差点で左折する時とか、わりとジャマです。もうちょっと遠いか高いかだといいのにね。

・レーンキープアシストがきびしい
山道はともかく、高速道路の山岳区間とかでアウトインアウト的なラインをとると、けっこうな勢いでピーピー怒られます。

・時計がない
いや、厳密にはナビ画面内に常時表示されているのですが、メータークラスター内なんかのいつもすぐ見える場所に時計がないのが、個人的には減点です。あ、もしメーター内のマルチディスプレイに表示させる方法があったらごめんなさい。
 
デザイン

-

走行性能

-

昨年同じような時期に乗ったポロと同じく、1.2Lのターボエンジンを搭載しているこのC3。違いと言えば4気筒か3気筒かというところくらい。といっても、この差はなんだかんだで大きいものがございました。

カタログスペック上ではポロより20馬力プラスの110馬力ですが、正直そこの違いはほぼ感じません。一番違いを感じるのは、なんだかんだで振動です。といっても、運転席に座っていればそこまで気になるものではなく、むしろ「お、がんばってるな」的な好印象。一番気になるのは助手席に座っているとき。発進からある程度の速度域まで「なんかゴロゴロいってるぞ」的な感覚がございます。

で、個人的にこれより気になったのが、オートマチックのシフトスケジュールと変速ショック。どのくらいかというと、ポロのDSGよりDSGっぽいと言えばなんとなく伝わるでしょうか? まさかまたZFか内製かと思って調べてみたら、驚いたことにアイシンでした。

というわけで、シフトは割と引っぱり、シフトショックも明確で、そのかわりマニュアルモードのキレは良く、なんというか、悪く言えば一昔前のフランス車のオートマを洗練させたもの。良く言えば大昔のメルセデス・ベンツのオートマを洗練させたものという感じ。後者のほうがファンが増えそうなので、後者でお願いします。

そんなパワートレインからは想像できないほど洗練されていたのがスタビリティコントロール。今回は圧雪からアイスバーン、シャーベット路面まで、わりとバリエーション豊かな雪道を走れたのですが、インジケーターのランプがめっちゃ小さいこともあって、途中まで介入してるのに全然気づかなかったほど。これは嬉しい驚きでした。

ハンドリングについては、今回スタッドレスタイヤ(ヨコハマ・アイスガードIG60)だったため、本来のテイストについてはわからない部分も多いですが、基本的にはゆったりゆらゆらとした乗り心地。相変わらず車のサイズに対して大径のタイヤのため、最初の当たりの段階でショックをいなしながら、前後左右にゆっくりと姿勢を変化させていくセッティングです。

もちろんステアリング操作と姿勢変化の相関関係は非常にリニアで、雪道の上で姿勢が崩れても全く不安なく修正舵を当てることができますが、そのリニアさは最近のものではなく、一昔前のリニアさ。個人的にはこっちのほうが好きです。

タイヤのエアボリュームを含め、ゴムブッシュ系の容量をたっぷりと取ってあるのがこういった味付けの調味料だと思いますが、そんなことは割とどうでもよくなるくらい、エンジンも足回りも大らかであたたかい乗り味が、このクルマの最大の特徴だと思います。
 
乗り心地

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先ほどのゴムブッシュ系容量が大きいというのは、当然乗り心地にも表れています。

オドメーターが200km台とおろしたてパリパリのクルマだったにもかかわらず、乗り心地はとってもソフトタッチ。それでも私なんかは「フランス車もしっかりしたもんだなあ」などと思ってしまいますが、乗る人によっては「クルマ?」「それとも船?」みたいに思ってしまう可能性もなくはないかもしれません。ねーよ。

ダンパーもバネも全く主張がなく、16インチホイールのモデルのため、多少純正タイヤより重いであろうスタッドレスを履かせても、荒れた路面などでのドタバタ感は皆無でした。このことからも分かるように、ただ単にユルユルに作られているわけではなく、骨格自体はしっかりしているようです。

当然ですが、低質なきしみ音やビビリ音などはほとんど発生しませんが、室内の騒音レベルそのものはそこまで低いわけではありません。特に助手席に座っているとわかりますが、わりと特徴的なエンジンノイズなどが室内に侵入してきます。反面、ボディデザインから大きめかなあと思われた高速道路での風切り音なんかは、ほぼ気にならないレベルでした。スタッドレスのため、超高速域でどうなるかは分かりませんでしたが、まあ、そんなことするクルマじゃないしね。

ゆったりとした乗り心地には、シートの形状やサイズも寄与しています。やはりクルマのサイズに比べて不釣り合いなほど座面が大きめのシートは、ふんわりとまではいいませんが、やはり現代の基準に比べてソフトな感触。いい意味でドライビングポジションを選ばない、シート任せにできるシートです。まあ、そのかわりと言ってはなんですが、室内、特にリアシートに座った場合、同サイズの国産車に比べて室内が狭く感じちゃうのは、まあ仕方のないところですね。

エンジンノイズや、前述のシフトショックはそのうち慣れてしまうものだと思いますので、満点ではありませんが、個人的には大変満足できる「シトロエンらしい」乗り心地でした。
 
積載性

-

トランクルームはバンパーのラインが高いので、背が低い人にとってはちょっぴり使いにくいかもしれませんが、個人的には問題なし。

ヒコーキの中に持ち込めるギリギリのサイズのキャリーケースをタテに積めるので、今回のような2人での2泊3日旅行とかでは、余裕を持ってすっきり積めるのが嬉しいポイントです。トランクルーム内のデコボコも少ないので、積載性は良好です。

運転席周りは大きめのドアポケットがあるので、お財布やなんかは問題なく置けるのですが、ひとついただけないのがシフトレバーの前、タッチパネルの下にあるドリンクホルダー。高さ方向が絶望的に足りないため、500ccのペットボトルを置けないだけでなく、ボトルとか缶を置いてしまうとシフトインジケーターが見えず、USBコネクタが使えず、とにかく使い勝手が悪いのです。なんとかならんのかコレ。
 
燃費

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走行距離:474.1km
給油量:27.10L
満タン法燃費:17.49km/L

走行距離のうち高速道路300km、一般道170kmほど。高速道路では10kmほど渋滞にハマりましたが、平均100km/hで普通に巡航しておりました。一般道も渋滞などはほぼなかったため、スタッドレスタイヤのマイナス分を考慮したとしても、5〜10%ほど通常の使用に比べて燃費に優しい運転でした。

ちなみに、速度計で時速100km/h時のGPS計測値は97km/h。スタッドレスのためタイヤ外径が若干大きい気がしますので、実際はもうちょっと速度計は甘いはずです。
 
価格

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故障経験
運転中に謎のワーニング音がしましたが、どこにも何もインフォメーションが出なかったので、何の音か分かりませんでした。あはは。
 

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