シトロエン BX 「何の役にも立たない偏狭なクルマ評:シトロエンBX」のユーザーレビュー

berlina1994 berlina1994さん

シトロエン BX

グレード:19TRi_RHD(MT_1.9) 1989年式

乗車形式:マイカー

評価

5

走行性能
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乗り心地
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燃費
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デザイン
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積載性
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価格
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何の役にも立たない偏狭なクルマ評:シトロエンBX

2016.5.27

総評
ITテクノロジーがクルマにも浸食してきて、自動運転だなんだかんだと喧しい。
でも、このままでは自動運転は実現しないと思う。いま自動運転システムを作っているヤツらに、クルマに対するリスペクトがないからだ。

いま一生懸命にITで次世代のクルマをつくろうとしている連中は、第二のスティーブ・ジョブズになることを狙っている夢想家か、イーロン・マスクのようにVCから大金をせしめたい詐欺師か、そのどちらかだ。

スマホが成功したのは、音楽業界や通信業界の障壁が少なく、しかもスマホ自体、まったく新規のモノだったからだ。
でも、クルマは違う。歴史があり、市場は広く深い。新規参入や新技術の発展を阻むボトルネックや落とし穴なんか、あちこちにたくさんある。

なによりも、自動運転システムは人の生死にダイレクトに関わる。そこが、機種変で気軽に使えるスマホと決定的に違う。

だからこそ、シトロエンに“未来のクルマ”を作ってほしいと思っている。
長い歴史の中でクルマに関する経験と技術を持ち、新しい技術にも積極的。なにより、理想を掲げることの価値を知っているし、挫折や苦さも味わっている。そんな彼らなら、知恵と経験と駆使して、まったく新しい自動車のカタチを組み上げてくれると思うんだ。
満足している点
エンジンパワーは100psとしょぼかったが、ハイドロがもたらす優れた安定性と軽いシャシー、良好な空力などにより、クルマ全体のパッケージとしてはかなりの高速型だった。
条件さえ許せば、150km/h前後での巡航が可能だった。

また、高速になればなるほど、ステアリングの遊びがどんどんなくなり、シビアになっていく。
これは、スピードが高まるほどに緊張感を持って運転すべき、というシトロエンのポリシーによる。ここでも理想主義。

フランス映画などで、クルマを運転中、同乗者との議論に熱中するあまり、ハンドルから手を離し、助手席に向かって大げさな身振りで話し始めるシーンがある。
シトロエンの頑固なまでの直進性は、こういうドライバーのためにあるのだ、ということをBXを運転してとても実感した。
不満な点
去年、シトロエンはハイドロニューマチックの開発中止を正式にリリースした。
彼らが追求した、ひとつの理想の終焉だ。

バウハウスの夢が、カンチレバーで終わってしまったように、
シトロエンの理想は、ついに実現することはなかった。

とっくの昔に自動車のテクノロジーの夢は終わっていたのだが。
いま、カクタスやEVメアリといった新機軸を打ち出しているが、さて、次の未来はどうなるんだろう。
デザイン

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(2024/03/17追記)
ガンディーニ名作のひとつだ。ペラペラなデザインのクルマばっかりになった街で、今見かけると嬉しくなって振り返ってしまう。
ガンディーニさん、ありがとう。
走行性能

-

※項目のタイトルを無視して書いています。

バウハウスのカンチレバーのチェア、って知ってますか?
「紅茶のおいしい喫茶店♪」みたいな店でよく見かける、こんな感じのチェア。



シトロエンBXに乗るようになってから、このクルマはカンチレバーのチェアじゃないか、と思うようになった。


乗り心地

-

「チェアから、脚を取りたかったんだ」と、カンチレバーのチェアを創作したデザイナーは言ったらしい。
脚を取り払って、人間自体が宙に浮くような、そんなチェアもこれからテクノロジーが進めば夢ではないんじゃないか。
そうしたら、チェアそのものがなくなってしまうかも知れない、とデザイナーは夢想したらしい。

その話を読んだとき、僕はシトロエンがかつてDSで発表した有名な広告写真を思い出した。


そう、シトロエンのエンジニアは、バウハウスのデザイナーとまったく同じことをクルマで発想したんじゃないか、と思った。
大地とは一線を画し、どんな路面でも超絶にフラットな乗り心地を実現する、新しい乗り物。そんな理想を実現したくて、まず作ったのがオイルと窒素ガスに乗って走る、ハイドロニューマチックのシステムだったんじゃないか、と。

実際、シトロエンが発明したハイドロの乗り心地と、カンチレバーのふわふわとした座り心地は、どことなく共通点があるような気がする。
積載性

-

シトロエンはまた、トラクシオン・アヴァンもいち早く作っている。

人や荷物を載せるためにスペース稼ぐために、また操縦安定性を高めるために、やはりエンジンと駆動システムは一体化して前に置いた方が良い。

エンジニアはきっとそう考えて、トラクシオン・アヴァンを開発したんだと思う。
この駆動システムは、後にハイドロニューマチックとひとつになって、さらなる高みに到達した。

まさに、理想主義、ここに極まれり。
燃費

-

シトロエンは「理想主義のエンジニアリング」だったと思う。
まず、理想というかコンセプトがある。それを具現化すべく、知恵と技術を結集し技術を創造していく。そんなやり方。
ハイドロニューマチックは、そんなシトロエンの理想主義が生んだ発明だった。

乗員が何人乗っていても、どんなに荷物を積んでも、常にクルマはフラットな姿勢を保ち、同じ乗り心地を保つ。
路面とシャシーはサスペンションによって隔絶されていて、20世紀の子どもたちがこぞって描いたエアカーのような。
テクノロジーに未来があり、クルマにも未来があった時代の話だ。

そういえば「サスペンション」という言葉には「宙に浮かせておく」といった意味もある。
シトロエンは、オイルとガスで、まさに宙に浮かせておくような仕掛けをクルマに作ったんだと思う。

価格

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故障経験
ただ、理想主義も行きすぎたことがたびたびあった。

一時期のシトロエンは、パワーウインドウの駆動からハンドル連動のヘッドライトなど、室内のあらゆるシステムを緑のオイルでまかなおうとした。緑の血が全身に行き渡った生命体のように。

でも、当時のクオリティコントロールでは限界があり、あちこちでオイル漏れを起こした。それはちょうど、よみがえった巨神兵が身体のあちこちから血を吹き出して倒れていく、ナウシカのワンシーンのよう。クルマのあちこちから緑のオイルを吹きだして絶えていくシトロエンのクルマが重なった。

そんな反省からか、BXのハイドロニューマチックはサスペンションの駆動とブレーキの油圧に限られ、パワーウインドウなどは一般的なシステムになっていた。

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