馬力とトルクの違いを教えて下さい

Answer 1

トルクとは回す（捻じる）力で、馬力とは出力です。何が違うかというと、具体的には下記のケースを考えれば理解しやすいと思います。

とある速度、とあるギアで3000rpmで回っているとします。この車を20（kg・m）のトルクで加速させるときの加速力を①とします。

①のときと同じ速度で、半分の力で回り、倍の回転となるギアで走るとすると、6000rpmで回っています。この車を15（kg・m）のトルクで加速させる加速力を②とします。

①と②の加速力はどちらが大きいかというと、ギアが半分の力で回せるので②の方が加速力が1.5倍大きいことになります。回す力＝トルクは少なくても②の方が加速がいい、これが出力＝馬力です。従って、馬力＝トルク×回転数×定数となります。

正確には、
トルク（Kg・m）×回転数（rpm）Ｘ 2π/(75Ｘ60)
トルク（Kg・m）×回転数（rpm）Ｘ 0.0013962…

となり、①の場合の馬力は
20×3000×2π/(75Ｘ60)=83.78馬力、

②の場合の馬力は
15×6000×2π/(75Ｘ60)=125.66馬力

と計算することができます。

質問者からのお礼コメント

お二人ありがとうございます
でも難しくて理解できませんでした

Answer 2

ここでは，「トルク」と「馬力」を説明し，さらにその「関係式」を示します。次によく言われる以下の2つを説明します。

★どうしてディーゼルエンジンの方が，トルクがあるのに，ガソリンエンジンの方が，馬力があるのか？

★低速トルクがあって加速が良いとは，どういう意味か？

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●トルクとは
遊園地のシーソーで、支点（中央）から離れるほど、小さいな体重でもシーソーを下に傾けることができます。つまりシーソーでのバランスは、下記のような「モーメント」で決まるわけです。

（モーメント）＝（支点から力の作用する点までの距離）×（力：上記の場合では体重）

「トルク」とは、この「モーメント」のことです。「力」に「距離」を掛けたものです。

●馬力とは
そのトルク（＝モーメント）がある時間内に何回転するかが馬力（出力）です。

モーメント（トルク）が大きいか、回転数が多いほど、馬力は大きくなります。

●式
排気量、トルク、馬力の関係は次のようになります。

（馬力）＝2π×（回転数）×（トルク）
（トルク）＝（正味平均有効圧力）×（排気量）×（爆発回数）／（2π）

ここで「正味平均有効圧力」とは、燃焼室内の平均的な圧力です。燃焼がより効率的で、この圧力が高いほど、トルクが大きくなります。

また「爆発回数」とは、出力軸1回転あたり、爆発（燃焼）が何回あるかということです。一般的な4サイクルエンジンでは、2回転に1回の燃焼なので、「0.5」になります。

●単位の例
トルク＝N（ニュートン：力の単位）×m（メートル）＝Nm（ニュートン・メートル）

これは、SI単位系です。従来の工学単位系であれば、「kgf・m（力の単位としてのkg、つまり重量kgとメートルの積）」

馬力＝W（ワット）＝J/s（エネルギの単位であるジュール／秒） ここで 1馬力＝735.5W

●ガソリンエンジンとディーゼルエンジン
例えば排気量が3Lの場合、ガソリンエンジンの最大トルクは30kgm（誤解がないときは、kgfmをkgmと記述）程度です。一方、ディーゼルエンジンの最大トルクは50kgmにもなります。

つまり同じ排気量であれば、ディーゼルの方がトルクが大きいことになります。理由は、「正味平均有効圧力」が、ディーゼルはガソリンの1.5倍以上あるからです。つまり燃焼室内の圧力が異なるため、同じ排気量でも、ディーゼルエンジンの方が、大きなトルクになるわけです。例えば、

ガソリンエンジンの平均有効圧力＝14bar（圧力の単位）
ディーゼルエンジンの平均有効圧力＝22bar

●どうしてディーゼルエンジンはトルクがあるのに，馬力ではガソリンエンジンに負けるのか？

ガソリンエンジン＝260馬力/6500rpm
ディーゼルエンジン＝200馬力/4000rpm

トルクを比較すると、ディーゼルの方が大きいのですが、馬力では逆転します。これは回転数が異なるからです。

ディーゼルエンジンは、燃焼室内圧力が高いため、頑丈な構造にします。このため回転数が高いと慣性力が大きくなります。高い慣性力に耐えるためには、さらに頑丈な構造が必要です。こうして回転数が高くできないのです。

●「このクルマは低速トルクがあって加速が良い」とはどういう意味か
加速の良さは、走行抵抗（厳密には、「走行抵抗馬力」）に対して，その時，発揮できる最大馬力の差（余裕馬力）が大きいほど，良くなります。ちょっと計算してみましょう。

・日産X-TRAIL（欧州仕様）
・ガソリン 2.0L， 2.5L そしてディーゼル2.0Lの3車種 （最大トルクを示しましょう）

ガソリン 2.0L ＝ 196Nm（4800rpm）
ガソリン 2.5L ＝ 233Nm（4400rpm）
ディーゼル 2.0L ＝ 360Nm（2000rpm）

・走行条件 40km/h（3速）からの全開加速での余裕馬力

ガソリン 2.0L ＝ 42.8馬力
ガソリン 2.5L ＝ 43.5馬力
ディーゼル 2.0L ＝ 77.8馬力

～ ディーゼル車の方が，ガソリン車より余裕馬力があります ＝ 加速が優れる

実際，0→100km/h時の加速時間を調べてみましょう

ガソリン 2.0L ＝ 11.1秒
ガソリン 2.5L ＝ 9.8秒
ディーゼル 2.0L ＝ 10.0秒 （ガソリン2.5Lに負けるのは，高回転が伸びないため）

となります。

→ 加速を決めるのは，余裕馬力です。低回転で，大きなトルクがあると，余裕馬力が大きくなるので，加速が良くなるわけです。

ちょっと数値が多くて恐縮いたしますが、ご参考になれば幸いです。