アウディ A3スポーツバック 「３気筒とは思えない上質コンパクト」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

３気筒とは思えない上質コンパクト

2021.10.29

年式

2021年5月〜モデル

総評

これまでの1.0L３気筒エンジンの印象を大きく覆すような、アウディらしい俊敏でしっかりとした走り、燃費のよさ、上質感がすべて手に入ることに感心。日本の道で扱いやすいサイズで、ファミリーユースもOKです。

満足している点

ステアリングホイールが従来のDシェイプ型から正円形に変更され、運転に慣れない人でも馴染みやすくなっています。ドライバー側に少し傾けて設置されるセンターコンソールやスイッチ類などもアウディの美点。

不満な点

標準装備のタイヤが17インチと、見た目のかっこよさを重視して大きめ。確かに高速走行の安定感はありますが、後席に人を乗せることが多いならば、16インチの方がしっくりくるのではないかと思います。

デザイン

5

より大きくなったグリルや先進的なヘッドライトで車格がアップしたようなフロントマスク。サイドにはエッジの効いたラインが個性的な表情を見せています。今にも走り出しそうなスタイリングは躍動的で素敵です。

走行性能

4

1.0L３気筒のマイルドハイブリッドでも驚くほど上質で鋭く軽快でよく走る印象。３気筒だとわかるような振動や音はまったくないのが見事です。目一杯踏み込むと、反応がやや遅い場面もあるものの、伸びのよさも爽快です。

乗り心地

4

リヤサスペンションがマルチリンクではなくトーションビーム式に変更されている30TFSIは、荒れた道でややゴツゴツとする場面もありましたが、おおむねスッキリとした乗り心地。もう少ししっとり感が欲しいところです。

積載性

3

後席使用時の容量は380Lなので合格点というところですが、バックゲートの傾斜がきついため背の高い荷物が積みにくいです。後席が４：２：４で前倒しできるのは便利で、全部倒すと1200Lに拡大します。

燃費

4

隙あらばエンジンを止めてコースティングして燃費を稼ぐマネージメントが見事。空走感がありつつどこで止まって再始動しているのか気づかないほどなめらか。WLTCモードは17.9km/Lで実用燃費も良さそうです。

価格

5

300万円台前半からラインアップする30TFSIはお買い得感があります。40TFSIになると一気に100万円以上アップしちゃいますが、クワトロなので走りの重厚感や上質感もアップ。30TFSIでも十分に魅力的です。