アルピーヌ A110 「A110 ≒ 源義経」のユーザーレビュー

JJB007 JJB007さん

アルピーヌ A110

グレード:A110 GT_RHD(DCT_1.8) 2023年式

乗車形式:マイカー

評価

5

走行性能
5
乗り心地
5
燃費
5
デザイン
5
積載性
1
価格
5

A110 ≒ 源義経

2024.4.27

総評
不満な点、短所を鑑みれば、どう考えても価格に見合わない一方で、満足している点に目を向ければ、まさにプライスレス! ちょっとしたお出かけ程度でも、運転する度に味わえる高揚感、そして、乗らずに眺めているだけでも得られる満足感。毎日を非日常に変えたいなら、お勧め度★★★★★★★です。

私が思うに「A110 ≒ 源義経」。
というのは、一ノ谷の戦いで崖を下って平家軍に奇襲をかけて大勝利、また、屋島の戦いでは暴風雨の中で、油断していた平家の軍勢の背後を攻めかかって大勝利という戦術の天才、源義経。その幼名は牛若丸。京都五条大橋で弁慶と出会った際、橋の欄干をひらりひらりと飛び交ったという様子を、クルマに例えるなら、まさに、ワインディングロードを駆け抜けるA110だとイメージするからです。
そして、ICEモデルとしては現行限りで終焉を迎えそうなA110は、若くしてこの世を去った悲運の名将、源義経の生き写し。源義経はモンゴルに渡ってチンギスハーンとなったという伝説がありますが、それよりも、フランスのディエップ工場でクルマとして生まれ変わった。。。という説を個人的には強く推しています。

※源義経ゆかりの地である奥州平泉の近辺をドライブしながら、思ったこと、感じたことをレビューとしてまとめてみました。なお、愛車のGTグレードに関してのものです。念のため。

満足している点
試乗の際、一目見て、無駄のない機能美を追求しつつ、ビューティフル、かつコケティッシュなスタイリングに惚れこみました。乗ってみると、意のままに反応してくれる、素直でナチュラルなハンドリングに酔いしれてしまいました。そして、アクセルの踏み加減に即応するターボ車とは思えないほどレスポンスが良いエンジンフィールが身体の隅々にまで行き渡っていきました。同時に、ボォッ、ボォッと放たれるエンジンの息づかいと自分の鼓動がシンクロし始め、否応なしにテンションが上がっていきました。さらに、パドルシフトでギアを落とせば、バリッバリッと威勢のいいバブリング音が容赦なく耳に入り、聴覚をも刺激しました。

で、即、発注しました。
待つこと8ヵ月
愛車となってからは、見る度、乗る度に脳内にドーパミンが溢れ、この上ない幸福感を味わっています。

不満な点
典型的な尺度で捉えれば、下記のように不満な点というより、購入を見送る決定打となりかねない短所が幾つかあります。
・二人しか乗れません。。。
・グローブボックスやドアポケットが無いことをはじめ、室内に小物を置くスペースが限られています。
・後部トランクには、ゴルフバッグはもちろん、スーツケースさえ入りません。
・ADASといった運転支援システムは未装備です。ブラインドスポットモニターも付いていません。くわえて、ルームミラーは狭い範囲しか映りません。

オーナーとしては、上記の短所も分かった上で購入したわけですから、不満だとは感じていません。
デザイン

5

全体のシルエットは、スポーツカーライクですが、エッジが効いたラインがほとんど入ってなく、受ける印象はエレガントです。フロントの丸目4灯風の処理、リアの尻下がりのラインは先代のA110を彷彿とさせますし、ウィンカーランプがサイドミラーではなく、サイドパネルに付いているものクラシカルな印象を強めていると思います。懐かしさを感じるデザインです。きっとタイムレスだと思います。旧車を愛でてみたいという気持ちはあるものの、メカ音痴で、かつ忍耐力もない自分には無理だと諦めているのですが、このクルマなら、ちょっとだけノスタルジックな雰囲気に包まれる感じがします。


内装についてふれると、パッと見はスタイリッシュで、シートのフォルム、ならびにステッチの入れ方はオシャレだと思います。私の愛車のブラウン内装は、それ自体が絶妙な色合いだし、外装色の濃紺(ブルーアビス)とのコントラストがとっても映えます。また、走行モードごとに切り替わるメーターは遊び心があります。ただし、革の手触りやプラスチッキーなスイッチ類は、車両価格に見合った質感だとはいえません。

走行性能

5

パワー感は十分以上で、どの速度域からでも、アクセルを踏むと、即座に早さを感じます。自分の愛車の中で比較すると、DB11の608psは怖い早さですが、A110の300psは気持ち良い早さです。

エンジン:1.8リッター直4 DOHC 16バルブ ターボ
最高出力:300PS(221kW)/6300rpm 最大トルク:340N・m(34.6kgf・m)/2400rpm
トランスミッション:7段DCT

ハンドル操作は軽く、スムーズです。まさに、源義経(牛若丸)の動きのように“ひらりひらり”です。ちょっとした曲がり道でも、ノーズが進路に向けてスッと入っていく感覚を堪能できます。首都高のコーナーでは、ハンドルを切ってもロールが少なく、姿勢が安定していて運転が上手くなったのではという錯覚を覚えます。とにかく、すごく楽しいです。
あと、渋滞路では、Dレンジに入れっぱなしでも、走行中に4→3速、3→2速へのシフトダウンが早く、エンジンブレーキがいい塩梅で効きます。フットブレーキを多用せずとも走れるため、楽に運転しやすいです。ただし、積極的にシフトチェンジしようとすると、パドルシフトの長さが下方に足りず、手元の操作性は今ひとつです。



エアコンや電装系は、最低限の機能しか付いていないので、かえって戸惑うことが少ないです。そのような中、オーディオの音量を、ハンドル奥のウィンカーレバーのようなアイテムで調節するのは、初めての経験でした。また、中央のタッチパネルは周囲の黒フチが大きく、PCに例えると何世代も前の遺物のような外観になっています。オプションでパイオニアのナビを装着しましたが、操作はごく自然に行えるものの、画面は7型で小さく、老眼にはキツイです。

なお、キーレスエントリーではなく、手元で鍵を操作してドアロックの施錠・開錠をしなければなりません。これは、イマドキのクルマに慣れてしまった自分は面倒に感じました。くわえて、助手席にあるスロットに鍵を刺さないとエンジンがかかりません。こちらの点は、VH時代(DB9や先代DBS、ヴァンテージとかのモデル)のアストンマーティンのようで、儀式としては好ましいです。昔は鍵を刺して回していたんだし。言っていることが矛盾していますね。アンビバレントな男心を分かってください(笑)

扱いやすさでは、サイズが小さいため、狭い道を走る時に楽、どこかに出かけた折に停める駐車場のサイズを選ばないといったメリットがあります。Eyeポイントはかなり低いのですが、ボンネットも低いので、前方の見切りは悪くありません。ただし、サイドミラーとルームミラーに映る範囲が狭い上、ブラインドスポットモニターが付いていないので、側面と後方の状況把握はやや難儀します。車線変更や合流の際、かなり早めにウィンカーを出すなどの気遣いが必要です。また、最小回転半径が大きく(5.8m)、車庫入れの際の取り回しは今ひとつです。

ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4205×1800×1250mm ホイールベース:2420mm
車重:1130kg


乗り心地

5

硬めっていうか、はっきりと硬いです。ユピテルのドラレコを装着しているのですが、高速道路の継ぎ目などで、頻繁に衝撃感知センサーが働いて、イベント録画を開始します、同型式のドラレコを装着しているDB11に比べて、感覚的には5倍以上の頻度です。

振動に関しては、荒い道ではサスペンションが敏感に反応するので、その観点ではけっこうありますが、アルミのボディはそんなにヤワではないようで、ボディ自体が振動している感じはしません。

静粛性ついては、エンジン音がよく聞こえます。これは、そういう設定だと思うので、むしろ好ましいです。背後から聞こえるエンジン音が、私にとっては新鮮です。あと、ガラスが薄めらしいし、遮音材もあまり使ってないと思うのですが、その割には、ロードノイズなどエンジン以外の音は気になるような大きさではありません。

積載性

1

このクルマにとって、積載性は考慮外だと思うのですが、2泊3日程度でドライブに行ったりすることがあるので、実際に試してみました。フロントラゲッジには、グローブトロッターの20インチサイズ(55cm×42cm×18cm:機内持ち込みサイズでは最大)が、ほぼピッタリが入ります。ボンネットフードも閉められます。しかし、リアトランクには、そもそも入りません。ベンツのディーラーで頂戴したスーツケースは少し小ぶりなので、入ることは入るのですが、トランクリッドが閉められません。


室内の積載性は、不満な点に書いた通りですが、シートの後ろに少しすき間があり、ビジネス用のブリーフケースくらいなら挟み込めます。
燃費

5

燃費は、今回の埼玉から奥州平泉間の往復1,100㌔で測ると、メーターの表示上では100㌔走るためには6.5㍑のガソリンが必要=つまり、15.4㌔/㍑でした。高速道路が多く、平均車速は63.8㌔です。好条件下という注釈付きですが、カタログ燃費(WLTCモード)の14.7㌔/㍑を上回りました。

価格

5

2023年7月末の発注時、GTグレードのエッセンシャルパッケージで、大台を突破しました(諸費用込み)。その後、すぐに100万円ほど値上がりました。それからまた上がったかな。2018年の日本での発売開始の頃からすると、グレードにもよりますが、300万円くらい上がったようです。為替の影響とかもあるとはいえ、金型や設備の減価償却などにより、損益分岐点は下がっているのではと思うのですが。
リセールについて考えてみると、まず、ジャーナリストやクルマ好きの面々の評判は概ね上々で、イメージ上の人気ぶりはかなり高いはずです。こういった評判の高さは今後も変わらないと思います。しかし、使い勝手などの諸条件を考えると、リアルに購入を視野に入れている一般ユーザーは一部に留まると思われます。それでも、中古車市場に出回っているタマ数が多くないせいで、今のところ、高値安定側に振れているようです。これからを推測すると、不具合の多さと、アフターサービスの充実度の低さについて、ネットの声を聞く限り耐え難いほどなので、いかにデキが良いクルマとはいえ、マーケットでは敬遠されていくことが懸念されます。だったら、終のクルマとして乗り潰したいところですが、視認性の悪さや安全装備のプアさを考えると、そうはいかないかもしれません。でも、頑張ります。身体能力の維持に努め、乗り続けようと思っています。

故障経験
納車後40日、2,600㌔走行時点で、故障はしていません。ですが、納車段階で、助手席のシートベルトが捻じれて付いていました。上手く表現できませんが、ベルトが半回転していてまっすぐにならないのです。DB11も納車時に同じ不具合がありました。機能的には問題ありませんが、視覚的には気になります。購入場所のアルピーヌディーラーの場合は3か月点検とやらがあるそうなので、治してもらうことになっています。ちなみに、ジャガーXFの時はTVの配線ミス、ジャガーXJの時は2本出しマフラーの左右の高さが違う、アルファロメオ・トナーレではメーター内表示の不良という不具合が納車時にありました。「最終検査はどうなっているんだろう?」と思わせるインシデントです。これが走行系に関わる見落としだったとしたらと思うとゾッとします。この辺りが、日本車やドイツ車は極少なのでしょう。英・伊・仏のクルマを購入する場合、若干のギャンブル性を伴いますが、それも含めたカオス(無秩序・理解不能・滅茶苦茶)こそが魅力だと感じてしまう私は変態でしょうか? 


ちなみに、私は今まで走行系の不具合や故障は未体験です。。。

下記のリンクから「みんカラ」に遷移して、違反報告ができます。

「みんカラ」から、違反報告をする

アルピーヌ A110 新型・現行モデル

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

※ 掲載しているすべての情報について保証をいたしかねます。新車価格は発売時の価格のため、掲載価格と実際の価格が異なる場合があります。詳細は、メーカーまたは取扱販売店にてお問い合わせください。

ユーザーレビューを投稿する

ユーザーレビューを投稿する

※自動車SNSサイト「みんカラ」に遷移します。
みんカラに登録して投稿すると、carview!にも表示されます。

ログイン

中古車探しをもっと便利に

  • 中古車お気に入り管理
  • おすすめ中古車の表示
carview!の最新情報をチェック!
Facebook
carview!公式Facebook
最新のクルマ情報をお届けするcarview!オフィシャルページ(外部サイト)

carview!公式X(旧Twitter)
carview!の中の人がクルマ情報をポストする公式アカウント(外部サイト)

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離