PHEVのEV航続距離は93kmと十分なスペック
「トヨタ ハリアー」が9月に商品改良を発表しました。先進安全機能である「トヨタセーフティセンス」の歩行者検知機能を向上させたり、12.3インチのディスプレイオーディオを採用したりと、商品力が上がっていますが、注目はプラグインハイブリッド(PHEV)を新設定したことです。
しかも、プラグインハイブリッドであることをアピールせず、最上級グレード「Z」のいちバリエーションとして追加。パワートレインは非プラグインのハイブリッド仕様と基本的に同じ2.5Lエンジン+モーターでフロントを駆動、リヤは専用モーターで駆動するというE-Fourシステム(4WD)を採用しています。
RAV4が改良でフルデジタルメーター装備、PHVはZグレードに改名。先進機能追加や値上げ情報も
エンジンと前後モーターがフルパフォーマンスを発揮したときのシステム最高出力は225kW(306PS)。外部充電により93kmを走るというスペックはPHEVとして十分なもの。バッテリー総電力量は18.1kWhと発表されています。
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プラグインハイブリッド同士だとハリアーはRAV4の1割増し
このスペックに見覚えがあるという人も多いかもしれません。システム最高出力とバッテリー総電力量はトヨタの同クラスSUVであるRAV4に設定されているプラグインハイブリッドと同じものとなっています。
半導体不足が顕在化する以前ですら、納期が年単位といわれるほど人気を集めた「RAV4 PHV」の価格帯は469万円~539万円だったことを思うと、ハリアーに設定されたプラグインハイブリッドが620万円という設定なのは、いかにも高価に思えます。
もっとも、RAV4も10月4日に商品改良を受け、最上級グレード「Z」のバリエーションとしてプラグインハイブリッドを用意するというラインナップに変わりました。新生RAV4プラグインハイブリッドの価格は563万3000円ですから、ハリアー・プラグインハイブリッドとの価格差は、約57万円。つまり1割増しということになります。
内外装のプレミアムな仕上げを考えれば、RAV4とハリアーのプラグインハイブリッドにおける価格差は妥当といえそうです。
ところで、ハリアーのハイブリッド4WDグレードの価格帯は、393万8000円~514万8000円で、プラグインはそのもっとも高価なグレードと比べて100万円以上高くなっていますが、非プラグインのハイブリッドはリヤに駆動モーターをもつ4WDであってもシステム最高出力は163kW(222PS)、プラグインは306PSで84馬力も大きいことを考えれば、むしろコスパはいいといえるかもしれません。
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PHEVとほぼ同予算でランクル300のガソリンモデルも狙える
ところで620万円という予算で狙えるSUVには、どのようなものがあるのでしょうか。トヨタでいえば、「ランドクルーザー 300」の3.5L ガソリンターボの中間グレード「VX」が630万円なので予算感としては近いものがあります。もっとも、プラグインハイブリッドと本格クロカン4WDを横並びに比較するユーザーは少ないかもしれません。
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価格やキャラクターでライバルとなるのはCX-60
その意味では、価格帯とキャラクターが似ているのは「マツダ CX-60」でしょうか。新設計プラットフォームはエンジン縦置きのFRベースというのはハリアーとは異なりますが、2.5Lエンジンのプラグインハイブリッドという点では比較されてしかるべきライバルです。CX-60 PHEVの価格帯は、539万円~626万4500円。最上級グレードで見れば、価格的にもガチンコです。
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CX-60のプラグインハイブリッドについては、原稿執筆時点でEVモードでの航続距離やハイブリッド燃費など正式発表されていないスペックもありますので、コストパフォーマンスとして比較をするのは難しいのですが、車格的にはCX-60のほうが買い得感はありそうというが、現時点での印象です。ハリアーとCX-60のプラグインハイブリッドで迷うというユーザーは、これから増えていくのかもしれません。
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文:山本晋也
写真:
1~3枚目:ハリアー Z プラグインハイブリッド
4枚目:ハリアー Z ハイブリッドモデル
5枚目:トヨタ ランドクルーザー300 VX
6枚目:トヨタ RAV4 Z プラグインハイブリッド
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