その姿はまさに未来のクルマ! 窓がないスパルタモデルをご紹介
クルマというのはドアを開けて乗り込んで、フロントウインドウ越しに前方を見ながら運転するというのが普通だ。しかし、なかにはあって当然の窓やらドアやら屋根やらがないモデルが存在する。ここではそんな普通じゃないクルマたちを紹介しよう。
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1)マクラーレン・エルバ
2021年、日本に上陸したオープンモデルが「マクラーレン・エルバ」。ワールドプレミアから話題になっていたため、いまさら説明するまでもないだろう。マクラーレンオートモーティブが、そのブランドルーツであるブルース・マクラーレンの製作したマシンにインスパイアを得て生み出したオープン2シーターのレーシーなモデルである。
なにがレーシーかって、マクラーレン・エルバにはフロントウインドウがない。サイドウインドウもなく、キャビンは完全にむき出しになっている。
ただし、エルバには「アクティブ・エア・マネージメント・システム(AAMS)」という世界初の技術が採用されている。これはフロントから取り込んだ空気を利用して、キャビンを包み込むようなゾーンを作り出すものだ。つまりフルオープンでありながら、ドライバーとパッセンジャーのために乱気流が一切ない空間を生み出すのである。超スパルタンなルックスだが、けっして快適性を無視しているわけではない。
なお、エルバのミッドシップに搭載されるパワーユニットは4リッターV8ツインターボで最高出力815馬力、ボディはシャシーからカウルまでカーボン製、ドアはマクラーレン独自の斜めに跳ね上がるディヘドラルドアという本物のスーパースポーツだ。
2)ルノースポール・スピダー
フロントウインドウのかわりに空気の流れを利用しようというアイディアはマクラーレン・エルバが初めてというわけではない。イタフラ好きなら覚えているだろう、1990年代に日本にも少数が輸入されたルノースポール・スピダーの初期型にはフロントウインドウがなく、そのかわりに空気をキャビンの上に逃がす「エアロスクリーン」が備わっていた。
そして、スピダーもシザースドアを採用したミッドシップマシンだった。エンジンは2リッターの直列4気筒を横置きに搭載、自然吸気のため最高出力は150馬力にとどまっていた。チューニング次第では250馬力までパワーアップできたともいうが、もともとがワンメイクレース用マシンで、そのストリートバージョンという位置づけのためハイパフォーマンスを追求したわけではなかった。
ちなみに、日本ではスーパーGTにGT300クラスからエントリーしたこともあった。
これ公道走れるの!? とまで思わせる過激なモデルも登場!
3)ロータス 3-ELEVEN (スリーイレブン)
さて、マクラーレン・エルバ、ルノースポール・スピダーともに、じつはフロントウインドウが備わる仕様が用意されている。しかし、次に紹介するロータス3-ELEVEN(スリーイレブン)にはフロントウインドウどころかドアさえも存在しないスパルタンなライトウェイトスポーツカーだ。
ロータス3-ELEVENのルーツとなっているのが、2-ELEVEN(ツーイレブン)で、こちらはロータス・エリーゼのサーキット仕様として企画された車両がベース。それに最低限の保安部品をつけて公道バージョンとしてリリースしてしまうのは、いかにもロータスらしい。
その2-ELEVENのパワートレインは、トヨタ製1.8リッターエンジンにスーパーチャージャー(最高出力255馬力)を組み合わせたものだった。さらに3-ELEVENでは3.5リッターV6スーパーチャージャーを搭載。こちらの最高出力は公道走行可能な仕様でも416馬力、このハイパワーで925kgという超軽量ボディに搭載しているのだから、むき出しのキャビンでなくとも並みのドライバーでは恐怖におののくのは間違いない。
4)光岡ゼロワン
さて、ロータスという名前から「スーパー7」というライトウェイトスポーツカーを思い浮かべる人も多いだろうが、その日本版として生まれたのが光岡ゼロワンだ。1.8リッターエンジンなどのメカニズムは当時のマツダ・ロードスターを利用しているが、このゼロワンによって光岡は型式認定を受けた日本で10番目の自動車メーカーとなった。
ロータス・スーパー7と異なるのは、四輪ダブルウイッシュボーンであることで、SRSエアバッグを備えるなど十分な安全意識もあったが、標準状態ではルーフはなく、見ての通りドアもなかった。
さらにゼロワンをベースとした「クラシック・タイプF」は、より懐古的な光岡独自のルックスを実現。
こちらも2000年まで生産されていたが、エレガントなイメージに反して、ドアはなく、もちろんルーフもないスパルタンな仕様となっていた。
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