トヨタ・ノア/ヴォクシー 、ホンダ・ステップワゴン、そして日産セレナといえば、SUVやコンパクトカーが全盛の現代であっても、根強いファンを持つミドルクラスミニバンのロングセラーモデルです。1996年に発売された初代ステップワゴンがこのジャンルを切りひらいて以来、各メーカーによる激しい競争が行われてきました。今回は、ノア/ヴォクシーとステップワゴンとセレナという4モデルの現状を分析しつつ、比較してみたいと思います。
●熾烈な販売競争を繰り広げてきたミドルクラスミニバン
四角いボディと背の高さで運転もしやすく、ミニバンブームの開拓者となったステップワゴンをはじめ、5ナンバーながら左右スライドドアの3列シートを持ち、8人乗りで広い室内と低床フロアを実現したノア/ヴォクシー、世界初のスライドドアパワーウインドウの採用を始め、特徴的なモデルだったセレナなど、積載性や居住性に優れ、サイズや価格も手ごろなミドルクラスのミニバンは、これまで壮絶な販売競争を繰り広げてきてきました。
それぞれ、ノア/ヴォクシーとステップワゴンは2022年、セレナは2016年に現行型へのフルモデルチェンジを果たしています。セレナのみ発売から少し時間が経過していますが、まもなくフルモデルチェンジするとの噂もあります。
今回は、燃費性能、デザイン、そして使い勝手にフォーカスして3車を比較してみたいと思います。
●燃費性能ではノア/ヴォクシーが一歩リード
まずはファミリーカーだからこそ気になる燃費性能について見てみましょう。
カタログ燃費(WLTCモード)を見ると、ノア/ヴォクシーが15.0km/L、ハイブリッド車では23.0km/Lとなっています。ステップワゴンについては、ハイブリッド車が20.0km/L、ガソリン車が13.9km/Lとなっており、セレナではハイブリッド車である「e-POWER」18.0km/L、スマートシンプルハイブリッド搭載モデルは13.2km/Lとなっています。
このように見ると、燃費性能ではノア/ヴォクシーに分があると言えそうです。ただ、ノア/ヴォクシーが街乗りでの燃費性能に優れているのに対し、ステップワゴンに搭載されるハイブリッドシステム「e:HEV」は、高速走行時の燃費性能にも優れていることから、日常的に高速走行をすることが多い場合には、実際の燃費は逆転する可能性もあります。
セレナの燃費性能はライバルに比べてやや劣りますが、ここは今後のフルモデルチェンジで改善が期待される部分と言えます。
●デザインコンセプトは大きく異なる3車
デザイン面では、それぞれの個性が光ります。
「上質かつロングラスティングなスタイルを追求」したというノアのデザインは、言葉通り、女性を意識した飽きのこないものになっています。一方、ノアにはメッキプレートを大胆にあしらったエアロパーツをまとったグレードも用意されており、ワンランク上の華やかさを目指したい人にもオススメです。
一方のヴォクシーは、代名詞とも言える「オラオラ顔」にさらに磨きが掛けられ、大きなグリルと特徴的なデザインのフロントランプがアグレッシブな印象を与えています。基本的な性能や機能はノアとヴォクシーで共通していますが、フロントマスクをはじめとするエクステリアデザインで大きく差別化が図られています。
対するステップワゴンは、シンプルかつクリーンなイメージのものとなっています。特に、新設定されたグレード「エアー」では、細いメッキモールが随所に使用されており、さりげない上質感を演出しています。エアロパーツをまとったグレードである「スパーダ」と「スパーダ プレミアムライン」については、ワイドかつ重厚なフロントグリルがあしらわれているほか、ボディ下部を取り囲むように配置されたダーククロームメッキモールが、力強さと品格を表現していますが、あくまでも上質感が重視されたデザインとなっています。
そしてセレナは、日産のキャラクターアイコンである「Vモーショングリル」をさらに拡大させた、「ダブルVモーショングリル」が採用され、よりアグレッシブな印象となっています。ただし、全体的に見れば、セレナのデザインは少し古臭さを感じるものであることは否めません。ここも、フルモデルチェンジによって、日産の新型EVであるアリアのような、先進的なデザインへと生まれ変わることを期待しましょう。
このように、フロントマスクを中心とするエクステリアデザインには、それぞれ大きな方向性の違いがあります。
●室内の広さならセレナがまだまだ有利!
使い勝手も、ミニバンの非常に重要な要素です。
元々使い勝手の良さには定評のあったノア/ヴォクシーですが、新型ではさらに進化しています。特に、2列目シートの快適性は大きく向上しており、7人乗り仕様ではクラス初となるオットマン&シートヒーター、そして折りたたみ式大型サイドテーブルなどを装備したキャプテンシートが採用されています。
このキャプテンシートは、最大74.5cmものスライドが可能であるという点も魅力ですが、細かな操作の必要がなく、直接前後にスライドさせられるというシンプルな操作性が、先代と比べて大きな利点となっています。また、ノア/ヴォクシーのセカンドシート中央部にはドリンクホルダーとUSBポートが2つ備わるなど、2列目の使い勝手はトップクラスとなっています。
一方のステップワゴンは、よりファミリー層に特化した使い勝手の良さが魅力です。例えば、3列目シートを床下に格納することで、フラットかつ広大なラゲッジルームを生み出すことが可能です。このラゲッジルームには、ベビーカーを折りたたむことなく積むことができ、子育て世代の人にはうれしいポイントです。
また、シートには撥水・撥油機能を持ったファブテクト素材が採用されているほか、2列目シートは前方にロングスライドができるため、運転席や助手席からでも、2列目に座った子どもと簡単にコミュニケーションをとることができます。
そしてセレナの魅力は、クラストップの室内空間の広さにあります。3240mmという室内長と1545mmという室内幅は、大型ミニバンのアルファードに匹敵するほどであり、ライバルに比べてゆったりと乗車できます。
また、フルオープンできるバックドアに加え、バックドアの上部だけでも開閉することができるため、狭いスペースでも荷物の積み下ろしが簡単にできることも魅力です。さらに、キーをバッグやポケットに入れたままでも、スライドドアの下に足先を入れることでドアを自動開閉させることのできる「ハンズフリーオートスライドドア」も、セレナはいち早く採用していました。
セレナの使い勝手の良さは折り紙付きであり、モデル末期となっている現在でもライバルとじゅうぶんわたりあえるものとなっています。
●セレナのフルモデルチェンジで競争はさらに激化?
以上のように、一口にミニバンと言ってもその特徴はさまざまです。今回紹介した3車では、セレナの古さが際立つ部分もありましたが、逆に言えば、フルモデルチェンジによって大きく進化する余地を残しているということでもあります。もし、噂通り2022年にセレナがフルモデルチェンジを果たせば、ミニバン競争はさらに激化していくことは間違いありません。
文:ピーコックブルー
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