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「高級」SUVへ仲間入り ランドローバー・ディフェンダー 130 長期テスト(1) 全長5.4mは日常に馴染む?

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「高級」SUVへ仲間入り ランドローバー・ディフェンダー 130 長期テスト(1) 全長5.4mは日常に馴染む?

ランドローバーの3本柱を構成する1台

英国編集部に、フォード・レンジャー・ラプターに負けないくらい大きなオフローダーがやってきた。ランドローバーのラインナップで、最もタフなディフェンダーだ。しかも、最長の130が。

【画像】高級SUVへ仲間入り ランドローバー・ディフェンダー 90から110 クラシックな初代も 全114枚

現行型の登場は2020年。ディスカバリーとレンジローバーに並ぶ、同ブランドの3本柱の重要な1本を構成し、堅調に人気を維持している。

ディフェンダー 130のホイールベースは、110と同じ3022mm。だがリアのオーバーハングが340mm伸ばされている。ディパーチャー・アングルの影響を最小限にするため、ボディの下回りの形状にも手が加えられている。

そもそも大きなディフェンダーだが、130の全長はスペアタイヤを含まない状態で5099mm。通常はそれを背負っているから、5358mmになる。

そのかわり車内空間は広大で、ディフェンダーでは唯一、3列シートの指定も可能。ただし英国の場合、定員が9名になると普通車扱いではなくなるため、前席中央のジャンプシートは希望できない。定員は8名になる。

AUTOCARを以前からお読みいただいているなら、ディフェンダー 90が長期テストに加わっていたことをご記憶かもしれない。自らコンフィギュレータを操作し、ダークブルーのボディに、ホワイトのルーフとスチールホイールでコーディネートした。

今回は、ランドローバー側が仕様を決めた。アウトバウンドと呼ばれるトリムグレードで、エンジンは3.0L 直列6気筒ディーゼルターボ。マイルド・ハイブリッドで、300psを発揮するD300だ。

積載量が優先された2列シート オプション満載

身近なグレードとして、X-ダイナミックSEも用意されているが、アウトバウンドは上級側。ホイールはグロスブラックのアルミで、車内にはラバーマットが広範囲に敷かれている。ボディと同色に塗られた化粧トリムがおしゃれだ。

そしてアウトバウンドは、積載量が優先されている。3列目のシートはなく、定員は5名。荷室は、通常の3列シートの130なら400Lとさほど大きくないが、2列シートのこちらは1329L。後部座席を折りたためば、2516Lへ拡大する。

フットサルチームのマネージャーなら、3列シートの方が便利だと思う。でも、筆者は観戦専門だから問題ない。他方、ラバーマットはありがたい。泥まみれの干し草も、気兼ねなく載せられる。

オプションは複数載っている。上質なレザーシートは920ポンド(約18万8000円)で、プレミアム・インテリアが2275ポンド(約46万4000円)、牽引パッケージは1415ポンド(約28万9000円)する。

1020ポンド(約20万8000円)の電子制御アクティブ・リアディファレンシャルも付いている。3年間のサブスクサービスとして、盗難防止トラッカーも530ポンド(約10万8000円)で実装されている。

オシの強いグレーのボディカラーは1800ポンド(約36万7000円)だが、そこにサテンの保護フィルムが貼られており、こちらは4000ポンド(約81万6000円)!。かくして、長期テスト車のお値段は、9万6745ポンド(約1974万円)だった。

高級SUVの仲間入りを果たしたディフェンダー

新しいディフェンダーが登場した時、商用車仕様の90なら、約3万5000ポンドで購入できた。だが、現在は5万7000ポンド(約1163万円)へ上昇している。これはランドローバーに限ったことではなく、新車価格も含め、物価が恐ろしく高騰したことを実感する。

またディフェンダーは、高級車としてみなされるようになった。上流階級は、V8エンジンを喜んで指定しているようだ。

少し話は逸れたが、大きく重いボディにも関わらず、ディフェンダー 130は今のところ筆者の日常に馴染んでいる。オフロード走行はこれからだが、大きなステーションワゴンとして活躍している。

悪天候下でも運転席からの視界は良好で、シートはゆったりしていて座り心地が良い。運転姿勢もリラックスできる。外界との隔離性は素晴らしく、走りは安定している。高速道路も得意分野だ。

燃費は、気張らずに郊外の道を運転すれば、14.2km/L程度は得られる。21世紀が始まった頃は、小さなハッチバックのみが叶えられた効率といえる。

駐車は簡単ではないが、どんなクルマでもロンドンの駐車場が広く感じられないことは間違いない。テールゲートから突き出たスペアタイヤに気をつけなければならないが、バックカメラがある。ディフェンダー 130には、運転を助ける機能が複数備わる。

これからの長期テストで、日常との親和性を掘り下げてみたい。

セカンドオピニオン

グレートブリテン島には沢山のディフェンダーが走っているが、以前の長期テスト車だった90は、これまで筆者が目にしてきた中でベストの仕様だと思う。今でも、あのクルマは懐かしい。アクセスしにくく狭い荷室は、唯一の弱点といえたが。

大幅に長い130は、どんな発見を与えてくれるだろうか。先代へ通じる魅力を感じ取れるのか、興味が湧いてくる。 マーク・ティショー(Mark Tisshaw)

テストデータ

テスト車について

モデル名:ランドローバー・ディフェンダー 130 D300 アウトバウンド(英国仕様)
新車価格:8万390ポンド(約1640万円)
テスト車の価格:9万6745ポンド(約1974万円)

オプション装備

サテンフィルム:4000ポンド(約81万6000円)
プレミアム・インテリアパッケージ:2275ポンド(約46万4000円)
牽引パッケージ:1415ポンド(約28万9000円)
ドライバーアシスト・パッケージ:1175ポンド(約24万円)
ヘッドアップ:ディスプレイ:1080ポンド(約22万円)
電子制御アクティブ・リアディファレンシャル:1020ポンド(約20万8000円)
レザー・アップグレード:920ポンド(約18万8000円)
コンフォート&コンビニエンス・パッケージ:800ポンド(約16万3000円)
マトリックスヘッドライト:760ポンド(約15万5000円)
盗難防止トラッカー:530ポンド(約10万8000円)
寒冷地仕様パッケージ:260ポンド(約5万3000円)
UVカット・ラミネート・フロントガラス:220ポンド(約4万5000円)
電源コンセント:100ポンド(約2万1000円)

テストの記録

燃費:11.4km/L(WLTP値)
故障:なし
出費:なし

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