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スペーシア シリーズの最新モデル「ギア」に試乗しながら、シリーズ全体の人気動向などを考察する

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スペーシア シリーズの最新モデル「ギア」に試乗しながら、シリーズ全体の人気動向などを考察する

スズキのスーパーハイト軽、スペーシアスペーシアカスタムが3代目にフルモデルチェンジされたのが2023年11月。2024年9月にはスペーシアギアも追加設定された。そこで最新モデルのスペーシアギアに試乗しつつ、スペーシア シリーズの人気動向などを探ってみた。

新型でも継承された、スペーシアギア「らしさ」
スーパーハイト軽にクロスオーバーテイストを加えたモデルは、2018年に発表された初代スペーシアギアが最初だった。以来、タント ファンクロスやデリカミニなど、競合車種が登場。ついにホンダからもN-BOXジョイなるモデルが登場した。現行型スペーシア シリーズの登場時から「ギアも出ます」とはアナウンスされていたが、待つこと約9カ月、待望の新型スペーシアギアが登場したので、まずは試乗してみることにした。

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標準車(以下、ノーマル)やカスタムとボディパネルは共通なものの、丸目ヘッドランプやメッキブロックのグリル、専用バンパーや前後スキッドプレートなどで大きく差別化され、SUVテイストも十分に漂わせている。その「無骨かわいい」デザインは、「ノーマルではおとなしすぎるし、カスタムはオラオラに見えるし…」と思われてスペーシアの購入で悩んでいた人には、格好のモデルかもしれない。

インテリアも基本デザインはノーマルやカスタムと共通だが、ブラック基調でカーキグリーンをアクセントに用いたり、専用のシート表皮もいい雰囲気だ。もちろん、マルチユースフラップ付きのリアシートや多彩なシートアレンジ、そしてスズキセーフティサポートなど、安全&快適装備はシリーズの他モデルと変わらず充実している。

試乗車は2WD(FF)のターボ車。走り出してしまうと、基本的な走りっぷりは他のスペーシアと変わらない。ターボエンジンは低速域から十分にトルクフルで、おとなしめに加速していっても十分に速い。逆に追い越し加速などでアクセルペダルを目いっぱい踏むとCVT特有のラバーバンド フィールで速度よりも先にエンジン回転数が上がってしまうが、これはどのCVT車でも変わらない症状だ。

市街地でも高速でも、乗り味はけっこう快適。前後とも室内は広いし、ACC(アダプティブ クルーズコントロール)の作動は適切で、高速走行でもノイズは抑えられている。市街地走行では、アイドリングストップは頻繁に作動し、完全停車前にエンジンは止まる。

今回は取材用機材車も兼ねて、3日間で約440km(高速が約270km、一般道が約170km)走行し、平均燃費計は20.3km/Lを記録した。エコランなどはせず、エアコンは入れっぱなし。高速道路ではACCを積極的に使用している。スーパーハイト軽のターボ車としては、悪くない数値だ。

ライバルが増えてきたクロスオーバーテイストのスーパーハイト軽だが、先駆者らしい仕上がりといえる。スズキでは新型スペーシアギアを「10マイル アドベンチャー」と謳っているけれど、ふだんの街中使いはもちろん、ロングツーリングにも十分に対応してくれる出来の良さを感じさせてくれた。

ギアの登場で人気上昇中のスペーシア シリーズ
さて、ノーマルとカスタムの新型スペーシアが登場してからほぼ1年。2023年11月~2024年10月の登録台数は、16万1160台。月間目標販売台数は1万2000台だから、十分にクリアしている。なお、スペーシアギア(以下、ギア)が加わってからの月間目標販売台数は1万4000台に引き上げられた。

ギアも加わってからの登録台数は、2024年9月は1万5823台(前年同月比+35.3%)、10月は1万4234台(同+50.8%)と、なかなか好調だ。軽自動車のランキングでは9、10月ともN-BOXに次ぐ2位だが、10月のN-BOXは1万6821台(前年同月比−26.7%)と肉薄しているので、11月には首位を奪う可能性もありそうだ。

ここからのデータはギアの発売前なので、ノーマルとカスタムによるものとなるが、まず人気グレードは、以下のとおり。

1)スペーシア ハイブリッドX
2)スペーシアカスタム ハイブリッドXS
3)スペーシアカスタム ハイブリッドXSターボ

ギアが発売される前の、ノーマルとカスタムの比率は、4:6。ちなみに、先代の末期の販売比率は、ノーマル4:カスタム4:ギア2といったところ。ギアの販売が落ち着くころには、ほぼ同じような比率になるだろうか。それとも先代以上にギアの人気が高まるか? なかなか気になるところだ。

パワートレーンの比率では、自然吸気(NA)が約7:ターボが約3。また、駆動方式の比率では、2WD(FF)が約8:4WDが約2と、自然吸気の2WDが全体の半分以上を占めることになる。もっとも、この比率もギアの登場で変わる可能性は大きい。

人気のトップカラーは

1)ピュアホワイトパール(2トーンルーフ含む)
2)ブルーイッシュブラックパール3
3)オフブルーメタリック(2トーンルーフ含む)

と、モノトーン系が強いのは、日本市場における他のクルマと同様のようだ。

標準装備が充実しているスペーシア シリーズゆえ、メーカーオプションで装着されるのは、全方位モニター付きメモリーナビ・スズキコネクト対応通信機とセーフティプラスパッケージくらいだが、後者は標準装備されているグレードもある。

購買層では、シリーズ全体で40~60代のユーザーが中心。子育てファミリーだけでなく、子育てを終了した「エンプティネスター」も多いようだ。また、ノーマルは女性ユーザーが約7割、カスタムは男性ユーザーが約6割を占めている。

スペーシアを選んだポイントとしては、広くて快適な後席空間、インテリア全体の質感や雰囲気、ボディカラー(2トーンルーフ)、ステアリングヒーターや全方位モニター装備などが挙げられている。また、先代と比較すると他メーカーのスーパーハイト軽からの乗り換えも増えているという。

先代スペーシアギアが先鞭をつけたクロスオーバーテイストのスーパーハイト軽というジャンルは、多くのライバルが登場して完全に確立されたようだ。ところで、フッと気になったのは、まだ先代のままで発売されているスペーシアベース。おそらく2025年にはフルモデルチェンジでは?と予想されている。ギアとは違うテイストだが、この新型が登場すれば、スペーシア シリーズの人気はさらに拍車がかかることは間違いないだろう。(文:篠原 政明)

スズキ スペーシアギア ハイブリッドZXターボ 主要諸元


●全長×全幅×全高:3395×1475×1800mm
●ホイールベース:2460mm
●車両重量:910kg
●エンジン:直3 DOHCターボ+モーター
●総排気量:658cc
●最高出力:47kW(64ps)/6000rpm
●最大トルク:98Nm(10.0kgm)/3000rpm
●モーター最高出力:2.3kW(3.1ps)/1000rpm
●モーター最大トルク:50Nm(5.1kgm)/100rpm
●トランスミッション:CVT
●駆動方式:横置きFF
●燃料・タンク容量:レギュラー・27L
●WLTCモード燃費:21.9km/L
●タイヤサイズ:155/65R14
●車両価格(税込):203万7200円

[ アルバム : スズキ スペーシア シリーズの深掘り はオリジナルサイトでご覧ください ]

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みんなのコメント

4件
  • umi********
    テールランプのデザインをギア専用で作って欲しかったな。
  • zer********
    前モデルの スペーシアカスタムに乗っています
    次の購入候補として 気になる車です
    ただ今乗っているスペーシアカスタムの 出来が良すぎて 次の車がなかなか決まりません
    なんせ四駆のターボで 通勤時リッター17㌔ 遠乗りすると 高速も含めてリッター23㌔走ります
    先日 登りのワインディング道路で アルファードが煽ってきましたが ペースを上げたら離れて行きました
    ワインディングにも強い軽スーパーハイトワゴンって どういう車なんだと 乗っていて思います
    そして 先日片道500㌔の長距離ドライブを一泊二日でしました 半分は下道 普通車でも半分下道の500㌔ドライブは しないと思いますが スペーシアのターボ車は 乗り心地 パワーを含めて 長距離ドライブに耐えられる車です 年間25000㌔走るのにも 耐えられる車です
    スペーシアギアなら 若干の悪路も走れそうで とても気になっています
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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