こんにちは、岡内幸真です。三菱eKシリーズのCMやドラマにも出演したいなと思っている、役者志望の28歳です。
今回は三菱「eKクロススペース(以下「クロス」)」と「eKスペース」という軽自動車が気になり、試乗しにきました。2台とも存在感がありますね。特にクロスの顔は力強い印象があり……。
徹底試乗比較! グランエースVSアルファード 禁断の同門ガチバトル
──という感じで岡内幸真(名前は竹内涼真さんに似せています)になりきり、試乗レポートをしたいのはやまやまだけど、かなり無理があるので(笑)、ここからは岡本幸一郎本人が試乗レポートします。
※本稿は2020年4月のものです
文/岡本幸一郎
写真/平野学
CG/ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2020年5月10日号
【画像ギャラリー】頼れる、いい軽に進化!! 新型eKスペース&クロススペースの全貌をご覧あれ!
■後席スライドの長さはクラスのなかでTOP!
軽自動車のなかでも売れ筋のスーパーハイトワゴンで各社しのぎを削るなか、三菱が満を持して送り出したのがコチラ。クロスだけでなくスペースもなかなか個性的だ。
圧倒的な室内の広さはもちろん、両側スライドドアの開口幅が従来より+95mmの650mmというクラストップレベルの広さになり、合わせてステップも広くなって乗降性が格段に向上している。
クルマの下に足を入れれば開く、ハンズフリーオートスライドドアもある
後席の前後スライド長が320mmと見事クラストップを達成したのも新型の特筆すべき点。一番後ろにするとリムジンのように広々で、一番前にすると小さな子どもを乗せる際にケアしやすい。
後席頭上のサーキュレーターが薄型になるとともに、ナノイーからプラズマクラスターにグレードアップして、よりキレイな空気が車内に送られるのもありがたい。
先代よりホイールベースが65mm延長され、後席の前後スライドの長さは320mmでクラストップ。身長172cmの岡本氏でもこんなに広々な室内
後席のサーキュレーターはプラズマクラスターを採用
荷室の床面長も208mmも増えてクラストップレベルの676mmに拡大したほか、クロスはアウトドア用品を積んでも掃除しやすいラゲッジボード。また、「プレミアムインテリアパッケージ」を選ぶとインパネまわりのクオリティ感がハンパない。乗るたび目に触れるところだから、これは嬉しい。
■使う人を考えた操作類
前席はセパレートシートとベンチシートが選べるのも丁寧。座り心地も上々で、開発者のこだわりを感じる。
いち早く採用したデジタルルームミラーは少し慣れが要るが、移動物を検知して注意を促す俯瞰映像をはじめ、いろいろ映し出すことができて駐車時などにも重宝する。表示が大きく、薄く凹凸が設けられたタッチパネル式の空調コントローラーも使いやすい。
収納スペースも豊富で、助手席下に引き出し状のスペースがあり、車検証は助手席ドアパネルの中ではなく、そこに収められるようにしたのもナイスアイデア。
使い勝手や室内の快適性だけでこれだけの行数が必要(笑)。まさに万全状態!
■快適&使い勝手のよさが自慢!
両タイプともにインパネは水平基調の形状で視界良好、運転がしやすい。高い視認性と操作性が向上したエアコン、使いやすさが印象に残った。両タイプのインパネと同調したカラーのシートは上質感が漂う。クロススペースは黒と茶を基調にシート生地にはキルティングパターンを採用。オプションでレザー仕立て内装もある。一方のスペースは明るい雰囲気でリラックス感が溢れる。
また後席の二―ルームは先代より+81mmで793mmという広さ。さらに後席スライドドアの開口幅も自慢で、先代より+95mmで650mm。この開口幅、トップクラスだ。
eKクロススペースの内装は、上質感があり操作感が向上したインパネ。黒と茶色が基調だ。eKスペースはベージュ系の色が基調で明るさを感じる
■ターボもいいけどNAも!
走りのほうもなかなかの実力の持ち主だ。1年前にeKクロス/ワゴンが出た時も走りのよさが印象的だったが、こちらは後発であるぶん、さらに全体的に洗練されている。
エンジン自体はNA、ターボとも基本的に従来を踏襲しているが、全車マイルドハイブリッドを搭載して燃費向上を図っているのもポイントだ。
eKクロススペース、eKスペースともにエンジンはNAとターボを用意。ターボにはパドルシフトが標準装備されており、走りの楽しさを操れる
体感的にはやはりターボのほうがはるかにパワフルなのは予想どおりとして、特性がリニアで乗りやすいのはNAのほう。ダイレクト感のあるCVTの制御も手伝って、タウンスピード領域での加速性能にも大きな不満はなく、市街地が主体の人なら、むしろNAのほうが好都合といえそうだ。
とはいえ、どちらが好きかと聞かれたら答えは迷わずターボ。アクセルの踏み始めの飛び出し感やオフにした時の反応にひとクセあるものの、高速道路やワインディングでもストレスなく加速してくれるし、運転する楽しさをより感じさせてくれる。レスポンスのよいパドルシフトが付くのもターボの特権だ。
どちらもアイドリングストップからの再発進でのマナーのよさは、マイルドハイブリッドも効いてのことだろう。あまり高回転まで回さなければパワートレーンの透過音も抑えられていて、車内の静粛性も充分に確保されている。
全車マイルドハイブリッドを採用。ショックアブソーバーの減衰力を最適化するなどでハンドリング性能も向上
■安心のマイパイロット
足まわりの印象も上々。トレッドが狭くていかにも重心の高そうな見るからに走りに不利な感じがしながらも、そのハンデを感じさせない走りを実現。乗り心地がよく、スッキリと一体感のあるハンドリングを身につけている。
リア側で上部に切れ上がるジェットフィンピラー(リアピラー)がキモだ
15インチのクロスと14インチのスペースでは、乗り心地やロール感や操舵応答性がセオリーどおり違うわけだが、思ったよりもその差が大きいように感じられたこともお伝えしておこう。
なお、今回は両モデルとも2WDだったが、三菱SUVの血統を受け継ぐ4WDにも大いに期待したいところだ。
エンジンとCVTやハンドリングの完成度が高いことも手伝って、マイパイロットの印象もよかった。停止からの再発進時はもう一歩ながら、動き出してしまえば車間距離を巧く保ってくれるし、車線維持支援機能も頼りになる。加えて今回、クロスにはついにアダプティブヘッドライトが設定されたことにも要注目だ。
■楽しいことが起こる予感
両車とも触れるほどに感心せずにいられないほどよくできているモデルだ。ただし、今回の撮影車両は、魅力的なパッケージオプションなどが満載された仕様で、クロスのほうはオプション込みで270万円あまりになってしまうのには、ちょっと驚いた。
他社も似たような感じで、今やこれが現実ではあるわけだが、そんな力作ぞろいの軽スーパーハイトワゴン界においても、とりわけクロスは異彩を放つ一台。こんなクルマが手元にあるだけで、何か楽しいことが起こりそうな気持ちになれるってもんだ。
三菱のデザインコンセプト「ダイナミックシールド」顔となり、力強さとSUVテイストを感じさせるeKクロススペース。なおヘッドライトはフロント部のバランスを考え、上部の”横目”となっている
■軽スーパーハイトワゴンライバルへの優位性は?
まず、先進運転支援装備にそれぞれ多くの機能を備える点では共通するが、ACCについて、ダイハツ「タント」はターボのみ選択可、ホンダ「N-BOX」は30km/hから対応、スズキ「スペーシア」は車線維持機能も含めて設定がないという違いがあり、eKスペースシリーズがリード。
車内の寸法的な部分については多少の差はあれどほぼ互角として、センタータンクレイアウトを採用するN-BOXは荷室フロアが低く後席のアレンジ性が高い点で優位。走りはそれぞれよくできているなかでパワートレーンについては全面新設計のタントとN-BOXが一歩リード。
またタントとN-BOXがスタビリティ重視なのに対し、eKスペースシリーズは充分な操縦安定性を確保し、操る楽しさをより積極的に追求している感覚。スペーシアは双方の中間的位置づけ。とりわけeKクロススペースは見た目も走りも”攻めた”1台だ。
eKクロススペース&eKスペース価格
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軽自動車が高速道路を走るのは大変危険なので禁止にすべき