■同じ名前でも違うクルマ? ホンダのミニバン
ホンダは、日本市場において「フリード/フリード+」、「ステップワゴン」、「オデッセイ」という3種類のミニバンをラインナップしています。
一方、海外に目を向けるとさまざまな地域でオデッセイが販売され、とくに北米では日本と異なる全長5m超えの車名だけ同じモデルを販売。さらに、アセアンや中国ではかつて日本で販売していた「モビリオ」や「エリシオン」がいまもラインナップされているのです。
【画像】日米オデッセイや中国エリシオンをささっと見る!(33枚)
現在、東南アジア地域ではオデッセイとモビリオ、中国ではエリシオンと、日本でもかつて販売されていたミニバンを展開。北米では、日本と同じくオデッセイが販売されているものの、ベースとなるモデルが異なります。
北米版オデッセイは、初代モデルこそ日本と同じですが、2代目以降はかつて日本で販売されていた「ラグレイト」がベースとなり、現行モデルは5代目です。2020年8月には2021年モデルが登場しました。
なお、日本版オデッセイも2013年に5代目となる現行モデルが登場し、2020年秋にはマイナーチェンジを予定しています。
ボディサイズは、北米版オデッセイが全長約5161mm×全幅約1993mm×全高約1767mm、一方の日本版オデッセイは、全長4840mm×全幅1820mm×全高1685mm-1715mmとなり、北米版の方がひと回り大きいサイズです。
パワートレインは、北米版オデッセイが可変シリンダーシステム(VCM)という走行状態に応じて気筒休止を採用した3.5リッターV型6気筒エンジンを搭載。日本版オデッセイは、2.4リッター直列4気筒エンジンのガソリン車と、2リッター直列4気筒エンジン+モーターのハイブリッド車を設定しています。
なお、北米市場では、10年連続でミニバン販売ナンバー1を記録するなど、ファミリー向けの機能性やミニバンのスポーティな運転性能を有する北米市場のニーズにマッチしたモデルとして人気があります。
一方、日本でのオデッセイは2020年現在のホンダのフラッグシップミニバンというポジションですが、2013年までその座に君臨していたのがエリシオンです。日本ではラグレイトの後継車として2004年から2013年まで販売されていました。
その後も中国市場では、2015年まで日本で販売されていたエリシオンと同じモデルがラインナップされており、中国版エリシオンは2015年11月に開催された広州国際モーターショーにて2代目にフルモデルチェンジする形で登場し、翌2016年から販売。日本のエリシオン(先代モデル)とは異なり、日本版オデッセイ(5代目)との兄弟車にあたります。
デザインでは、日本版オデッセイよりもフロントフェイスにメッキパーツを多用することで、中国の富裕層が好む豪華な仕様に変更されています。
ボディサイズは、全長4940mm×全幅1845mm×全高1710mmとなり、前述の日本版オデッセイより全長+110mm、全幅+45mm、全高+35mmと大型化されました。
特徴的なのが、2列目シートが前後740mmに超ロングスライドする機構で、これは室内空間でとくに後席の広さを重視する中国ユーザーのニーズに応えている部分です。
パワートレインは、2.4リッターエンジンを搭載するガソリン車と、、2019年のモデルチェンジでは2リッターガソリンエンジン+2モーターハイブリッドを組み合わせたハイブリッド車が加わっています。
また、機能面では、前述の2020年秋にマイナーチェンジする日本版オデッセイに採用されるパワースライドドアにあるセンサーが光っているときにジェスチャー操作をおこなうと、車両に触れずにドアの開閉が可能な「ジェスチャーコントロール・パワースライドドア」を採用しました。
※ ※ ※
このように日本とは異なる道路事情や文化によって、国や地域に合わせたモデルがラインナップされてきました。
そのため、オデッセイやエリシオンのように日本で販売されていたモデルと同名でも、その中身は販売されるニーズに合わせたサイズや機能が採用されているようです。
■そういえば…あったねホンダ「モビリオ」。東南アジアで復活していた?
オデッセイやエリシオンにように現地のニーズに合わせて販売されているホンダのミニバンとして「モビリオ」があります。
かつて日本市場において、2001年から2008年まで販売していましたが、現在でもタイやインド、インドネシア、フィリピンなどの東南アジアで販売されているのです。
当時、日本で販売されていたモビリオは、先進的なスタイルとコンパクトでありながら広い室内空間と使いやすい7人乗りコンパクトミニバンでした。
パワートレインは、余裕のあるパワーで街中も高速道路もスムーズに走れる1.5リッターVTECエンジンと、低燃費かつハイレベルのクリーン性能を持つ1.5リッターi-DSIエンジンを搭載。
日本ではモデル末期に、パワースライドドアを全車に標準装備するなど快適装備を充実させ、堅調な販売を見せていましたが、後継車として現在のホンダのミニバンラインナップを支えるフリード/フリード+が後に登場したことにより、ラインナップから姿を消しました。
現在のモビリオは、2014年1月から東南アジアの各国で販売され、なかでもインドネシア国内でもっとも販売台数の多いMPV(日本のミニバン)の低価格帯市場に、ホンダとして初参入するモデルでした。
パッケージとしては、3列シートで乗車定員7名分という広々とした室内空間を特徴としながら、現地でニーズの高い全長4400mm以内の駐車スペースに収まるコンパクトなサイズです。
パワートレインは、1.5リッターVTECエンジンを搭載し、高い走行性能と低燃費を両立。さらに、路面状況を考慮したSUV並の最低地上高185mmを確保しています。
モビリオについて、当時の本田技研工業株式会社 代表取締役 社長執行役員の伊東孝紳氏は、次のように述べていました。
「モビリオは、ホンダがインドネシア市場向けに開発した最初のモデルで、現地のお客さまの要望を十分に反映しながら、お求めやすい価格とホンダならではの高い品質を実現したモデルです。
今後も現地のお客さまのニーズに合わせた魅力的な商品を積極的に投入し、インドネシアでのビジネスをさらに拡大していきます」
※ ※ ※
現在では、モデルのグローバル化が進み同じベースのクルマを仕向地毎に仕様を変更して販売することで、開発・生産にかかるコストを抑える方法を各自動車メーカーはおこなっています。
しかし、それぞれの国や地域で相当数な販売台数が見込める場合などでは、今回の北米版オデッセイや中国版エリシオン、そして東南アジア向けのモビリオなどが市場に投入されるのです。
そして、その日本版の最たる例が軽自動車となり、日本の独自規格として現在の新車市場の約4割を占めるほどのシェアを獲得するなど、自動車メーカーのグローバル化とガラパゴス化は上手い具合で共存しているといえます。
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