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スズキ新型「アルト」 価格/軽トップの燃費を解説 スーパーハイトワゴンの時代に“基本”型

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スズキ新型「アルト」 価格/軽トップの燃費を解説 スーパーハイトワゴンの時代に“基本”型

ベーシックな軽が、フルモデルチェンジ

執筆:Wataru Shimizudani(清水谷 渉)

<span>【画像】新型スズキ・アルト【細部まで見る】 全38枚</span>

編集:Tetsu Tokunaga(徳永徹)

12月10日。スズキは軽乗用車の「アルト」をフルモデルチェンジして、12月22日より発売すると発表した。

アルトはハッチバック型の軽自動車で、バンや近年人気のワゴン/ハイトワゴン系とも異なる“基本的な”ボディスタイルをしていることから、軽セダン(2ボックス・セダン)とも呼ばれる車型を採用。

1979年に初代が登場して以来、ダイハツのミラとともに軽のハッチバックを代表するモデルとして親しまれてきた。

今回の新型は9代目にあたるが、初代アルトから累計した国内販売台数は約526万台(スズキ調べ、ラパンを除く)に達する。

初代は当時でも画期的な47万円からという低価格で登場し、軽自動車本来の特長である経済性と実用性を徹底的に追求し、快適・機敏・安全に走行できるボンネットバン(初代アルトは商用車だったのでこう呼ばれた)として大ヒットした。

新型アルトも、日々の暮らしを便利に、生活を豊かにするために、「毎日、自由に移動したいお客様に、使いやすく、楽しいクルマをお届けする」という意志は変わってはいない。

では、スーパーハイトワゴンの軽自動車が全盛の時代に、新型はどんなモデルになったのか? その概要を紹介していこう。

全高50mmアップ ボディサイズは?

新型アルトのボディサイズは、全長3395×全幅1475×全高1525mm。

全長と全幅は従来型も軽自動車の規格いっぱいだから変わっていないが、全高は50mm高められている。ホイールベースは2460mmで従来型と同じだ。

エクステリアは、「気軽」「安心」「愛着」をコンセプトにデザイン。ハッチバック型の軽らしいベーシックなスタイルだが、それゆえ誰もが気軽に安心して乗れるような、親しみやすさを目指している。

それを演出するため、丸みを帯びた柔らかなフォルムの中に楕円形のモチーフを採用。また、小さな車体でも安心感のある立体的な断面にこだわるなど、長く愛用するユーザーのことを考えた外観に仕立てているという。

フロントマスクは、従来型と似たグリルレス風。ヘッドランプやバンパー部のグリルは丸みを帯びたデザインとし、優しさのある顔を表現。「ハイブリッドS」「ハイブリッドX」という上位グレードにはメッキのフロントバンパーガーニッシュを採用し、ヘッドランプとの一体感を持たせた。

リアまわりも、テールランプやバンパー部はフロントと同様に楕円形をモチーフにしたデザインに。また、フロントバンパーからフェンダー、後席ドアからリアフェンダー/リアバンパーに至る部分には丸みを帯びた立体感のある造形を用いた。

タイヤ&ホイールは、従来型は13インチだったが14インチにサイズアップ。なお、「ALTO」のロゴも、フルモデルチェンジにあわせて12年ぶりにデザインが変更されている。

マイルドハイブリッド 燃費27.7km/L

新型アルトのパワートレインは2種類。

1つ目は、従来型やスペーシアなどに搭載されて定評のあったR06A型エンジン(46ps/5.6kg-m)で、エネチャージも装備する。

エネチャージとは減速時に発生するエネルギーを利用してオルタネーターで発電し、鉛バッテリーとリチウムイオンバッテリーに充電。その電力を電装品に供給することで、発電によるガソリン消費を最小限に抑え、軽快な走りに貢献するシステムだ。

2つ目のパワートレインは、ワゴンR系(ノンターボ)、ハスラーなどに搭載されるR06D型エンジン(49ps/5.9kg-m)にマイルドハイブリッドを組み合わせたもの。

アルト初のマイルドハイブリッド仕様となり、軽自動車トップの27.7km/L(WLTCモード)という好燃費で登場。JC08モードでは33.1km/Lを記録する。

発電効率に優れたISG(モーター機能付き発電機)が減速時のエネルギーを利用して発電し、アイドリングストップ車専用鉛バッテリーとリチウムイオンバッテリーに充電。

その電力で、加速時にはモーター(2.6ps/4.1kg-m)がエンジンをアシストして、さらなる燃費向上に貢献するハイブリッドシステムだ。

組み合わされるトランスミッションは、いずれもCVT。駆動方式は、どちらにも2WD(FF)と4WDが設定された。

プラットフォームは、従来型同様の軽量・高剛性な「ハーテクト」。新たにハスラーでも使われた高減衰マスチックシーラーを採用するなど、細部にまでこだわり、心地良い走りと高い静粛性を実現している。

内装はデニム調 USBが前席に2口

インテリアも、エクステリア同様に「気軽」「安心」「愛着」をコンセプトにしている。

立体的な造形による質感の高さ、デニム調シートや楕円をモチーフにした意匠によって親しみやすさを表現し、飽きのこないデザインを目指した。

インパネは、左端の空調吹き出し口から助手席前のパッド、センターダッシュを経て右端の空調吹き出し口まで、立体感のある流れをもたせた。助手席前の厚みのあるパッドは、内装のアクセントとなっている。

メーターパネル、センターのディスプレイ部、さらにダッシュボード全体も同様に楕円をモチーフにしており、親しみやすさも感じさせる。

メーターはシンプルな単眼式だが、ハスラーのものに似た形状だ。常時照明式で昼夜を問わず明るくて見やすい。

インパネやドアトリムは、それぞれネイビーカラーが採用されており、落ち着きのある色合いで乗員を囲む。これも、質感の高さ・居心地の良さを引き立てる演出だ。

また、シート表皮は、あらゆる世代で親しまれているデニムを連想させる生地を開発。綾織りを思わせるバイアス柄と濃淡のある縦糸表現がそのこだわり。そして背面をブラウンとし、表側と色を変える手法で質感を高めた。

インパネまわりは、ドリンクホルダー(運転席&助手席)/トレイ(助手席)/センターポケット/ショッピングフックをはじめ、フロアコンソールトレイ、後席用のドリンクホルダー(2個)など、手の届く位置に容量や形状を追求した収納スペースを豊富に設置。また、USBソケットは運転席&助手席からも使えるよう2口装備した。

頭上を広く パッケージングの話

外観の項で新型アルトは従来型より全高が50mm高いと紹介したが、それにより広い室内空間が生まれた。

新型アルトの室内寸法は、室内長2015×室内幅1280×室内高1260mm。従来型より室内長は25mm短くなっているものの、室内幅は25mm広く、室内高は45mm高い。

とくにヘッドクリアランスは前席で39mm、後席で27mm高められ、背の高い人でもゆとりある頭上空間を保てるように改良。見晴らしの良い快適な室内空間を実現した。

ショルダールームも、前席で21mm、後席で19mm広げられ、開放感のある空間に。また、フロントドア開口部の高さも20mm高められ、乗降性も良くなっている。

14インチタイヤの採用などで最小回転半径は4.4m(従来比0.2m大きい)に。それでも狭い路地・駐車場などで取り回しやすいことには変わりはない。

ラゲッジスペースも、荷室開口部の地上高を660mmと従来型より30mm低くし、荷室開口高を710mmと20mm高くしたので、荷物が積みやすく、高さのあるものでも収納しやすい。

一体可倒式のリアシートバックを倒せば、荷室床面長は1225mm(リアシート使用時は425mm)にまで拡大。床下にはアンダーボックスも備わる。

装備/ADAS/ディスプレイオーディオ

いまやベーシックな軽自動車といえども、安全&快適装備はおざなりにはできない。

新型アルトでは、スズキの予防安全技術「スズキ セーフティ サポート」を全車に標準装備。

夜間の歩行者も検知する衝突被害軽減ブレーキのデュアルカメラブレーキサポートをはじめ、後退時ブレーキサポート、誤発進抑制機能(前/後)、車線逸脱警報機能、ふらつき警報機能、先行車発進お知らせ機能、ハイビームアシストなどを標準で備えた。

オプション設定となるが、標識認識機能や、フルカラー表示のヘッドアップディスプレイ、すれ違い支援機能を搭載した全方位モニター用カメラなども用意され、運転支援に貢献する。

これもオプションだが、スズキ国内初となるバックモニター用カメラを備えたディスプレイオーディオも設定。モニター画面は7インチで、バックモニターやラジオのほか、スマートフォン連携によるナビ表示、音楽再生など、各機能を簡単に使うことができる。

パッシブセーフティでは、SRSサイド&カーテンエアバッグまで備えた6エアバッグを全車に標準装備。その他にも、すべての席のシートベルト・リマインダーも全車に標準装備された。

また、衝撃を効率良く吸収・分散する軽量衝撃吸収ボディ「TECT」や、万が一の衝突時に歩行者の頭部や脚部へのダメージを軽減する歩行者傷害軽減ボディも採用している。

価格/発売日 2トーンルーフ仕様

新型アルトの発売日は、前述のように2021年12月22日。

グレードと消費税込みの車両価格は、以下のとおりとなっている。

搭載されるパワーユニットは、「A」「L」は0.66L DOHC(エネチャージ付き)、「ハイブリッドS」「ハイブリッドX」は0.66L DOHC 吸排気VVT+マイルドハイブリッド。トランスミッションはいずれもCVTだ。

また、屋根を白く塗り替えたホワイト2トーンルーフ仕様車を4万4000円高で設定。新型のスタイリングを引き立てる選択肢として覚えておきたい。

A(2WD/4WD):94万3800円/107万5800円
L(2WD/4WD):99万8800円/112万9700円
ハイブリッドS(2WD/4WD):109万7800円/122万8700円
ハイブリッドX(2WD/4WD):125万9500円/137万9400円

スペック

新型アルトの主要諸元は下記のとおりとなっている。

画像の車両は、ホワイト2トーンルーフ仕様車のため、価格が4万4000円高となる。

アルト・ハイブリッドS(2WD) 主要諸元

車両価格:109万7800円(4WD:122万8700円)
全長×全幅×全高:3395×1475×1525mm
ホイールベース:2460mm
車両重量:700kg
ドライブトレイン:657cc直3+モーター
最高出力(エンジン):49ps/6500rpm
最大トルク(エンジン):5.9kg-m/5000rpm
最高出力(モーター):2.6ps/1500rpm
最大トルク(モーター):4.1kg-m/100rpm
トランスミッション:CVT
燃料タンク容量:27L
燃費:27.7km/L
タイヤサイズ:155/65R14

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みんなのコメント

26件
  • ハイト軽ワゴンが人気だけど、基本型でお手軽な価格の軽車種も売れてます
    贅沢装備なんて全てOP扱いにしてくれ
  • ワークスでるかな?!
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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