現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 今後「軽オープン」どうなる? 「S660」と「コペン」異なる個性と魅力

ここから本文です

今後「軽オープン」どうなる? 「S660」と「コペン」異なる個性と魅力

掲載 更新 29
今後「軽オープン」どうなる? 「S660」と「コペン」異なる個性と魅力

■軽オープンスポーツどうなる?

 2021年3月12日に国内の新車市場に大きな衝撃が走りました。それは、ホンダが販売する軽オープンスポーツ「S660」が2022年3月をもって生産終了となるようです。
 
 軽オープンスポーツとしては、ダイハツ「コペン」も販売されていますが、この2台はそれぞれどのような経緯で誕生したのでしょうか。

ガチ軽スポーツ! ホンダ「S660」とダイハツ「コペン」売れてるのはどっち?

 2015年4月に発売されたS660のコンセプトは、「見て楽しい、乗って楽しい、あらゆる場面でいつでもワクワクする、心が昂ぶる本格スポーツカー」を追求して開発されました。

 S660は、スポーツカーの醍醐味といえる「曲がる楽しさ」を最大限に体感できるようにミッドシップレイアウトを採用することで、低重心と理想的な前後重量配分である45:55を実現。

 パワートレインは、低回転域から力強く高いアクセルレスポンスを可能とする専用ターボチャージャーを搭載。トランスミッションには、軽自動車として当時初となった新開発6速MTや、7速パドルシフト付CVT(スポーツモード付き)を設定しています。

 しかし、S660は2022年以降の法規対応などへの適合が難しいという判断などから前述のとおり2022年3月をもって生産終了となります。

 S660は、ホンダの開発部門である本田技術研究所の設立50周年の際、社内で実施された商品企画提案で当時20代前半の社員のアイディアから誕生しました。

 S660の企画・開発に関して、初期段階の開発責任者だった本田技術研究所の椋本陵氏は次のように述べています。

「当時の企画コンペでS660の原案が通り、モックアップ制作や試作車を作りました。

 その後、2011年の東京モーターショーに出展したコンセプトモデル『EV-STER』に大きな反響を頂き、発売されました」

※ ※ ※

 2015年の発売当時、エントリーグレード「β」は、198万円(消費税8%込)となり、100万円台の軽オープンスポーツ、そしてホンダ伝統の「Sシリーズ」の復活、「ビート」の再来などということで大きな話題となりました。

 しかし、年々厳しくなるさまざまな法規により、1代限りで姿を消すことになったのです。

■もうひとつの軽オープンスポーツ、ダイハツ「コペン」とは

 2021年3月時点で、新車販売されている軽オープンスポーツにはダイハツ「コペン」が存在します。

 コペンは、S660よりも長い歴史を持っており、2002年6月に初代モデルが登場し、現行となる2代目モデルは2014年から販売されています。

 初代コペンは、「ACTIVE TOP COMPACT OPEN」をコンセプトに、誰もが気軽に楽しめる本格的オープン・スポーツカーとして開発されました。

 初代コペンは、走りを意識した低重心で力強い「ティアドロップシェイプシルエット」を採用。

 パワートレインには、当時新開発のターボチャージャー付きツインカムエンジンや、専用サスペンション、軽量高剛性ボディを採用するなどクラスを超えた高い運動性能を実現していました。

 ダイハツはコペンについて次のように説明していました。

「ワクワクするような『持つ悦び』と、クルマを『操る楽しさ』を感じられるスポーツカーとして提案。

 クルマの運転を楽しみたいパーソナルユース中心のユーザーをターゲットに、新たな需要を喚起します」

 2代目コペンでは、新骨格構造「D-Frame」を採用して、スポーツカーに求められるボディ剛性を骨格のみで確保し、外板の素材やデザインの自由度が飛躍的に向上。

 そのため、内外装着脱構造「DRESS FORMATION」により、ボディ外板部分をパーツと捉えて樹脂外板を採用したことで、個人の嗜好に合わせたデザイン選択が可能になりました。

 2代目コペンについてダイハツは「コペンは、『感動の走行性能』『自分らしさを表現できるクルマ』など、お客さまに軽自動車の新しい価値を提供すべく、開発・生産と営業活動の両面から、新たな取り組みを実施しました」と説明していました。

 その後、2019年10月にはそれまで設定されていた「ローブ」、「エクスプレイ」「セロ」の3グレードに加えて、「GRスポーツ」が設定されます。

 GRスポーツは、トヨタのモータースポーツ部門となるTOYOTA GAZOO Racingが展開するブランドとなり、 ダイハツとトヨタという自動車メーカーの垣根を超えた商品展開です。

 コペンGRスポーツについて、ダイハツは次のように説明しています。

「TOYOTA GAZOO Racingがモータースポーツ活動を通じて培ってきた知見の共有を通じて、ダイハツが開発をおこなったモデルです。

 これまでお客さまとのコミュニケーションを続けるなかでいただいてきた、走行性能への要望に応えるため、メーカーの垣根を越えて、『意のままに操ることができる気持ちの良い走り』を目指して開発を進めてきました」

 なお、コペン GRスポーツについては、ダイハツ販売店にて4グレード展開で販売。トヨタ販売店ではGRスポーツグレードのみを販売しています。

※ ※ ※

 このように似たようなパッケージとして販売されてきたS660とコペンですが、それぞれには異なる開発経緯や販売戦略が展開されています。

 今後、コペンがどうなるのかは未知数ですが、軽スポーツオープンに火は消さないで欲しいものです。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

【インドネシア】ヤマハ「WR155R」発表! 17馬力のハイパワーエンジン搭載! 軽量「オフロードバイク」が凄い! “カラーフレーム”に新グラフィックを採用して登場!
【インドネシア】ヤマハ「WR155R」発表! 17馬力のハイパワーエンジン搭載! 軽量「オフロードバイク」が凄い! “カラーフレーム”に新グラフィックを採用して登場!
くるまのニュース
2025年の新人ドライバーがカーナンバーを選択。『12』や『7』などかつてチャンピオンの使用したナンバーが復活
2025年の新人ドライバーがカーナンバーを選択。『12』や『7』などかつてチャンピオンの使用したナンバーが復活
AUTOSPORT web
スズキ『スイフト』新型のツートンカラーが「オートカラーアウォード2024」特別賞に
スズキ『スイフト』新型のツートンカラーが「オートカラーアウォード2024」特別賞に
レスポンス
おじさんになったら運転は「目」に注意! 視力低下と防ぐ方法
おじさんになったら運転は「目」に注意! 視力低下と防ぐ方法
ベストカーWeb
[アルファード]なのに4人乗りだと!? えらいさんたちも大満足の[超~VIP仕様]誕生!! 
[アルファード]なのに4人乗りだと!? えらいさんたちも大満足の[超~VIP仕様]誕生!! 
ベストカーWeb
免許取得前の娘のために日産「フィガロ」を購入!「オリジナル状態の車体を選べるうちに手に入れました」…今後入手困難になるのは必至!?
免許取得前の娘のために日産「フィガロ」を購入!「オリジナル状態の車体を選べるうちに手に入れました」…今後入手困難になるのは必至!?
Auto Messe Web
よく見ると「道路標識」の支柱に貼ってある謎の番号! じつは超有能なヤツだった
よく見ると「道路標識」の支柱に貼ってある謎の番号! じつは超有能なヤツだった
WEB CARTOP
【パガーニ創業者も来日】ウアイラ、ゾンダにウトピアも展示 明治記念館でプライベートパーティー開催
【パガーニ創業者も来日】ウアイラ、ゾンダにウトピアも展示 明治記念館でプライベートパーティー開催
AUTOCAR JAPAN
マツダ『ロードスター』リコール情報…障害物検知が正常に働かない
マツダ『ロードスター』リコール情報…障害物検知が正常に働かない
レスポンス
【累計生産100万台を達成】三菱 インドネシアの生産拠点 2017年4月から生産開始で約50カ国へ輸出
【累計生産100万台を達成】三菱 インドネシアの生産拠点 2017年4月から生産開始で約50カ国へ輸出
AUTOCAR JAPAN
あの“マールボロ・マクラーレン”よりはるかに長い43年のスポンサーシップに幕。IMPUL星野一義総監督「カルソニックは俺の人生そのもの」
あの“マールボロ・マクラーレン”よりはるかに長い43年のスポンサーシップに幕。IMPUL星野一義総監督「カルソニックは俺の人生そのもの」
motorsport.com 日本版
【アメリカ】トヨタの「小型SUVコンセプト」がスゴかった! 全長4.3m級ボディに“ゴツ顔”採用! “次期FJクルーザー”ともいわれた「FT-4X」とは?
【アメリカ】トヨタの「小型SUVコンセプト」がスゴかった! 全長4.3m級ボディに“ゴツ顔”採用! “次期FJクルーザー”ともいわれた「FT-4X」とは?
くるまのニュース
チェックするタイミングはいつ!? バイクのチェーンとスプロケの点検頻度は?
チェックするタイミングはいつ!? バイクのチェーンとスプロケの点検頻度は?
バイクのニュース
【スポーティグレード追加】ノート・オーラに「オーテック・スポーツ・スペック」 走りをチューン
【スポーティグレード追加】ノート・オーラに「オーテック・スポーツ・スペック」 走りをチューン
AUTOCAR JAPAN
疲労を軽減する「インテリシート」オペルが開発、新型SUV2車種に採用へ
疲労を軽減する「インテリシート」オペルが開発、新型SUV2車種に採用へ
レスポンス
ヤマハの電動アシスト自転車『PAS』、2025年モデル「11車種の特徴と違い」を比較チェック!
ヤマハの電動アシスト自転車『PAS』、2025年モデル「11車種の特徴と違い」を比較チェック!
レスポンス
トヨタ アルファード、ヴェルファイアに6人乗りPHEVを新設定
トヨタ アルファード、ヴェルファイアに6人乗りPHEVを新設定
Auto Prove
BYD、佐賀県初の正規ディーラーをオープン
BYD、佐賀県初の正規ディーラーをオープン
レスポンス

みんなのコメント

29件
  • 軽自動車という時点で日本限定だから採算を考えれば妥当な判断だな。

    今後はカーボンニュートラルへ向かうと言ってF1撤退したのだから、今後はNSXのようなハイブリッドスポーツを開発してほしい。

  • このジャンルは消えてほしく無いなぁ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

203.2315.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

102.8590.0万円

中古車を検索
S660の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

203.2315.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

102.8590.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村