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スズキ新型アルトは、あの「ワークス」の登場を期待するほどに高剛性。「軽なのに!」と思わせてくれたベーシックカー【試乗】

掲載 更新 16
スズキ新型アルトは、あの「ワークス」の登場を期待するほどに高剛性。「軽なのに!」と思わせてくれたベーシックカー【試乗】

スズキの乗用タイプ(セダンタイプ)軽自動車でハッチバックスタイルの「アルト」が9代目にフルモデルチェンジ。さっそく試乗する機会が得られたので、そのインプレッションを紹介しよう。

いまや希少な存在となってしまったセダンタイプ軽自動車
1979年に初代がデビューして以来42年、8代にわたって約526万台を販売されてきたアルト。だが、いまや軽自動車のメインストリームはスライドドア付きのハイトワゴンとなり、2020年度に販売された軽乗用車の約52%がスライドドア車、アルトのようなセダンタイプは約11%となっている。多くの軽自動車メーカーはセダンタイプの自主生産をやめ、コンベンショナルなモデルとして残っているのはアルトとダイハツ ミラだけになった。

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「それでも、アルトのようなクルマを求めているお客様はいらっしゃいます。ワゴンRの廉価版ではダメなのです」と、アシスタントチーフエンジニアの渡邉 司氏は語る。そうした彼らの思いを結集させた新型アルトは、予想以上に(失礼!)よくできたベーシックカーだった。

従来型より全高を50mm高めて、フロントウインドーも少し立たせたスタイリングは正解だ。乗り降りもしやすく、その立体感のあるフォルムは、黄色いナンバープレートがなければヨーロッパの小型車っぽくも見える。ベーシックカーの基本に立ち返ったスタイルに好感が持てる。

インテリアも、質感が高められデザインもけっこう凝っており、もはやチープシックとは呼べなくなった。デニム調シート地の質感や色合いも悪くない。このクラスの軽自動車は女性ユーザーを意識したインテリアデザインとされることも多いが、これなら男性でも気恥ずかしく感じることもない。メーターも見やすく、スイッチ類も操作しやすい。

なお、今回の試乗車は「少しでも早く新型アルトに乗ってもらいたい」という思いから、注目していたディスプレイオーディオやモニター用カメラなどのオプションを装着していないオーディオレス仕様。そのため、これらの機能は次の機会にでもあらためて紹介したい。

今回の試乗は、カメラマンと2人乗車で撮影機材など20kgほどの荷物を積載。つまり、小学生くらいの子どもがいる親子3人で乗っているようなもの。このシチュエーションで市街地から走り出したが、パワー的には不満ないレベルにある。発進時や中間加速でマイルドハイブリッドのモーターがアシストしてくれるので、思ったよりしっかり加速してくれる。

これこそが、まさにベーシックカーの「基本」かもしれない
乗り味はもはや軽自動車だと思えないほどしっかりしており、HEARTECTのプラットフォームや環状骨格構造のボディが効いているようだ。ドアを閉めるときの音や感触は、より大きいクラスのクルマのように感じられる。

短時間だが、高速道路も走ることができた。80~100km/hでのクルージングなら室内騒音はおさえられており、パッセンジャーと普通に会話できる。追い越し加速で少しエンジン回転数を上げると多少はノイジーになるものの、これは瞬間的なものだしうるさくて不快に思うほどではない。風切り音も抑えられている。

運転をカメラマンに代わってもらってリアシートにも座ってみた。運転席を身長172cmの筆者のドライビングポジションにセットし、その後ろに座っても頭上はコブシひとつ以上、ヒザの前はコブシふたつ半以上のスペースがある。座面は少し高目でアップライトなポジションだが、見晴らしも良く、これなら大人4人でのドライブも可能だろう。ただし、その場合はパワー的には少しツラいかもしれないが。

ひとつ気になったのは、スズキの軽自動車に共通するハンドルにまつわること。小回りはよく効くのだがステアリングギア比がスローで、ロックtoロックが4回転以上あること。車庫入れなどでは、けっこうハンドルをぐるぐる回すことになる。パワーステアリングも付いているのだし、もう少しレシオをクイックにしても良いかと思うのだが、このクルマだけ乗っているのなら気にならないかもしれない。

リアシートバックは分割可倒しないし、ラゲッジスペースも限られているが、軽自動車にそうした部分を求める人は、スライドドア付きのハイトワゴンにすればいい。2人乗車までがほとんどで、タウンユースを中心としてたまに遠出もしてみたい・・・といった使い方なら、新型アルトは最適だろう。室内の広さを別にすれば、もはや乗り味は登録車のコンパクトカーと遜色ないレベルにある。「軽だから・・・」ではなく「軽なのに!」と思わずにはいられなかった。

むしろ、これだけ高剛性なボディがあるなら、もっとパワフルなエンジンを積んだモデルを作っても問題ないだろう。そう、「ワークス」の登場を期待してしまうのは、筆者だけではないようなのだが・・・。(文:Webモーターマガジン編集部 篠原政明/写真:伊藤嘉啓)

■スズキ アルト ハイブリッドX 主要諸元
●全長×全幅×全高:3395×1475×1525mm
●ホイールベース:2460mm
●車両重量:710kg
●エンジン:直3 DOHC+モーター
●総排気量:657cc
●最高出力:36kW(49ps)/6500rpm
●最大トルク:58Nm(5.9kgm)/5000rpm
●モーター最高出力:1.9kW(2.6ps)/1500rpm
●モーター最大トルク:40Nm(4.1kgm)/100rpm
●トランスミッション:CVT
●駆動方式:横置きFF
●燃料・タンク容量:レギュラー・27L
●WLTCモード燃費:27.7km/L
●タイヤサイズ:155/65R14
●車両価格(税込):125万9500円

[ アルバム : スズキ 新型アルト はオリジナルサイトでご覧ください ]

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みんなのコメント

16件
  • ぺたっとした青色。何かいい。無理して高級感なんたらしてないのがいい。
  • ワークスの有無より、廉価グレードからもMT車の設定をなくしたことのほうが疑問。
    ワゴンRと同様に、そのうち復活するのかな?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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