2種の電動パワートレーン4WDの完成度は高い!
日産は毎年ウインターシーズンに冬季試乗会を開催している。久しぶりに北海道での開催となった今回のメインメニューは、e-POWER 4WDとe-4ORCEという2種の電動パワートレーン4WDの魅力を体感することだ。
【最新モデル試乗】「俊足の電動シティレーサー」に4WD新登場! 日産ノート・オーラNISMOのスーパーハンドリングに感動
主に小型車用のe-POWER 4WDについては、昨年夏に発売されたオーラNISMOをチェック。氷上コースでの走りはなかなか印象的だった。
オーラNISMOは当初FWDのみだったところ、ユーザーの要望に応えて4WDが追加された。想定の2倍ほど売れているという。リアに強力なモーターを搭載しているのは、もともと日産の電動4WDの特徴だが、e-POWER 4WDもまさにそうだ。オーラNISMOのリアモータースペックは82㎰/150Nm。氷上ではなおのこと、その醍醐味を実感できる。
真骨頂はアクセルレスポンスが向上して前後駆動力配分がリア寄りとなるNISMOモードだ。後ろからグッと押し出しながら前からも引っ張ってくれるので、挙動が乱れにくい。そのうえ、振り回して楽しめる。
車体が比較的軽いおかげで手の内で操れる感覚がある点もうれしい。たとえ挙動が乱れても立て直しやすい。
DSC OFFの状態(ブレーキを踏むとONになるが踏まない状態で)で完全に横を向いてもねばってスピンせずに済んだ場面がたびたびあった。開発者によると、「ドライバーの運転技術と、クルマが瞬時に駆動力配分を最適制御しているからだ」という。
一方のe-4ORCEについては、アリアやエクストレイルをドライブしたのち、2024年秋に追加されたセレナを一般道で試乗した。そしてその完成度の高さには舌を巻いた。
ブレーキとトルクを個別に制御しているe-POWER 4WDに対し、e-4ORCEは理想的な目標車両挙動となるよう協調制御しているのが最大の違い。あらゆる路面とシーンにおいて、一段と高い快適性と安心感を提供できるという。
ざっくりいうと、ドライバーのハンドルとペダルの操作を見て、それらをフィードフォワードで制御。車両の前後左右のGを読み取りながら、グリップ限界を見極めてコントロールしている。後輪への荷重配分の最適化を図りながら、モーターとの統合制御で4輪の能力をフルに引き出した走りを約束する。
e-4ORCEの制御は、雪道ではなおいっそう強みを発揮する。安定して発進加速ができるほか、コーナーでも舗装路の延長上の感覚で、切り始めから遅れなく回頭する。イメージしたラインをトレースしていけるのだ。
ミニバンのセレナはe-4ORCEが快適性面でもプラスをもたらしている。「安定性、安心感を高めることがユーザーにとってプラス」と考え、フラットな動きを追求した挙動制御を採用したからだ。具体的には、パッセンジャーの頭が揺すられないようピッチングをコントロール。減速時をはじめ加速時にも車両の姿勢を適正に保つよう配慮したという。緻密なトルクコントロールを通じて理想の姿勢を保つe-4ORCEは、一般の積雪路で頻繁に出くわす凸凹路面でも、その影響が小さい。滑らかな乗り心地が味わえた。
e-POWER 4WDとe-4ORCEは、「乗る人すべてに快適な乗り心地と卓越したハンドリング性能、路面を問わない安心感という3つの価値をユーザーに伝えたい」という開発者の言葉どおり、氷上や雪道でもいたって快適で、意のままの走りを楽しむことができた。
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みんなのコメント
この記事に批判組合はいないんですね?(笑)