もくじ
ー 人とくるまのテクノロジー展とは?
ー 筆者注目 3つのポイント
自動運転、クルマ好きの敵か グーグル傘下「ウェイモ」中心人物に聞く
人とくるまのテクノロジー展とは?
完全自動運転、EV、燃料電池車、そして空飛ぶクルマまで。最新の自動車技術が一同に集まった。
毎年恒例の「人とくるまのテクノロジー展」(於:パシフィコ横浜)が開催された。
一般の方にはあまり馴染みのない、この展示会。主催するのは、自動車メーカーや自動車部品メーカーが参加する公益社団法人自動車技術会だ。
同会の春季大会と称して、材料工学や機械工学など学術的な論文の発表が続き、それと併催される展示会が「人とくるまのテクノロジー展」である。
今年4月~5月には、自動車メーカー各社が決算報告で過去最高売り上げを記録したこともあり、次世代技術に対する投資に熱が入っているが、「人とくるまのテクノロジー展」も開催3日間中、通路で来場者どうしの肩が触れ合ってしまうほどの大盛況となった。
公道試乗会も併催され、ホンダNSX、レクサスLS500h、トヨタ86GR、ホンダ・シビック・タイプR、日産セレナe-POWERなどが日系メーカーの最新車が用意された。
筆者注目 3つのポイント
会場内には、最新製品の展示や紹介のみならず、開発中の参考出品や世界動向を踏まえた技術領域に関する専門フォーラムが実施されたが、その中から筆者が注目する3つのポイントを紹介する。
注目1:自動運転の法整備
開催初日の午前中、メインホールで「第19回自動車安全シンポジウム」が行われた。主題は自動運転なのだが、特に法整備について国と自動車工業会・自動車技術会など自動車関連団体が直面している課題について詳しく紹介した。
自動運転の走行レベルについては、レベル1~レベル5という考え方が一般的だが、これはアメリカの自動車技術会が作成したもの。
道路交通法や車両運送法の観点からは、国連の欧州経済委員会の「自動車基準認証世界フォーラム」での協議が進んでいる。
その上で、日本では警察庁が公道での自動運転実験を行う場合のガイドラインを作成している。
日系自動車メーカー各社の自動運転開発担当者は「日本は世界で最も自動運転の公道試験がやりやすい法的な環境にある」と、日本で開発することのメリットを強調した。
注目2:空飛ぶクルマ
自動運転ではなく、自動飛行という分野の実用化についても期待が高まっている。
いわゆる、「空飛ぶクルマ」である。
日本国内で注目されるが、トヨタグループ15社が支援している愛知県をベースとするカーティベーターだ。
技術開発しているのは、トヨタやデンソーなど自動車関連企業の有志だ。つまり、ボランティア活動である。
企画中のモデルは様々あるのだが、当面の目標は2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開会式で、聖火に火をつけるための飛行だ。
今回出展したプロトタイプは、縦方向にふたり着座する車体で、その前後に4つのモーターがあり、それぞれのモーターに2つのプロペラを持つ。
これらの推進力によって、ドローンのように垂直離着陸する方式だ。バッテリーに関わる電子制御技術についても開発を急いでおり、日本初の本格的な次世代飛行モビリティの誕生に期待が高まる。
注目3:高感度静電パネル
アルプス電気が参考出品したのが、様々な素材をタッチして操作する高感度静電パネルソリューションだ。
静電パネルは、スマートフォンや車載カーナビなどの画面で実用化されているが、その技術を木材やプラスティックの表面でも使用するもの。
今回は参考出品だが、自動車メーカー各社からの問い合わせが多く、近年中に量産化される可能性が高い。
この他、様々な最新技術は満載された「人とくるまのテクノロジー展」。日本の自動車技術の底力を垣間見ることができる、貴重な体験だった。
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