通常のブレーキペダルによるブレーキ操作を行わずに、アクセルペダルだけで加速/減速、クルマによっては完全停止まで行う「ワンペダル走行」。効率よく活用することで、燃費や電費を向上させることができるワンペダルですが、操作が簡単という意見もあれば、逆に扱いにくいという意見もあり、賛否があるようです。
近年、徐々に採用が増えているワンペダルの機能と、そのメリットとデメリット、また最近になって新型ノートがワンペダルによる完全停止機能を廃止した理由について、ご紹介します。
「すげえ便利!! クルマ界を席捲するか!?」と言われた「ワンペダル」 あんまり増えない長所と短所
文:Mr.ソラン、エムスリープロダクション
写真:NISSAN、TOYOTA、HONDA、DAIHATSU
日産だけでなく、ホンダやトヨタ、ダイハツでも採用
国内で最初にワンペダルを採用したのは、2016年11月にモデルチェンジした日産「ノート e-POWER」でした。翌2017年には「リーフ」に、2018年には「セレナ」にも採用。ハイブリッド車のノートとセレナは、回生ブレーキだけを使っていましたが、バッテリーEVのリーフは、回生ブレーキと油圧ブレーキを併用した協調制御をしていました。
日産のワンペダルは、先代ノート(E12)の「e-POWER Drive」では、アクセルオフで完全停止までしてくれましたが、現行ノートでは、アクセルオフでの完全停止は行わないようにした「e-Pedal Step」を採用しています(ただしリーフは、現行モデルもアクセルオフで完全停止する「e-Pedal」を採用)。
2017年に登場した日産「リーフ」。回生ブレーキと油圧ブレーキを併用した協調制御を行うワンペダルの機能「e-Pedal」を採用
日産以外でも、2020年には、ホンダのバッテリーEV「ホンダe」が、2021年にはトヨタのハイブリッド車「アクア」がワンペダルを採用。「シングルペダルコントロール」とよばれるホンダeのワンペダルシステムは、セレクター(+/-)で減速度の強さを3段階で選択が可能で、以前の日産と同じように、アクセルオフで完全停止、停止状態の保持ができるのが特徴。
また、「快感ペダル」とよばれるアクアのシステムは、協調制御でノーマル/エコ/パワー/パワー+という4つの運転モードを設定し、パワー+を選択するとノーマルモードの最大約2倍の減速度が発生します。ただし、アクアでは、アクセルオフによる完全停止機能はないので、停止するには最終的にフットブレーキを踏む必要があります。
このほか、ダイハツ「ロッキー」/トヨタ「ライズ」のハイブリッドモデルも、スマートペダル(S-PDL)とよばれるワンペダルを採用しています。どれもワンペダルの基本的な仕組みは同じですが、回生ブレーキだけか、油圧ブレーキも併用した協調制御か、完全停止機能の有無など、独自の制御が組み込まれています。
2021年に登場したトヨタ「アクア」。「快感ペダル」と名付けたワンペダルを採用、ただし、完全停止機能は組み込まれていない
ペダルの踏み替えが減るのがメリット、ただ、操作には技量と慣れが必要
ただ、従来とは全く違う加減速操作となるワンペダルは、市場では賛否両論があるのが現状。以下で、そのメリット/デメリットを考えてみましょう。
メリットとしてまず考えられるのは、アクセルペダルとブレーキペダルの踏み替えが激減して、右足の負担が減ることです。日産は、踏み替え頻度が70%、上手く使えば90%減るとしています。疲労軽減だけでなく、急ブレーキ時にアクセルペダルから足を離すだけで強い減速が発生するので、通常のブレーキ操作と比べて、減速が発生するまでにかかる時間が約1秒弱短縮されるため、衝突回避に有効とも考えられます。さらには、油圧ブレーキの使用が減るのでブレーキパッドやローターの摩耗も抑えられます。
アクアの資料。ワンペダルによって、踏み替え頻度が低減するとしている
一方で、アクセルだけで狙い通りの加減速を実現するには、ペダルの微妙な操作が必要なため、技量と慣れが求められることはデメリットといえます。メリットで「右足の負担が減る」と前述しましたが、慣れないうちや操作が苦手な人は、逆に右足が疲れて緊張感で気疲れしてしまうことでしょう。
またワンペダルで完全停止まで行う場合、狙い通りの位置に停止するのが、難しいということもデメリットです。慣れないと、停止位置を通り過ぎたり、あるいは手前で停止してしまったりで、後続車に迷惑をかけることになります。また、通常はブレーキペダルの踏み込みで行う減速が、ワンペダルではアクセルペダルを戻す操作であることは、全く逆の動作となり、混乱して誤操作するリスクも考えられます。
このように、ワンペダルを快適と感じる人もいれば、扱いにくいと感じる人もいるなど、ドライバーの技量や慣れによって、真逆の評価となってしまうため、ワンペダルを採用しているクルマは、運転モードの選択などによって、クリープ走行もできる通常の運転操作も選択できるように設定しています。
現行ノートでは、操作性改善のため、完全停止を廃止
2020年に登場した現行型のノートは、ワンペダル独特の減速フィールの唐突感や違和感をなくしてスムーズに回転が低下するように改良されました。ただ、前述したように、先代で採用されていたワンペダルの完全停止機能が廃止されています。アクセルから足を離すと減速して車速で5km/h程度まで下がりますが、そこからはAT車のクリープのような状態になり、停止するためにはフットブレーキを踏まなければいけません。
完全停止機能を廃止した理由は、2つ考えられます。ひとつは、(先代のユーザーから挙がっていた)狙ったところに正確に停止するのが難しい、という市場の意見に対応したこと。もうひとつは、減速時に緩くアクセルを戻した場合にブレーキランプが点灯せずに停止することがあるため、事故のリスクを回避するためです(通常、アクセルを戻すとブレーキランプが点灯するが、減速Gがある値以下の場合は点灯しない設定となっていた)。
ただ、ワンペダルに慣れて快適だと思っていたユーザーにとっては、ワンペダルの良さのひとつを失う、残念なことだったようです。
2020年に登場した新型ノート e-POWER。従来のワンペダルから完全停止機能を廃止したe-Pedal Stepに改良された
◆ ◆ ◆
効率的に減速エネルギーを得ることができるワンペダルは、今後電動車が増えることで、さらに増えてくることが予想されますが、当面は通常のブレーキ操作のクルマと混在することから、今後も、通常制御とワンペダルをドライバー自身に選択させる方法が続くものとみられます。ただ、もしかすると10年後には、電動車+ワンペダルが主流になっているかもしれませんね。
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みんなのコメント
操作間違いは無いけど、乗り易さは普通が良い。
ワンペダルは不要だ。