ほとんどのスポーツカーは速そうな見た目をしていて実際に速い。しかし、世のなかには全然速そうなスタイルに見えないのに実は驚速というクルマもある。今回は、そうした隠れ超ッ速カーを見ていくことにしよう。
文/長谷川 敦、写真/トヨタ、日産、ホンダ、キャディラック、CarWp.com
クルマは見た目じゃない!! 走ったらスゴい[隠れ激速カー]6選!!!
【画像ギャラリー】走ったら激速い!! 狼の皮を被ったクルマたち(17枚)
どうして見た目と速さが相反する?
本来速さが求められていないミニバンやセダンでも、実際にはかなりの速度で走ることができるモデルも多い。そんな意外性もまたそのクルマの魅力になっている
まずは「速い」の定義が必要で、最高速度が高いのか? それとも加速力が圧倒的なのか? あるいは高速コーナリングが可能なのか? などとさまざまなかたちの「速い」が考えられる。
そこでこの記事では、単純に車重に対してエンジン出力が高い(=パワーウェイトレシオが低い)クルマを「速い」と定義したい。
では、速くなさそうに見えるのに速いクルマというのはなぜ存在するのか?
日常使用メインのクルマにハイパワーグレードが用意されているケースが多いが、こうしたグレードはその車種のイメージアップにつなげるという目的で存在していると考えられる。
また、パワーのあるクルマは多人数を乗せたときや高速道路の走行がラクという理由も考えられるが、シンプルに「遅そうに見えるのに速い」のはカッコ良く感じられるのも事実。
「羊の皮を被った狼」といった表現もあり、ある種の奥ゆかしさを感じさせる性質は、海外はともかく日本人には評価される要因にもなる。
次の項からは、実際に古今東西の「速そうに見えないのに実は速い」クルマを紹介する。
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一見、なんの変哲もないセダンなのに…
●日産 スカイライン 400R
スカイラインシリーズを「速く見えないのに速い」くくりに入れてしまうのには異論があるかもしれないが、そもそも聖書に出自を持つ「羊の皮を被った狼」という言葉をクルマに使ったのは3代目スカイラインが初めてとされ、それに敬意を表して現行のスカイラインセダンをここでは推したい。
現行V37型スカイライン 400Rの最高出力は405psで、車重の1760kgをこの馬力で割ったパワーウェイトレシオは約4.36。
この数字はセダンとしては十分以上に低く、400Rがパワフルなクルマであることがわかる。
●キャディラック CTS-V
次に紹介するのは、アメリカのゼネラルモーターズ(GM)がキャディラックブランドで販売していたCTS-Vだ。
特に注目なのが2014~2019年に販売していた3代目モデルで、なにがスゴいのかというと、その心臓部にスポーツカーのコルベットZ06と同じ6.2リッターV8スーパーチャージドエンジンを搭載していたこと。
最高出力が649ps、最大トルクは87.2kg・mのパワーは、1910kgのヘビー級ボディにもかかわらず、パワーウェイトレシオ2.94を達成していた。
この数値は日産 GT-R NISMOのそれに近いといえば、CTS-Vがどれだけパワフルなのかを想像してもらえるかもしれない。
外観は典型的なアメリカン4ドアセダンながら、とてつもないパワーを持ったCTS-Vは、隠れチョッ速カーの名にふさわしい。
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ミニバンなのにどうして速い?
●トヨタ エスティマ Aeras(アエラス)
本来は速さを必要としないミニバンだが、車重があって多人数と荷物を載せてもパワー不足を感じさせないように馬力の大きいエンジンを積んでいることも多い。
ここで紹介するトヨタの3代目エスティマ Aeras(2009年)は、1770kgの車体に280psエンジンを搭載したことにより、ミニバンとしてはかなり低い6.32というパワーウェイトレシオを誇っている。
3代目エスティマにはパワーユニットの異なるさまざまなグレードが用意されていたが、最もパワフルだったのは3.5リッター自然吸気V6エンジンモデルで最高出力は前出の280ps。
スペース効率を優先するためFF方式を採用しながら、パワフルなエンジンが想像以上のスピードを発揮させた。
●ホンダ エリシオン プレステージ
ホンダが2004~2015年に販売していたミニバンのエリシオンもまた、超ッ速カーと呼べる動力性能を持っていた。
最初に登場したエリシオンには2.4リッター直4と3リッターV6エンジンの2モデルがラインナップされていたが、後になって上級グレードのプレステージが登場した。
プレステージに搭載されたエンジンは3.5リッターV6であり、このエンジンが300psの最高出力を叩き出した。
車重は1960kgのためパワーウェイトレシオは6.23と先に登場したエスティマ Aerasにはやや譲るが、十分に低い数値といえる。
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【番外編】コレは反則でしょ! の驚速カー
アルファロメオ 164プロカー。公道モデルとの外見上の違いは車高が低めなこととリヤウイングが装着されていることぐらい。しかし、中身はまったく違っていた
●アルファロメオ 164プロカー
イタリアのアルファロメオが1987~1998年に販売していた4ドアセダンが164。
この164はイタリア車では珍しく直線を基調にしたフォルムが特徴のモデルで、後期には200ps超えのターボエンジン仕様も登場するなど、十分に速いセダンだった。
だが、ここで紹介したいのはほぼ164そのままの外見ながら、中身がとんでもなかったスペシャル仕様だ。
1988年に公開された164プロカーがそのモデルであり、F1用に開発された3.5リッターV10エンジンを搭載していた。
このクルマは、市販車の外観を保ったモンスターマシンで争うプロカー選手権のために開発され、164なのは外見だけ。
結局諸般の事情によりプロカー選手権の開催は見送られたが、600psのF1エンジンを積んだセダンによるレースが実現していたら、興味深いものになったはずだ。
●ルノー エスパスF1
ルノー エスパスは、フランスのルノーが販売するミニバン。
1984年に販売が開始された初代モデルは、外板の多くに樹脂を使用していたため車重が1228kgと軽く、110psのエンジンによるパワーウェイトレシオは11.2と、1980年代のミニバンにしては低い数値だった。
そしてルノーが自社のF1用3.5リッターV10エンジンを2代目エスパスに載せてしまうという暴挙(?)に出た。
その結果1994年に生まれたのがエスパスF1だが、もちろんこれはプロモーションのために製作された車体であり、公道を走ることは想定されていなかった。
先のアルファロメオ 164プロカーやエスパスF1など、外見からは想像できない速さを持ったクルマは遊び心やある種のロマンを感じさせる。
これは公道を走るクルマも同様であり、「羊の皮を被った狼」には、クルマ好きの感性を刺激する何かがある。
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ストレートでベタ踏みして喜んでる初心者レベルの記事
そんな事じゃ無くて、スペックは普通なのに運転したら最高に楽しい車を紹介してほしい。