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レクサス日本導入から16年…そのブランド力は本物か

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レクサス日本導入から16年…そのブランド力は本物か

 2005年、トヨタの高級ブランドとして日本展開を開始したレクサス。

 いまだに否定的な評価も出るが、ここにきて、日本に、そして日本人に根付きつつある気がしてならない。

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 レクサスの魅力と価値を多角的に探ってみる。

※本稿は2021年10月のものです。
文/松村 透 写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2021年11月10日号

[gallink]

■カギになるのはやはり「ユーザーの声」

レクサス LC。「欧州車に対しても遜色ないブランド力」(30代)

 日本産高級ブランドとして展開しているレクサス。

 とかく、「歴史の浅さもあり、ブランドの構築にはまだ至らない」などと評するモータージャーナリストもいるが、カギになるのは『クルマを買うお客さん』。

 ここにきて、一般ユーザーや若い世代からは「レクサス、いいじゃない」「日本のクルマだから故障しない高級車、最強だと思う!」といった声も耳にする。

 レクサス、今や一般には受け入れられているのではないか!? ……という想定のもと、一般の方はどう感じているのか、声を集めてみた。

■会社経営者が乗るクルマ

レクサスRX。「日本製高級車という安心と信頼性がある」(28歳)

 今回、20~30代の方を中心にクルマ好きや一般ユーザーのみなさんへレクサスに関して話を聞くことができた。

 総合的な意見を最初に明かすと、「高級車」「ディーラーのおもてなしが素晴らしい」「ブランドとして確立されつつある」といった好意的な内容のものが目立つ。

 ブランドが受け入れられつつあるのでは? というこちらの想定を大きく外すことはないようだ。一方で、ブランドとしての未成熟具合を指摘するなど、ネガな意見があったのも事実……。

 いくつかの質問項目を設け、忌憚ない意見を伺ってみたが、その具体的な声を紹介していきたいと思う。

●Q:レクサスに対しての率直な印象は?……安心して乗れる隙のない高級車(東京都・30代)/女の子に人気、デートカーに最適、壊れない、オシャレ(千葉県・20代)/ディーラーでの手厚いサービスはホテルを思わせる(岡山県/40代)。

●Q:あなたの周囲の人たちのレクサスに対するイメージは、どうでしょうか?……全方位で不満がない(東京都・30代)/会社経営者やお金持ちが乗るクルマ(群馬県・50代)/あまりクルマに興味がないが、レクサスは所有したいと思う(東京都・40代)。

●Q:「レクサスというブランド」に対するイメージは?……短期間で高級車のイメージを定着させたことは凄いと思う(東京都・20代)/ブランドとして若い人から認知されている(東京都・20代)/松山英樹選手など、ゴルフとコラボすることでのイメージ戦略が巧みa(岡山県・40代)。

*   *   *

 まずは「レクサスに対するイメージ」。高級車やお金持ちというキーワードが目立つのは予測どおりといえる。そして、「ディーラーでの手厚いサービスはホテルを思わせる」という意見。

 後述のオーナーズクラブの声にもあるが、噂に聞く極上のサービスはお客を虜にさせるには充分……といった感じか。こんな部分に特有の世界観があるのもレクサスの特色なのだろう。

■日本製という安心感

レクサス LS。「レクサス、欲しいなぁ」(40代)

 さらに、みなさんへ質問を投げかけてみた。

●Q:レクサス車の特徴や強みとは何だと思いますか?……日本製の高級車という安心と信頼性(東京都・28歳)/日本のメーカーという安心感。何かあっても対応してくれそう(千葉県・40代)/まじめな日本人だからできる工業製品(神奈川県・20代)。

●Q:レクサスは欧州車に引けを取らないと思いますか?……一般の方は欧州車と同等と見ているけどクルマ好きはそう感じない(?)(東京都・29歳)/欧州車に対しても遜色ないブランド力があると思う(東京都・30代)/欧州車が身近になったぶん、相対的にレクサスが上に感じる(東京都・20代)。

レクサス IS。マイナーチェンジで品質向上するのもレクサスの魅力。前出のLSもこのISもその流れだ

 冒頭で述べたとおり、「日本製の高級車」というのがレクサスの大きな強み。これを実感するユーザーが少なくない、ということが判明。

 また、欧州車に遜色ないブランド力があることを、若い層は感じている。レクサス、一般に受け入れられている一面もあるといえる。

*   *   *

 レクサス、日本での浸透具合はどうか!? ……この思いを抱きつつみなさんへ聞いてみた当企画。

 紹介したように、今回の好意的な回答が意味することは……、関係者のカイゼンとかなりの努力、幾多の苦労がユーザーにも届いている、といえよう。

 レクサスは「ドイツ御三家」に真っ向勝負が挑める日本で唯一のブランドだが、まだ歴史は浅い。

 名だたる名店は一朝一夕には成立しない。「世界に誇ることができるブランドを自分たちが育てていく」という自覚を、今後ともメーカーはもちろん、ユーザー側も意識する必要がありそうだ。

■海外ではどのような評価なのか!?

メルセデス級の品質なのに高級車としてはリーズナブルという認識が拡がり、アメリカでは好調なレクサス

 1989年、アメリカで生まれたレクサス。そのレクサスに対する、アメリカ人の信頼度は今でも揺るぎない。

 ブラント立ち上げ当初の1990年代前半は、アメリカ人の多くがレクサスがトヨタの高級ブランドであると認識していなかった。なかにはアメリカのメーカーだと思い込んでいる人もいたほどだ。

 キモは「メルセデス級の品質でサービスもいいのに高級車としてはリーズナブル」というポジティブな商品イメージだ。

 しかも、リセールバリューの高さも魅力で、10年落ち&10万マイル(16万km)のレクサスRXでも100万円前後の値が付くことがある。

 一方、欧州でのレクサスは厳しい道を歩んできた。導入当初は、ジャーマン高級車のヒエラルキー(社会認識としての序列)で、ジャーマン3と呼ばれるメルセデスベンツ、BMW、アウディ(VWグループ)と肩を並べることができなかった。

 欧州各国のユーザーは、レクサスがトヨタの高級ブランドであることを認識しており、ドイツでの日本車の立ち位置という観点から、アメリカのような順風満帆な門出にはならなかった。

 だが、2000年代から2010年代にかけて状況は徐々に変わっていく。

 ジャーマン3が若者向けのエントリーモデルや、各種クロスオーバーなどモデルの多角化を進めるなかで、結果的にレクサスはジャーマン3のガチンコライバルとなり、欧州各国のユーザーは改めてレクサスの商品性を真正面から受け止めるようになっていった。

 そのほか、中国でもミニバンのLMが2000万円超でも販売好調など、レクサスブランドに対する称賛の声が多い。

■私の「ベストレクサス」と「買っておくべきレクサス」

LFA。V10エンジンの鋭い吹き上がりと、キレのいい走りが印象的

 ベストレクサスにはLFAを挙げたいと思います。2010年当時、LFAは間違いなくトヨタの、そしてレクサスの技術の頂点に君臨したクルマです。大切なことはトヨタがプレミアムブランド「レクサス」を立ち上げ、そのフラッグシップでありアイコンとなるLFAを、全社を挙げて作りあげたということです。

 まるでモーターのように回るV10エンジンは、あのトヨタF1用V10エンジンを連想させる高精度なもので、分厚いトルクというよりも鋭い吹き上がりと、キレのいい走りが印象的です。

 今買うべきレクサスを挙げるとするなら、今や世界的に希少な大排気量NAエンジンを積むRC Fを推します。野太いサウンドと、ちょっと荒っぽい吹き上がり、トルクたっぷりの豪快な加速感が魅力です。案外重量バランスがよく、操縦性のよさも魅力です。

 次点としてLC500を挙げておきます。同じ5リッターNAエンジンを搭載しながら、RC Fに見られた、むき出しのパワー感が上手に抑え込まれており、ラグジュアリーな匂いをまとった個性的な一台に仕上がっています。

■まとめ:それでも「レクサス、まだまだだな」と思うこれだけの理由

乗って「いいね!」と感じるLC500

 結論から書くと、現時点でクルマ好きにすすめられるのはLC500だけといってよい。このクルマを除くと、ハンドル握ったら「トヨタデラックス」です。徳大寺師匠はデキの悪いアウディに乗ると「VWデラックスだな」と称して笑っていた。それの受け売りです。私は「厚化粧のトヨタ」とも書く(笑)。

 そのLCの逆に、一番ガッカリしたのはISがデビューした時のこと。安いダンパー使っているため乗り心地は普通の日本車。高いクルマなんだからC-HRのようにザックスあたりを使ったらいかがか、と聞いてみたら「高くて使えない」ときた。

 トヨタだって使えるダンパーを(今はC-HRもコスト高いということからKYBに替えちゃいました)、トヨタの同クラス車より100万円以上高く売ってるレクサスが使えないとは! やはり厚化粧しただけね、と心底ガッカリしたのを思い出す。

 そもそもレクサスのスタートは「誠実な高級車作り」と説明された。当初は頑張っていたと思う。が、いつの間にかブランド作りに血道を上げるようになった。

 なるほど今やレクサスのブランドイメージは高い。クルマ好きじゃなければ「レクサス=憧れの高級車」。でもクルマにウルサイ人からすれば……。LC500のようなクルマ作りを目指してほしいと強く思う。

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  • 「中身はトヨタのぼたくり!」なんて言ってる貧乏車オタク以外の人には十分ブランドとして理解されている。アンチが多いのもブランドの証だしね。
  • いつまで(ドイツ車においついた!)とか(ブランドは本物か)とか言ってるつもりだよほんと。
    たぶん1000年経っても言うんだろうな。
    この日本においてはJDの調査でブランド認知度はすでにメルセデスと同じ土俵にいるのにブランドが確立していないとかありえない。
    既にあるものに対して(実在するのか?しないのか?)とか言っているアホなレベルの記事。
    わざとでしょ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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