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コルベット直系のLS1 ヴォグゾール・モナーロ(1) オーストラリア横断に好適なビッグクーペ

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コルベット直系のLS1 ヴォグゾール・モナーロ(1) オーストラリア横断に好適なビッグクーペ

運転を好む層を掴めずにいたヴォグゾール

英国ではヴォグゾール(英国オペル)、オーストラリアではホールデンを発信源に、クルマ好きへ衝撃が走ったのは2003年。イメージを塗り替えるコンセプト・スポーツカー、VXライトニングが発表された。

【画像】コルベット直系のLS1 モナーロ スポーティなヴォグゾール(オペル)たち 最新アストラも 全114枚

基本的には、グループ内のポンティアックが提供していたロードスター、ソルティスの焼き直しではあった。しかし、ブランドの将来を力強く指し示すモデルだった。この機運から誕生したのが、V8エンジンをフロントに搭載したクーペ、3代目モナーロだ。

1990年代のオペルとヴォグゾールは、アストラベクトラオメガという堅実なモデル展開で、ファミリーカー市場を有利に立ち回っていた。反面、運転を好む層の気持ちは充分に掴めずにいた。ロータス・カールトン(オメガ)は、10年前の記憶になっていた。

それを問題視した少数の上層部は、ロータスとコラボレーション。エリーゼをベースにしたロードスター、ヴォグゾールVX220(オペル・スピードスター)が生み出されたが、限定的な提案に留まっていた。

ヴォグゾールの親会社だったゼネラルモーターズ(GM)は、エンジンやシャシー技術の世界展開を同時期に推し進めていた。そこで、オーストラリアのホールデンによる1台が、英国市場にも好適だと判断。結果的に、ブランドの若返りにも繋がった。

全長約4.8mの4シーター 2ドアクーペ

2001年に登場した3代目ホールデン・モナーロは、全長4789mmという車格を持つ、南半球生まれの4シーター 2ドアクーペ。GM由来の5.7L V8エンジンが、ボンネットの内側へ押し込まれていた。

英国での仮想ライバルは、メルセデス・ベンツCLK AMGBMW 6シリーズ。身近な価格設定で、市場に一石を投じることが目指された。

ヴォグゾールの製品計画を率いていた、スチュアート・ハリス氏が振り返る。「GMカナダが、モナーロの輸入を計画していた頃です。ホールデンは、特別な防錆加工施設を準備しており、それを(英国仕様でも)利用できるという幸運が重なりましたね」

「右ハンドルと為替レートも、英国には有利でした」。ただし、オペルの取締役会での許可は必要だった。「燃費が悪いことと、我々が製造したモデルではないという理由で、初めはドイツ側から難色が示されました」

それでも、グレートブリテン島のクルマ好きのため、トップクラスのパフォーマンスを持つ新モデルを提供する必要性や、市場での訴求力には理解が得られた。最終的には、導入が決まった。

年間250台以下を販売できる、少量生産枠で型式認証を取得。オーストラリアでも活躍した、レーシングチームを擁するトム・ウォーキンショー氏の協力を得て、ブレーキとエグゾースト、メーター類が英国規制へ準拠するものへ改良された。

モナーロは、英国のミルブルック自動車試験場で開発時にテストされていたことも有効だった。輸入が決定すると、排気ガスや騒音、衝突テストが追加で実施された。

V8エンジンはコルベット C5と同じLS1

ヴォグゾール・モナーロ 5.7 V2 IIIの発売は、2004年5月。シボレー・コルベット C5と基本的に同一の、オールアルミ製プッシュロッド式5.7L LS1ユニットをフロントに載せ、2万8650ポンドでショールームに飾られた。

今回ご登場いただいた4台の内、リアウイングレスでシルバーの1台がそれ。18インチの5スポーク・アルミホイールまで、完全なオリジナル状態が維持されている。現在は、英国のオールテレーン・オートモーティブ社の店頭に華を添えている。

ポンティアックGTOとして北米でも販売されたが、彼の地ではスタイリングがシンプルすぎると批判された。確かに、今見ても個性は薄い。主張は控え目で、鮮明に印象を残す造形とはいいにくいだろう。それでも全幅は2010mmもあり、存在感は相当強い。

広々としたインテリアも、落ち着いた雰囲気。ダッシュボードを中心に、ブラックのプラスティックがふんだんに用いられている。エアバッグを内蔵するため、ステアリングホイールのボス部分が膨らんでいる。いかにも、1990年代の車内だ。

メーターパネルには、速度と回転の他に、水温と燃料という4枚のアナログメーターが並ぶ。シートは電動で角度調整でき、大柄で柔らかく、座り心地が良い。自分の身長が縮んだように感じられるほど、ゆとりがある。後席側も。

オーストラリア大陸の横断に最適な余裕

オーストラリア大陸を横断するような場面で、大きなモナーロは最適だろう。路面がうねるような区間では、マルチリンク式サスペンションで支えるリアタイヤが若干暴れるものの、乗り心地は素晴らしい。

ステアリングホイールやペダルには、適度な重みがある。トランスミッションは6速マニュアルで、シフトレバーは短く、コクコクと決まる。ステアリングレシオは程よくショートで、フロントタイヤとコミュニケーションを図りやすい。

グリップ力が高く、コーナリングは流暢。トラクション・コントロールをオフにすると、太いグッドイヤー・イーグルF1が容赦なくスライドし出す。推移は漸進的だから、手に負えなくなる可能性は低いだろう。

コルベット C5由来のスモールブロックは、333psと47.3kg-mを発揮。4000rpm以上へ引っ張ると、モリモリとパワーがみなぎる。サウンドは控えめだが。

ギア比はかなりロングで、6速に入れると1000rpm当たり71km/h。高速道路の速度域なら、アイドリングより少し高いところで処理できる。その気になれば、10.0km/L以上の燃費を得ることも難しくない。

この続きは、ヴォグゾール・モナーロ(2)にて。

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みんなのコメント

1件
  • ぱぱぞぉ
    トランプはこういうのを日本で売れるようにしたいのかな?
    でも日本のユーザーは大陸横断しなくて、狭い路地をちょい乗りや、渋滞をトロトロとイオンまでとかが大半なんだよね。
    なので、ニーズに全くマッチしてないのよ。
    正直、同じ値段だったとしてもNbox買います、マジで。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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