人気車種のモデルチェンジや季節的な要因などによって中古車の相場は日々動いています。そんな中古車市場でいま狙い目のお得なモデルはどれなのか。中古車相場にも詳しい自動車評論家の萩原文博さんに聞いてみました。2022年夏の終わりの中古車情報として取り上げるのは「ハイブリッドコンパクトカー編」。ヤリス、フィット、ノート、アクアと人気車種が軒並みフルモデルチェンジを行った激戦区の中古車事情やいかに。
この2年で各社の人気モデルが軒並みフルモデルチェンジ
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2019年12月のトヨタヤリスを皮切りに、2020年2月にホンダフィット、同年11月は日産ノート、そして2021年7月にはハイブリッド専用車のトヨタアクアがフルモデルチェンジを行い、現行モデルが勢揃いしました。そこで、最後発モデルのアクアが登場していから1年が経過したタイミングで、国産ハイブリッドコンパクトカーの中古車事情を紹介しましょう。
「トヨタヤリス」ベストセラーながらハイブリッドの流通台数は少なめ
まずは、トヨタヤリスからです。ヤリスは全長3,950mm×全幅1,695mm×全高1,500mm(4WD車は1,515mm)というコンパクトなボディながら、「軽快なハンドリング」、「上質な乗り心地」、「最新の安全・安心技術」を追求したモデルです。
現行型ヤリスのボディ骨格にはコンパクトカー向けのTNGAプラットフォームを採用。従来型に比べて車両重量を50kgの軽量化と同時にねじり剛性を30%以上強化しています。さらに車両の重心高を15mm下げることで、優れた操縦安定性と上質な乗り心地を両立しました。
ヤリスに搭載されているハイブリッドシステムは、高速燃焼技術などを採用し高い熱効率を実現した1.5L直列3気筒ダイナミックフォースエンジンにモーターを組み合わせています。燃費性能はWLTCモードで30.2~36.0km/Lという非常に優れた燃費性能を実現しています。
運転支援システムは、最新の予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」を標準装備。衝突被害軽減ブレーキのプリクラッシュセーフティは昼間・夜間の歩行者検知および昼間の自転車運転者の検知が可能です。さらに右折時の対向直進車や右左折後の横断歩行者も検知対象となりました。また、低速時の事故予防をサポートする「低速時加速抑制」機能をトヨタ車として初搭載。さらに高速道路などで、前方車両の追従走行を支援する「レーダークルーズコントロール」そして同一車線内中央を走行できるようにハンドル操作を支援する「レーントレーシングアシスト」を装備しドライバーをサポートしてくれます。
現在、現行型ヤリスハイブリッドの中古車は約220台流通しています。中古車の価格帯は約118万~283万円となっています。グレードでは最上級グレードのZが最も多く、次いでGとなっています。駆動方式は2WD車が中心で、4WD車は少なめです。
「ホンダフィット」マイナーチェンジ前で流通台数は豊富、“ホーム”が多く“ネス”は希少
続いては2020年2月に登場したホンダフィットです。現行型フィットのボディサイズは全長3,995mm×全高1,695mm×全高1,515mm(4WD車は1,540mm)(クロスターは全長4,090mm×全幅1,725mm×全高1,545mm(4WD車は1,570mm)です。
外観デザインは、子犬のような親しみを感じられる表情を追求。存在感のあるグリルを廃止することでフロント全体にシンプルでおだやかな印象を与えますが、このグリルレスのフロントマスクが不評で、まもなく実施されるマイナーチェンジで、グリルが採用される予定です。
現行型フィットは、歴代モデルが築き上げた優れた性能やコンパクトカーとは思えない圧倒的な室内空間や使い勝手の良さなどの機能性を継承しています。さらに、ユーザーの多様なニーズに応える“心地良い視界”、“座り心地”、“乗り心地”そして“使い心地”という数値化できない「4つの心地の良さ」を実現し、ユーザーフレンドリーさが魅力です。運転席前のAピラーを細くしたりするなど広い視界と車両感覚をつかみやすい工夫が施される点はこのユーザーフレンドリーさの表れです。
現行型は、従来のように装備などの違いでグレードを設定するのではなく、ユーザーのライフスタイルやライフステージに合わせて装備などを選べる、“ベーシック”、“ホーム”、“ネス”、“クロスター”。そして“リュックス”の異なる5つの個性を用意しています。マイナーチェンジで“ネス”が廃止され、スポーティなRSグレードが追加される予定です。
フィットに搭載されているe:HEVと呼ばれるハイブリッドシステムは、1.5L直列4気筒エンジンに駆動・発電を行う2つのモーターを組み合わせたもので、駆動方式は全グレードで2WD(FF)と4WDが設定されています。安全装備は衝突軽減ブレーキをはじめとした11の機能がパッケージ化したホンダの安全運転支援システム“ホンダセンシング”を全車に標準装備しています。
現行型フィットのハイブリッド車の中古車は約822台流通していて、価格帯は約121.8万~315万円となっています。グレードではe:HEVホームが最も多く、e:HEVベーシックが続きます。その一方で最も少ないのが、マイナーチェンジで廃止されるネスとなっています。
「日産ノート」流通台数はそれなりにあり、4WDも見つかる
同年11月に登場した現行型日産ノートは、全車日産独自のシリーズハイブリッドシステムのe-POWER搭載車となりました。新設計のプラットフォームを採用し、「コンパクトカーの常識を超える運転の快適さと楽しさが詰まった先進コンパクトカー」を目指しています。
現行型ノートのボディサイズは全長4,045mm×全幅1,695mm×全高1,520mmの5ナンバーサイズをキープしています。外観デザインは、日産車のアイコンである新型のVモーションを採用し、フロントグリルと一体化した薄型のヘッドランプを採用することで、クリーンかつダイナミックなデザインで、コンパクトサイズながら存在感を強調しています。
搭載するパワートレインは、1.2Lガソリンエンジンで発電し、その電力でモーターを駆動させ走行する「e-POWER」です。駆動方式は2WD(FF)と後輪を50kWという出力を発生するモーターを採用し、前後独立したモーターで駆動・制御する4WDの2種類です。燃費性能はWLTCモードで23.8~29.5km/Lを実現しています。
安全装備は、クルマの全方位での安全性を向上させるとともに、「プロパイロット(ナビリンク機能付)」を初搭載。この機能は、高速道路での同一車線走行時の運転操作をサポートするプロパイロットに、ナビゲーションシステムとの連携機能を加えることで、制限速度の変化に伴う設定速度の切り替えや、カーブの大きさに応じた減速をシステムが支援し、ドライバーの操作頻度を軽減、安心かつ快適なドライブを実現させます。グレード構成は通常のモデルに加えて、最低地上高を高めたSUVテイストのクロスオーバーも用意し、多様化するユーザーのニーズに応えています。
現行型ノートの中古車は約375台流通していて、価格帯は約150万~309万円です。中古車のグレード構成は1.2X 2WDが最も多く、1.2S 2WDが続きます。他のモデルに比べて4WD車の流通台数が多いのが特徴です。また、オーテックというカスタマイズカーの流通台数も多くなっています。
「トヨタアクア」新しいわりに意外と流通台数あり、4WDは少ない
最後に紹介するのは、2021年7月に登場したトヨタアクアです。ハイブリッド専用車のアクアは、ヤリスと同じプラットフォームを採用していますが、ホイールベースは2,600mmで先代より50mm延長され、後席の居住性にゆとりが生まれています。
搭載されているハイブリッドシステムは、ヤリスと同じ最高出力91ps、最大トルク120Nmを発生する1.5L直列3気筒エンジンとモーターを組み合わせたもの。しかしシステム用バッテリーには世界初採用となる「バイポーラ型ニッケル水素」電池を採用しているのが特徴です。その結果、モーターによるEV走行領域が拡大しています。
そして駆動方式は先代が2WD(FF)車のみだったのに対して、現行モデルはE-Fourと呼ばれる電気式の4WD搭載車を設定。燃費性能はWLTCモードで30.0~35.8km/Lを実現しています。
アクアは全グレードで、最新の予防安全パッケージである「トヨタセーフティセンス」を標準装備。交差点での右左折時の事故にも対応させたプリクラッシュセーフティをはじめ、高速道路での負担を軽減する全車速追従型レーダークルーズコントロールや操舵を支援するレーントレーシングアシストなどクラストップレベルの運転支援機能を搭載しています。
まだ登場して1年が経過したばかりの現行型アクアの中古車は約174台流通していて、価格帯は約149万~290万円となっています。グレードでは最上級グレードのZ 2WDが最も多く、次いで1.5X 2WDが続いています。駆動方式では圧倒的に2WD車が多く4WD車は少なめです。
台数が多く値落ちも期待できるフィットが狙い目、フレッシュなアクアも探す価値あり
今回国産ハイブリッドコンパクトを4モデル紹介しましたが、中古車で狙い目は流通台数の多いホンダフィットでしょう。室内空間も広く、使い勝手も抜群です。さらにまもなくマイナーチェンジで外観も変更されますので、前期型の中古車はさらなる値落ちが期待できます。
フィットの次にオススメはまだ流通台数は少ないですが、トヨタアクアです。室内空間の広さも魅力ですが、やはりバイポーラ電池を使用したハイブリッドシステムの静粛性とスムーズさは魅力です。モデルのフレッシュさもアクアの魅力といえます。
※記事の内容は2022年9月時点の情報で執筆しています。
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みんなのコメント
って言うかホンダは日本でN-BOX意外は終わってるけどな。
外国での売上で如何にも日本の企業が売れているのは止めた方がいいな!